2013年12月30日月曜日

Yessongs Movie- 40th Anniversary Special Edition


年末年始の休暇を利用して、これまで仕事に追われてできなかった事を少しずつ進めています。大体は掃除ですが、その間にいろいろ音楽を楽しんでいます。

Yessongsの映画版(VHS)を初めて買ったのは、僕がまだ高校生だった'80年代の中頃でした。確かその当時は国内版が発売されておらず、ボロい厚紙の装丁の輸入版を西新宿の輸入レコード店で購入しました。箱の端々から灰色の紙が剥け出ているようなパッケージでしたが、けっこう高かったように記憶しています。
かつては本当によく観たこのビデオも、何度か転居を重ねるうちに引越の梱包からほどかなくなってしまい、最近はビデオデッキもなくなって、気付けば十数年はご無沙汰の状態になっていました。

そんなYessongs、amazonでBlu-ray Discが出ている事を知り、懐かしさもあってこの年の瀬に、ついポチッとしてしまいました。

1972年12月、英国はレインボー・シアターで撮影された本作は、ライヴ・アルバムの『Yessongs』とは「Close to the Edge 危機」とエンドロールで使われた「Würm」の2曲だけ同じ音源ですが、他は異なる演奏です。
製作陣にスティーヴ・ハウのお兄さん(Editor: Philip Howeとクレジット)が関わっている関係か、全体的に彼にスポットライトが当たっているような印象ですが、この時期だからこそ、それで全く正解だったといえると思います。(エンドロールでのメンバーのクレジットでも、普段ならJon Andersonとなるべき一番上にSteve Howeが来ています。)
今やテンポは落とすは運指はもたつくはで、全くダイナミズムもカッコ良さも感じられないハウさんですが、'70年代後半には米Guitar Player誌で5年連続ベスト・ギタリストに選出され、殿堂入りしたほどの実力と人気を兼ね備えていたギタリスト、しかも「危機」リリース直後のライヴですから、もう脂ノリノリの時期の貴重な勇姿を観る事ができます。

そしてみんな若い!クリスはおばちゃん顔ですがスリムで背が高くて、アクションひとつひとつがサマになってるし、リックも長身スリム、サラッサラのブロンドヘアーをなびかせています。キラキラマントを羽織ってリリース前の「ヘンリー八世」を披露、この時期に合わせて「ジングルベル」を挿入するサービスも。ジョンはゆらゆらしながら唄い、そっけないMCを所々に挟み、近年のお茶目さやサービス精神はまだ持ち合わせておらず、ナイーブな雰囲気を漂わせています。
見た目の変化はスティーヴが一番大きく、最近の姿はただただ「お爺ちゃんだなぁ」としか思えなくなってしまいましたが、この映像の中では一番ロッカーなんじゃないか?というステージ・パフォーマンスを魅せてくれています。
ギターのポジショニングこそ非常に高い位置にしていますが、ロン毛を振り乱して頭を振りながら、ボーダーレスなフレーズの数々を「これでもか!」というくらいにブチ込んでいく姿には惚れ惚れしてしまいます。

この時期のイエスは、曲が長かろうが変拍子入れようが意味有りげな歌詞だろうが、完全にロックですね。音楽がドライブしています。
オーディエンスもヘッドバンギングしてるし、アドレナリン放出、カタルシス爆発パワーが漲っています。
改めてこの映像を観て、アラン・ホワイトが入った事でより分かりやすいロックらしさが出たようにも感じます。I've Seen All Good Peopleの後半「Good People」なんかは顕著で、ビル・ブルーフォードが叩いていたアルバム・バージョンやドイツの音楽番組「ビート・クラブ」でのスタジオ・ライヴでは、リズムが「いなたい」というか野暮ったさがありましたが、アランが叩く「Yessongs」や「Classic Yes」のボーナス盤で聴けるライヴ・ヴァージョンでは、単純なリピートのこのパートが見事にグルーヴしています。
個人的にはビルのドラムの方が好きですし、この時期にもしビルが残っていたらという妄想も見果てぬ夢としてありますが。。。(Roundaboutでのスネアとバスドラを入れるタイミングには、未だにゾクゾクします。またABWHライヴでのAll Good Peopleは素晴らしかった)

また、'70年代ならではのライヴ用アレンジも良いですね。「And You And I」の出だしは12弦アコギではなくてスティールギターから始まったり、「Roundabout」もアコギを使わずエレキ(フルアコ)で一曲通したり。
僕が知る限りではAnderson Bruford Wakeman Howe辺りから、ライヴでもオリジナル・アルバムの再現に注力するようになったと思いますが、1曲の中でギターを取っ替え引っ替えするよりも、ライヴのノリで押し切るこの感じの方が好きですね。

僕はブートを聴かないのでこれ以外に同じような演奏があるのかは知りませんが、「Yours is no Disgrace」では後半のフォーク/カントリー調にテンポダウンするパートがカットされ、スティーヴの即興ソロパートからそのままエンディングのコーラスパートに突っ込んでいくアレンジになっていて、これも初めて聴いた当時はシビれました。「The Yes Album」のLPをカセットに吹き込む際に、同じ展開になるようにレコード針とカセットデッキをいじって必死に調整したアホな思い出もあります。

このBD。5.1chになったとはいえ、元の音が音なのでそこは致し方なしといったところですが、映像はきれいになりましたし、最近のクリスとスティーヴ、そしてロジャー・ディーンのインタビューも収録されていて、それも非常に興味深く観る事ができました。ジョンやリックにも登場して欲しかったけど、現状では難しかったんでしょうね。

僕が2歳の頃のイエスの勇姿、41年前のクリスマス・ライヴです。劇場公開は'75年との事。そして僕が最初にこれを観てから25〜26年は経っていますが、やっぱり色褪せないですね。







2013年12月19日木曜日

Genesis Revisited:Live at Hammersmith / Steve Hackett




※2014.1.21 その後何度か映像を見直し、CDも聴き込んで、少し追記・編集をしました。

国内盤の発売は遅かったですね。本日ようやくamazonから到着しました。
国内盤特典は...折り畳み紙ジャケ、歌詞/対訳カード ...以上。
輸入盤を買った人のレビューか何かで「I Know What I Likeでエラー」というのを見かけましたが、国内盤でもイントロで一瞬映像が止まってしまう症状が認められました。
DVD2枚目のインタビューには翻訳字幕もないので、この内容であれば10月にリリースされていた輸入盤で全然良かったかも。

来日公演でのチッタに比べると数倍は大きいハコの、伝統あるロンドンはハマースミス・アポロ。
一階席/二階席ともにみっちり満員御礼の公演を、ノーカットで収録。
おじちゃんおばちゃん率が高い客層、曲間の至る所で「Supper's Ready !!」リクエスト、そのSupper's Ready中盤での「a flower?」の合いの手、The Musical Box終演後のメチャ盛り上がりなど、6月の来日公演を彷彿とさせるオーディエンスのレスポンスに微笑ましくなりました。ファンの沸点はどこでも似たところにあるもんですね。
ただやはり地元、スティーヴが「Sing along」と言えばみんな唄うし、スタンディングオベーションも多くの曲の演奏後に起きていました。
日本でも初日、Moonlit Knightの際に「Sing along」と言われましたが、我々日本人は唄えませんでした。そして2日目、3日目にはもう言ってくれなくなっていました...。

他に特記できる点としては、おそらくコスト的な問題で来日時には持ち込まなかった、背面のLED3面ディスプレイ。今回の映像化で全貌が確認できると期待していましたが、バンドのパフォーマンスを邪魔しない程度の抽象的な、曲のストーリーに沿ったイメージ映像といった感じでした。
Youtubeで見た別日程のReturn of the Giant Hogweedでは、ギタリスト2人のコミカルなCGアニメが流れていましたが、今回見た中にはそういった路線の画はありませんでした。(このセットリストにHogweed無いですしね)
また、ライティングも巧みに制御された見応えのある演出がなされていて、こちらも地元ならではのアドバンテージだったのでしょう。ライティングの華麗さと言えばジェネシスの専売特許でもありました。ド派手になりすぎた本家とは比ぶべくもありませんが、この規模にふさわしい照明がショウに華を添えていました。

セットリストは流れ的には来日時とほぼ同じながら2曲多く、スティーヴの1stソロからShadow of the Hierophant、ジェネシス「静寂の嵐」からEleventh Earl of Marが演奏されています。
また、ゲスト参加も豪華。
・ニック・カーショウ:Lamia
・ジョン・ウェットン:Afterglow
・スティーヴ・ロザリー:Lamia
・アマンダ・レーマン:Shadow of the Hierophant / Entangled
・ジャッコ・ジャクスジク:Entangled

参加ゲストの担当した曲はアルバム「Genesis Revisited II」に沿ったものです。
ニック・カーショウは80年代に洋楽に馴染んだ世代としては懐かしい名前です。Lamiaでの歌唱はアルバム以上に感動的です。
彼のヴォーカルからギター・ソロに移行するとスティーヴ・ロザリーが登場、ハケットとのギターバトルシーンが魅せ場の一つでもあります。
アマンダ・レーマンは、原曲よりキーを下げてはいるものの、オリジナルで唄っていたサリー・オールドフィールドにも見劣りしない歌声を披露、またギタリストとしてもしっかりスティーヴのサポートをしていました。
Entangledでは、次期クリムゾン・メンバーのジャッコ・ジャクスジクがリード・ヴォーカルを務め、アマンダとナッド・シルヴァン、ギャリー・オトゥールと、リードを取れる3人がコーラスを担当したため、スティーヴはギターに集中していました。来日時はこんなにゲスト連れて来れないから、コーラスに加わっていましたもんね。

ジョン・ウェットンは1996年、最初のGenesis Revisited時はフロントマンとして活躍しましたが、今回はスペシャルゲストとしての1曲のみ。その頃と比べると体格も大きく変わりましたね。トニー・バンクス作のAfterglowを朗々と歌い上げました。彼とジェネシスの直接の関係性ってないと思いますが、スティーヴのジェネシス企画では毎度しっくりハマりますね。今回のステージでは長年の友情が垣間見えて、微笑ましいシーンがありました。
そういえば彼らはスティーヴ・ハウとはうまくいかなかった2人ですね。むむぅ。

見た目、体格で驚いたのはスティーヴ・ロザリー。
マリリオンは全く聴いてこなかったので、正直どんな人かも知りませんでしたが、大きい赤ちゃんのような巨漢ですね。ギターがとても小さく見えました。

それはさておき。
こうして改めて鑑賞すると、このGensis Revisitedという企画は本当に素晴らしい!
「かつてのメンバーによる懐古ビジネス」という斜めの見方も、もしかしたらあるのかもしれません。そんな側面があったとしても、これだけのクオリティで提供されて、間違いなく楽しめるのですから、全く問題ありません。
それにジェネシスという振幅の大きいバンドにあっては、スティーヴの存在がなければ、もはやCDで聴くしかなかったであろう初期のマテリアルが、こんなにも躍動感溢れる形で息を吹き返したのだから、懐古どころかむしろ新鮮ですらあると思います。

特にピーター在籍時のライヴを体験できたのって、ヨーロッパとアメリカの僅かな人たちだけでしょうし、フィル時代になって演らなくなってしまった曲も多いでしょうから、今回あの曲、この曲を初めてナマで聴けた!!という人が沢山いるんじゃないでしょうか。

そして、キーボードのロジャー・キング。スティーヴ関連のエントリーでずっと書き忘れていましたが、この人は重要です。淡々としていますが、このバンドの要ですね。Firth of Fifthは、トニー・バンクス本人もライヴではイントロのピアノソロを端折ってましたし、前Revisited時のジュリアン・コルベックも同様で、更には間奏のシンセソロ部分も全く異なるアレンジになって、バンドの即興パートになったりしていましたが、ロジャーはイントロ、間奏のシンセソロどちらもしっかり忠実に聴かせてくれました。
トニー・バンクスを再現するスキルを持ち、かつスティーヴの盟友として活動する。長年の苦労が報われるビジネス・パートナーですね。
これだけ聴かせてくれると「In the Cage」「Cinema Show」あたりも聴きたいと思ってしまいますが、Cinema Showはスティーヴの存在が小さい曲だから難しいかな。。。

10月、ワールド・ツアーの最終地としてイギリスに戻った一行は、セットリストをリニューアルし、The Return of the Giant Hogweed, The Fountain of Salmacis, The Carpet Crawlersを演奏したそうです。この時期の公演も、これまた伝統のロイヤルアルバートホールのものがソフト化される予定と聞いています。待ち遠しいですね。

以下はYoutubeにアップされているオフィシャル映像。本作からの抜粋です。



Rock and Roll Hall of Fame 2014

ロックの殿堂 2014がつい先日発表され、2010年のジェネシスに続いてピーター・ガブリエルが選出されました!

All Inductees By Year: 2014

殿堂入りしたアーティストは上記のWebにありますが、主立ったところはこちら。
・キッス
・ニルヴァーナ
・ホール & オーツ
・リンダ・ロンシュタット
・キャット・スティーヴンス

その他パフォーマー以外では、ビートルズのマネージャーとして知られるブライアン・エプスタインなどが殿堂入りしました。


今回イエスもノミネートされ、ネットのファン投票では4位に付けていたのですが、残念ながら殿堂入りならず...、同じく3位に付けていたディープ・パープルも残念でした。


イエスもパープルも長い歴史と偉大な功績がありますが、「現時点」での立ち位置や影響力などを考えると、厳しいんでしょうか。。。

何はともあれPG、おめでとうございます!

2013年12月12日木曜日

Lou Reed / Metal Machine Music

ルー・リードは前職の先輩に教えてもらって、一時本当によく聴いた。そのきっかけは、もう22〜23年前になる。今でもiTunesにかなりのアルバムを読み込ませてあり、いつでも聴けるようにしてある。もともと僕自身がギター/インストの趣向が強かったせいで、歌詞の世界にはそれほど深く入り込む事ができなかったが、ロック・ミュージックの神髄とも言える感覚は、ルー・リードとヴェルヴェット・アンダーグラウンドの音楽を聴く事で身をもって覚えた気がする。

 彼が亡くなった事を教えてくれたのも、その先輩だった。 この数年間、先輩とは年賀状のやり取りくらいの細い繋がりになってしまっていた。虫の知らせなのかどうか、たまたま最近になってメールでの交流が復活した矢先の事だった。
10/28(米時間10/27)の朝、先輩からメールで知らされて大きな衝撃を受けた。
ちょうど夫婦で旅行に出た日の出来事だった。その晩 僕は旅先で、持参したMacのiTunesライブラリから「Berlin」と「Live in Italy」を選んで、続けて聴いた。「Berlin」はレクイエムとして、「Live in Italy」は前を向くためのカンフル剤として、自分なりにそれぞれふさわしいと思っての選択だった。

後日webで見る事ができた奥さんのローリー・アンダーソンの手記は、涙なくしては読めなかった。悲しいという感覚よりも、とても深くまで理解し合った二人の別離の瞬間が、映像となって脳内で再現され、「日曜の朝」の様子が心に迫ってくるようなテキストだった。 パティ・スミスやメタリカのラーズのテキストも、ただ美化するだけじゃない、本当に近くにいた人たちならではの親しみに溢れていた。

 彼のアルバムの中で唯一、今まで手を出せなかったのが今回のタイトルにある「Metal Machine Music」だった。 初CD化された際に「全編ギターノイズ」「契約を履行するための悪ふざけ」「本人も認める失敗作」など真偽不明な予備知識が入ってきて、以来ずっと及び腰になっていた。
そしてようやく聴く覚悟ができたのだが、確かにこれはすごいモノには違いないと感じた。ただ、普通の感覚で評価すべきものでもなさそうだ。
 聴けるか聴けないかというと、僕個人としては聴ける作品だった。
ただし、心のコンディション次第だし、全編連続で聞き通すのは至難。 メロディもリズムもなく、リフやソロもなく、もちろん唄もない。
幾重にも織り重ねられたギターノイズの音像は、壁というよりも港から眺める大海を想起させる。砂浜や岸壁ではなく、港から見る海。背には摩天楼という、個人的な、勝手なイメージ。 フィードバックの高音はカモメの鳴き声のように聞こえる瞬間もあり、金属的な尖った断片はさざ波に揺れながら反射する日光のように煌めいている。
 導入部のインパクトはファウストの「クラウトロック」にも通じるものがあるが、異なるのはそれが全く反復せずに延々LP2枚分続いていく事。

 ニューヨークの詩人と言われたルー・リード。ギター・ノイズだけで紡いだこの作品もまた、聴くものそれぞれのイマジネーションを刺激し、詩的情景を提供してくれたのだと思う。

2013年10月31日木曜日

Comments from Steve on the passing of Lou Reed:

Steve HoweもLou Reedの訃報にコメントを寄せています。彼とRick WakemanはLouの1stソロ・アルバムに参加したんですよね。今考えると不思議な取り合わせですが、これも縁ですね。以下FBからの引用です。

"I remember Lou playing a few songs for us at Morgan Studios when Rick and I played on his first solo album. Then we got on with it and recorded "I Can't Stand It", "Ocean", and "Lisa Says"
He was really nice and very professional; it was a pleasure playing for him.
—Steve Howe

2013年10月29日火曜日

Lou Reed

2013年10月27日、享年71。
詳しい死因は伝えられていませんが、この5月には肝移植手術をしていました。

ご冥福をお祈り致します。



2013年10月9日水曜日

25年を経て知った怪奇骨董音楽箱の真実


なんと衝撃!
大学受験の帰りになんだか気抜けして、ふらっと立ち寄った新宿レコードで買ったアナログ盤。それがGenesis「Nursery Cryme('71)」との邂逅でしたが、なんと25年も経って判明した事が。
フィル・コリンズがドラマーとして加入した初の作品で、既にリードボーカルをとっていたなんて・・・。
「For Absent Friends」、2分にも満たない小曲ではありますが、2007年のリマスター盤を聴いていて「ん?・・・んんん? これは、ピーターじゃない・・・よね?!」と、今更ながら気づいた次第です。直後に英語版Wikiでもウラ取りしました。

ずっと前に見た音楽誌で「Selling England By the Pound('73)」の「More Fool Me」がフィルの初ボーカル曲なんて書いてあって、私は今の今まで全くもってそれを信じて疑っていませんでしたが、なんとまぁ。(と人のせいにしてみたり・・・)
確かに「The Musical Box」「Supper's Ready」でもピーターと掛け合っていますし、「Harlequin」「I Know What I Like」ではツインリードのように終始ハモっていますが、「For Absent Friends」でのリードボーカルってのは、今更だけに大衝撃でした。

フィルさん、Genesis加入当初からこんな実績があるんじゃ、そりゃPG脱退後にその座に就くなんて、かなり自然な流れだったんじゃないでしょうか?
その当時を追想した音楽誌やWebなんかのテキストを読むと、フィルをフロントマンに据える事に、当時のメンバーも世間もかなり懐疑的だったというニュアンンスの内容をよく目にしますが、他者のオーディションも解散の危機も建前だったんじゃないか?と、思います。

それにしても25年も気付かなかったアタシもアタシです。。。

「Nursery Cryme」でもう一点。「Fountain of Salmacis」中盤の間奏、これはてっきりスティーヴ・ハケットのタッピングによるソロだと思っていましたが、トニー・バンクスのキーボードなのでしょうか?。Youtubeの映像を見てこれまたビックリ。当時の映像でも、この秋に再開した北米でのSH Genesis Rivisited Tourの映像でも、ハケさんその部分はノータッチ、というかオブリガートの部分を弾いています。タッピングだとすればかなりの魅せ場のハズなのに。限りなくギターの音に聴こえるこの音はメロトロン? オルガンには聴こえないし、なんでしょう?






2013年10月4日金曜日

PGを返品してJethro Tullを買う


ジャケットの違いから同内容が含まれていると気づかず、Peter Gabriel「and I'll Scratch Yours」を同時にダブり買いしてしまった事を前エントリーでお話ししましたが、「Scratch My Back」との2枚組は手元に残して、1枚ものの方を無事に返品しました。
ただ返品するだけではタワーさんに悪いので、いろいろ物色し写真のジェスロ・タル5枚セットを購入。オリジナルアルバムが5枚組で、なんと¥2,500 !!
紙ジャケはチープだし、ライナーも歌詞カードもありません。しかしお得なセットです。
「アクアラング」だけは自分のライブラリと被りましたが、全然OK !
今春のイアン・アンダーソン来日公演には行けませんでしたが、秋の夜長にタルを聴こうと思います。

2013年10月2日水曜日

Peter Gabriel / Scratch My Back and I'll Scratch Yours

昨日タワレコからポイントの幾らかが10月に失効するとメールがあり、仕事帰りに寄りました。そして購入した写真の2枚なのですが...ナント、内容まるかぶり!
下の2枚組に上のヤツがまるっと収録されているではありませんか!!
そしてヘタしたらもしかして、「Scratch My Back」は発売当時に買っているかもしれない...
怖くてCD棚を見たくない...

これはアカン。単なるコレクター、しかも情報収集力が全くない。

「OVO」「UP」辺りからPGの音楽をあまり楽しめなくなっていたのは事実で、この数年は全くと言っていいほどフォローしていなかった。
ポイントに釣られた罰です。未開封のうちに返品しに行きます...


そういえば以前のエントリーで不明と書いていたSteve Hackett来日公演の、アンコール最終曲「Los Endos」メドレーのプロローグは、彼の'84年のソロ「Till We Have Faces」収録曲「Myopia」のギターリフでしたね。そしてこの構成は、けっこう前から定番のようですね。
「Till We 〜」は、元奥さんキム・プーアの不気味アートワークに、聴く意欲を削がれていた作品の一つでしたが、改めて全曲通して聴くと、ブラジル音楽やクラシックの導入、美メロの唄ものバラード、ギター弾きまくりナンバーもあったりと、なかなかの意欲作だった事に気づかされました。

CDは買ったらちゃんと聴かないといけませんなぁ。





2013年8月26日月曜日

Steve Hackett / Genesis Revisited Live at Hammersmith

2013.10/21リリース! 2 x DVD, 3 x CDの激アツ・ボリュームです!
下の画像はオフィシャルサイトより拝借しました。収録内容も掲載されています。

追記:2013.12に、購入後のレビューをエントリーしています! そちらもどうぞ。



2013年8月25日日曜日

Blur 来日

2014. 01.14武道館。現時点ではこの1日だけのアナウンス。

僕はデビュー作「Leisure」後の初来日だけ、彼らのライヴを体験している。
場所はクラブチッタ川崎。客はまばらでバンドもやる気なし。デーモンはステージ横のポールによじ上ったりして、何とも言えない雰囲気だった。あの当時のインディーズやオルタナティヴのバンドの中にはそんな輩がけっこう存在したので、特別に落胆という事でもなく普通にそういうもんだと思って観ていた。

「Great Escape」辺りまでの彼らには、僕はなんとなく初期Genesisの影を感じていた。音楽的にはKinks、Small Faces、The Beatles辺りの方がより近いが、富裕層出身の佇まい、デーモンが描く英国気質を強調した、ユーモラスで時にシアトリカルな世界、グレアムの鬱屈したユニークなギター・ワークという要素に、PeterGabrielやSteve Hackettがいた頃のGenesisが重なった。
2作目(Modern Life is Rubbish)から音楽スタイルが確立されたところなんかも、こじつけだけど近似性を感じた。どれも多分、全く本人達が意図した事ではないだろうけど。

いまや、かつて言われたブリットポップという枠には収まらない多彩な音楽性を持つ彼ら。FaceBookで先行の抽選が告知されたので、早速申し込みました!
久しぶりのBlur、観たい!!


2014.1 追記
Blur行けませんでした。
上記リンクの最近のエントリーで書いていますが、今回は複数応募の甲斐なくチケットが取れませんでした。残念。。。



2013年7月16日火曜日

Live DVD & CDがこの秋リリース!

Steve Hackett / Genesis Revisited II Tourの5.1ch DVDとCDが10月にリリース!?
Twitterによると今週に編集作業が完了との事。英ハマースミス・アポロでの公演で、ジョン・ウェットン、ニック・カーショウ、スティーヴ・ロザリーなど多くの客演があった日(5.10)でしょうか?
Blu-Ray版はあるのかなぁ? たのしみですね!

2013年6月28日金曜日

Steve Hackett 2013 復習とyoutubeあれこれ

チッタ川崎の3日間が終わって既に3週間が経ちましたが、まだ感動の余韻醒めやらず、ヒマさえあればGenesisやHackettのソロ作を聴く日々を過ごしております。
先日、両親の病気で帰省しなければならなかったのですが、片道400km弱のドライブ道中、ライヴのセットリストと同じiTunesプレイリストを、Genesisオリジナル版とRevisited版の2種類作成してiPodに入れ、リピートさせて夜中の高速を駆けました。

Youtubeでも映像ものはもちろん音源だけのものもいろいろあって、今ツアーの各地のものを楽しんでいます。
異なるセットリストも当然あって「それ、生で観たかった〜」なんて思っちゃいます。




こちらは、メキシコのフェス「BajaProg 2013」。
日本公演では観られなかった「Cockoo Cocoon」「Hairless Heart」が演奏されています。
日本でも演った「Fly on a Windshield 」「Broadway Melody of 1974」は、ドラマーのGary O'Tooleがヴォーカルを務めていますが、オリジナル・アルバムでは切れ目のないメドレー形式の3曲も「Cockoo Cocoon」に入る前に一息入り、Nad Sylvanに交代。そしてヴォリューム奏法で切ない旋律を奏でる「Hairless Heart」から「Firth of Fifth」へ繋げていく展開も新鮮です。
今回のツアーでは「幻惑のブロードウェイ」からの選曲が意外にも多く、それが絵的なイメージで言うとPaul Whitehead的な世界一色に染まらず、却って良かったと思います。
正にHackettのGensesisでのキャリア集大成という印象です。



次も日本では観られなかった「Eleventh Earl of Mar」。袖から出てきて次の曲が「Los Endos」という事は、アンコールだったんでしょうね。



最後は音源のみのもので、4月のL.A.での公演。オープニングから違います。このセットリスト、展開も観てみたかったなぁ。
ただこの音源に収められているNadのボーカルは、ところどころかなり不安定です。
日本でのパフォーマンスは素晴らしかった!

そういえば今回の来日最終日、「Supper's Ready」エンディングのギター・ソロ、長くてメチャクチャ恰好良かったなぁ。最後の歌詞"New Jerusalem"を正に音で体現したような...。
即興であんなに感動できるギタープレイは、そうそうお目にかかれるものじゃないと、あの場にいられた事を本当に感謝しています。
過去のエントリーを見直してみると、なんだか「Supper's Ready」の事ばかり書いていますね...けっきょく大好きなんです。

ただ、初日に「Watcher of the Skies」のイントロが耳に飛び込んできた瞬間、オープニングにこの曲は予想していましが、それでも震えてしまいました。「Musical Box」や「Moonlit Knight」の激情のソロ、「Firth of Fifth」の泣きのソロにはアツくなり、「Blood on the Rooftop」や2日目だけの「Horizons」のナイロンの調べにも驚嘆、「Entangled」ではCSN & Yよろしく横並びになって、コーラスワークを披露する姿にも微笑ましくなりました。バンド全体の高い演奏力や存在感すべてに感動し、冒頭にも書いた通り3週間経っても余韻に浸っているという有様です。

あぁマズい。僕は洋楽初体験がAsia→Yesなので、自分が死んだ際には音楽葬にして「Roundabout」をかけようなんて思っていた事もありましたが、「I Know What I Like」か「Happy the Man」で楽しく送り出される方が良いかも、と思う今日この頃です。

2013年6月9日日曜日

0609 Steve Hackett Live at Club CITTA' Kawasaki, The Last Day



Steve Hackett 3 Days終わってしまいましたー。
待っている間は長く感じますが、いざ始まるとあっという間に終わってしまうもんです。

今日のセットリストは初日と同じ。3日も観てしまうと人間贅沢になるもので、初日の感動はどこへやら「ひねりが足りん」なんて思ってしまいました。
いくつか聴きたい曲もあったけど、まぁ仕方ない。


昨日と今日、Entangledの後に12弦アコギが用意された途端、客席から「Supper is Ready!!」というかけ声が。まぁそりゃ何を叫ぼうが自由だけど、こちらも流れを知っていても、なんだか萎えてしまいました。その日しか観れない人の方が多いんだし、ネタバレはアカンです。

ま、そんな事はさておき、3日間とても素晴らしいライヴ体験でした。
Steve Hackettは確かに素晴らしいギタリストですが、彼はきっとギタリストであること以上にバンド・サウンドを大切に考えている人なのでしょう。
ジェネシス当事者達の中では、本当にもう彼以外にあの時代の曲を演奏する人がおらず、そのクオリティは、いちソリストのものではなく常にアンサンブルとして高い完成度を誇ってきたと思います。

ただ彼の仕事の中でGenesis再訪は小さな一部、むしろソロ作品の方が圧倒的に多いワケですから、次はそういった機会に観に行きたいです。

素晴らしい3日間をありがとう、
Mr. Steve Hackett!!
Roger King!!
Gary O'Toole!!
Rob Townsend!!
Lee Pomeroy!!
and...  Nad Sylvan!!

2013年6月8日土曜日

0608 Steve Hackett Live at Club CITTA' Kawasaki 2nd Day


-Set List

1.Watcher of the Skies
2.The Chamber of 32 Doors
3.Dancing with the Moonlit Knight
4.Fly on a Windshield
5.Broadway Melody of 1974
6.The Lamia
7.The Musical Box
8.Horizons
9.Blood of the Rooftops
10.Unquiet Slumber for the Sleepers
11….In that Quiet Earth
12.Afterglow

- Introduction of members

13.I Know what I Like
14.Dance on a Volcano
15.Entangled
16.Supper's Ready

- Encore
1.Firth of Fifth
2.Medley : Jam session Myopia - Los Endos - Slogans - Los Endos

昨日とほぼ同じ演目ですが、Horizons 1曲が加わった2日目。今日はかなり前の方の、右よりの席でした。
昨日は左側だったので、2日かけてステージ全体を確認できた感じです。

左側にいるNadとRobはパフォーマー、エンターテイナー気質、右側のLeeとGaryはよりミュージシャン気質で、それをSteveとRogerが淡々とコントロールしている、というようなコントラストが見えた気がします。
Nadは歌詞に合わせた演劇的な動きが、Robは変拍子に合わせた引きつった動きやオーディエンスを煽るアクションが観ていて楽しい二人です。

今日はSteveに非常に近かったのでけっこう集中して観ていましたが、彼はピックを使っていないんですね。タッピングの時は指の腹じゃなくて、爪をピックみたいに立てて指板に当ててる。不思議。。。

Leeは左利きなんですが、ギターもベースも右利き仕様で、弦まで逆のままで演奏していました。
松崎しげるみたいに器用です。
きっとギターを始めた頃からずっと、右利き用をそのままひっくり返して弾いていたんでしょうね。

追記:
12弦とベースのダブルネックギターは、特注だとか。マイク・ラザフォードが使っていたのも特注が多かったようですし、12弦ギターとベースのダブルネックなんて組合せ、メーカーも量産モデルとしては作らないですよね。

今回のバンドは、Hackettさんに匹敵する知名度を持っているメンバーがいませんが、2日間観て、バンドとして非常に素晴らしくまとまっていると感じました。
ライヴを目の当たりにして「Genesis再結成しないかな」とか「ジョン・ウェットン、イアン・マクドナルドが・・・」とは、思いませんでした。
この選曲、この再現度は、おそらくこのバンドだからこそ成せるワザだと思います。


それにしてもThe Musical Box後の盛り上がりは昨日より凄かった!
やっぱアツいですよね、後半の展開、怒濤のギター。
そして本編ラストのSupper's Readyも、ミュージカルの大団円のようなエンディングに毎度シビレます!

アンコールが終わってスタンディングオベーションの中、Hackettさんがお茶目に座り込んでハァハァし、他のメンバーがタオルで風を送るというショートコントも観れた一夜でした。
正味2時間半、還暦すぎたベテランがブレイクもなく出ずっぱりですもんね。

結構楽しみにしていたのですが、Giant Hogweedはやらないのかな。

昨日も同じ展開だったけど、Los Endos Medleyの冒頭の曲は勉強不足で知りません・・・。
※10/5追記:'84「Till We Have Faces」に収録の「Myopia」ギターリフですね。別のエントリーでも書きましたが、「Till〜」は聴き込んでいなくて、ライヴ当時は分かりませんでしたm(._.)m




2013年6月7日金曜日

0607 Steve Hackett Live at Club CITTA' Kawasaki 1st Day



- Set List - 

1.Watcher of the Skies
2.The Chamber of 32 Doors
3.Dancing with the Moonlit Knight
4.Fly on a Windshield
5.Broadway Melody of 1974
6.The Lamia
7.The Musical Box
8.Blood of the Rooftops
9.Unquiet Slumber for the Sleepers
10….In that Quiet Earth
11.Afterglow

- Introduction of members

12.I Know what I Like
13.Dance on a Volcano
14.Entangled
15.Supper's Ready

- Encore
1.Firth of Fifth
2.Medley : Jam session Myopia - Los Endos - Slogans - Los Endos

Members:
Steve Hackett (G. Vo)
Roger King (Key)
Gary O'Toole (D, Vo)
Rob Townsend (Flute, Sax, Key, Banana)
Lee Pomeroy (B, G, Vo)
Nad Sylvan (Vo)


行ってまいりました!!
上記のセットリストは私の衰えた記憶力からなんとか引張り出したものなので、間違いがあるかもしれません。

素晴らしかった〜。
Peter Gabriel「US」の来日公演で、ある外国人客が「Supper's Ready!!」なんて叫んでいて、「そりゃ無理でしょ」なんて心の中でツッコミを入れた1993年からなんと20年!!
まさかそれが生で聴けるとは・・・。PGじゃなくたって、ここにHackettさんがいるだけで感涙ものです。

ヴォーカルのNad Sylvanも、予習で聴いたYoutubeのライヴ音源はどんだけだったんだ??というくらい素晴らしい仕上がり。ところどころでかつてのPGを彷彿させる動きやパントマイムを加えて、しっかり存在感を出していました。


少し早めに会場に向かったら、嬉しいハプニング!
HackettさんがFMに出演しているところに出くわしました!
番組収録後に外に出てきてくれて、集まっていた人たちと集合写真も!




20130607 川崎 到着

時が経つのは早いもので、チケットの抽選に申し込んでから既に3ヶ月半、いま僕は川崎に来ております。ハケットさんのライヴに足を運んだのは1996年末、最初のGenesis Revisited大阪公演以来・・・17年ぶりですか。いまホテルの部屋で指折り数えていました。
そういえばあの時も、仕事で地元から遠く離れていました。。
昔はソロのライヴ・ビデオをよく観ていたので、ソロ曲聴きたい願望を満たす上では今回までの"あいだの"来日公演に行っとくべきだったのですが、どうもRevisitedシリーズでしか縁がないようです。

それにしてもライヴのために宿泊なんて贅沢は、住まいが都心から離れて特別な時にしか行かなくなったから「やむを得ず」ではあるのですが、このスペシャル感は、ひとつひとつのライヴをいままで以上に特別な体験にしているようにも感じます。

若かった頃は節操無く行っていましたが、それも良い思い出です。

さぁ、開演まであと3時間半!





2013年5月30日木曜日

Steve Hackett - Entangled

「A Trick of the Tail」「Wind and Wuthering」は、PG期の作品に比べると聴き込んできたとは言えないけれど、どちらもトニー・バンクスとスティーヴ・ハケットの音楽性がより前面に出た名作だと、しみじみ感じます。
Genesis Revisited IIからPV化されたこの曲、非常に美しく仕上がった再演ではないでしょうか。

来日まであと1週間、待ち遠しい〜!


2013年5月16日木曜日

Steve Hackettのチケットが届きました!


やっとこさ郵送されてきました。長いようであっという間ですなぁ。
家族が病気になってしまったから、行けるかどうかちょっと心配・・・。

2013年4月25日木曜日

Richie Havens

前回のエントリーに続き、またPeter GabrielのFacebookから悲しい報せを受け取った。
1969年ウッドストック・フェスでのオープニング・アクトとしても有名なフォーク・シンガー、Richie Havensが、4月22日に亡くなりました。

プログレ・ファンにとってはYesの2nd「Time and a Word」オープニング曲として大胆にアレンジされたカバー、「No Opportunity Necessary No Experience Needed」や、Steve Hackettの2nd「Please Don't Touch」でのゲスト参加「How Can I ?」辺りがよく知られているところでしょう。最近(といっても10年以上前ですが)だと、Peter Gabrielの「OVO」でも、渋く味わいのある歌声を聴かせてくれていました。

今年は、僕の音楽遍歴に馴染みの人たちが立て続けに亡くなっていき、なんだかとても寂しく感じます。

R.I.P.






2013年4月22日月曜日

R.I.P. Storm Thorgerson...

FacebookでPeter Gabrielをフォローしていたら、彼のファースト・ソロのジャケットと共にStorm Thorgersonの訃報についてのメッセージが寄せられていて、驚いた。

デザインユニット「Hipgnosis」の中心人物。数多くのアーティストのアートワークを手がけたHipgnosisだが、やはりPink Floydとの関係が格別だった。

そしてPink Floydも既にSyd Barrett, Rick Wrightを失っている。

最近は、やはりHipgnosisがジャケを担当したFlashのPeter Banksも亡くなった。

こうして時代は移っていくんですね。。。

R.I.P.



Anderson Bruford Wakeman Howe

僕が生まれて初めて行ったライヴは、1988年のYesだった。1973年以来15年ぶり2度目の来日で、その当時の最新作「Big Generator」のプロモーション・ツアーだった。
高校卒業を間近に、初めてライヴのチケットを入手した僕は、音楽の話題で盛り上がっていた友人の多くが、ほぼ同日程に行われたBOOWYの解散ライヴに行くと息巻いていたのを尻目に、一人別のベクトルでエキサイトしていた。

結論から言うと、初めてのライヴ、初めてのYesだというのに、僕にとっては思い出としても印象の薄いものになってしまっている。
その当時、僕の人生に最大のインパクトを与え、そして今も根底には確実に影響が残っているYesでも、当時のラインナップにはどこかしら物足りなさや違和感を感じていたのかもしれない。

僕は中学時代、ASIAをきっかけに'70年代の音楽を後追いで聴くようになった。中でもYesは夢中になったバンドだったが、その当時Yesは解散状態で、「90125」前夜だった。ASIAのデビュー・アルバムが1982年春で、「90125」が1983年秋にリリースされているから、たかだか1年半の中での出来事だが、その期間に僕はFMラジオで70'sの音楽を聴き漁り、Yesがどんなバンドだったかを、なんとなく自己消化していた。ASIAからYesへ遡ったという事は、僕にとってはSteve Howeがヒーローになったという事だった。

「Owner of a Lonely Heart」がラジオやMTVで流れ始めた時は、サンプラーやオケヒットの斬新な音に驚いたし、流行りの曲の一つとしてとても気に入った。僕は駆け出しの洋楽リスナーだったので、これをYesとして認める/認めないというような感情はなかった。
「へー、こういう形で復活したんだ」というような、淡々と、しかし嬉しい気持ちでいた。ASIAがいてYesも復活した。'70年代を知らなくても、なんだかワクワクさせられた1983年だった。

そうこうしているうちに、プログレ重鎮の方々は「苦難の'80年代」とか言われながらも手を替え品を替え離合集散しながらさまざま活躍し、'89年には「Anderson Bruford Wakeman Howe」が結成され、本家Yesが存在するにもかかわらず、それ以上にYesらしいグループが誕生するような事態まで生み出したのだった。

冒頭の「Big Generator」ツアーから2年後の1990年、ABWHは来日を果たした。
僕はこの時、東京と横浜の公演全てのチケットを入手し、足を運んだ。
既にこの頃は、僕がYesのどういった音楽が好きかを分かっていたワケで、「Fragile」「Close to the Edge」を作ったメンバーの4/5が揃った時点で、それは奇跡だった。
僕にとっては(厳密にはYesじゃないにしても)Steve Howeの復帰が嬉しかったし、そして何よりも、二度と無いだろうと思っていたBill Brufordの参加には本当に驚いた。
全盛期の'73年来日でも既にBillはいなかったし、最高傑作「Close to the Edge」に至っては一度もライヴに参加していなかったのだから、この来日公演には本当に特別な思いで臨んだのだった。

いま「ビル・ブルーフォード自伝」を読んでいる。いろいろなレビューで言われている事だが、誤植が多く(単純な校正不足と、訳した方のリサーチ不足?と思われるものが混在)、Billの独特の文体・言い回しもあり、けっこう読みづらいのだが、それでも面白く感じる、なんとも奇特な本だ。
その中でABWHから8人Yesに移行する際の件があるのだが、ABWHの創作活動にBillが積極的に、ポジティブに関わっていた表現があり少し意外に感じたのと、今更ながら嬉しくなった。8人YesはBillに限らず多くのメンバーがビジネスと割り切っていたのは知っていたが、ABWHは未発となってしまった2nd「Dialogue」(Yes「Union」の元ネタとなった)の制作途中までは、全員が健全な状態で活動に取り組んでいたようだった。

その後僕は8人Yesのライヴに1度だけ足を運び、それ以来Yesのライヴには行っていない。8人ライヴを観て「もういいや」と思ってしまったし、ABWHのライヴと比較しても、あれ以上のものはもう望めないと思った。

Billの自伝を読んで、改めてABWHは良いユニットだった、もう少し長く活動して欲しかったという当時の記憶が甦った。
また、Billはもう引退してしまったが、「ブルーフォード」という本来の発音に近い名前の表記が、日本に浸透すれば良いなぁと思う。









2013年3月12日火曜日

ギタリスト達が相次いで・・・

3.6にTen Years AfterのAlvin Leeが亡くなりました。
ウッドストック・フェスでの活躍、元祖速弾きで名を馳せたギタリストでした。



そして3.7、Yesのオリジナル・メンバー、Peter Banksが亡くなりました。
Yesの歴代メンバーで初めて鬼籍入りとなってしまったのは、Yesの名付け親であり、Yesを最初に去った彼でした。




R.I.P.

2013年3月5日火曜日

チケット当選しました。

6/7.8.9のSteve Hackett来日公演、Club Cittaの先行抽選で当選しました。
彼のライヴに行くのは1996年のGenesis Revisited以来17年ぶり。
その後も何度か来日していたが、なんとなく機会を逸していた。
まだ少し先だが楽しみだ。仕事調整できるかなぁ。

2013年2月19日火曜日

Ben Folds Fiveのライヴに行きました

奥さんのフェイヴァリット・アーティスト。
僕が同行したのは2回目で、前回はベンちゃん一人のソロ・ライヴだった。
昨年、再結成しての来日公演!

正直僕は彼らの音楽を聴き込んでるとは言えないが、やっぱりライヴは楽しい!
奥さん的には、なんとなくついて来てしまう(ように見える)僕のスタンスが気に入らないらしく、今回の東京公演2回の間に何度も「(彼らを)好きな人と一緒に観たいのに!」と言われてしまった...。でも、そんな僕でも十分に楽しんでるんだから良いのだ。
それに現在宮城在住の僕は、観たくもないアーティストだったら、わざわざ大枚はたいてまで東京には行かない。

今回の東京2公演、セットリストが微妙に異なって、それがまた良かった。
昨日の渋公では、オーディエンスのリクエストに即興で応えたり、アンコールではアンジェラ・アキがゲストで唄ったりとサプライズがあって、初日以上に盛り上がった。

ピアノ、ベース、ドラムという編成から、ジャズ・トリオを思い起こされるが、演奏中にもそういった場面・雰囲気があって、ベンちゃんの演奏にロバート(ベース)とダレン(ドラム)が視線を送りながらアンサンブルを創っていくようなシーンが観られた。
楽しさの中にもインプロヴィゼーション的な緊張が鏤められていて、タイトでソリッド、時にはお茶目なリズム隊の支えがとても気持ち良いライヴだった。

今回の上京はこのライヴが主目的ではあったが、3泊の中で相当イベントを詰め込んだ。
住んでいた頃には気にも留めていなかった美味しい食べ物巡りもした。
浅草の洋食屋、月島のもんじゃ焼き、築地の海鮮。初日の三茶と最終日の渋谷、ライヴ後は、そういえば偶然にも両日ともラーメンで締めた。久しぶりに実家にも帰った。

ずっといる時は分からないが、たまにこうして帰ると、東京の楽しさや便利さが改めて分かる、そんな小旅行だった。



2013年1月13日日曜日

Steve Howe, Asia脱退

いやぁ、寂しい。
いまのAsiaに期待する事はなかったけれど、オリジナル・メンバーでアルバム3作も発表し、ライヴ活動も勢力的にこなしていたその姿を微笑ましく感じていた。
みんな歳をとって、いがみ合う事もなく年相応の活動を地道に続けていくもんだと思っていた。
思い起こせば'80年代最初のトラブルの時も、結果的に退いたのはスティーヴだった。あの時スティーヴはイエスに戻りたがっていたが、トレヴァー・ラヴィン主導による新生イエスに彼の場所はなく、その後はGTRやGuitar Speak、いくつかのセッションなどで、ABWHでイエスファミリーに再接近するまでの数年間を凌いでいた。
いまの彼にはイエスがある。これは大きな違いだ。
それに彼ら世代は既に年齢を重ねて、緊張感を善くも悪くも失っている。今回の脱退劇が感情的摩擦によるものではないと思いたい。

オリジナル・メンバー最後の作品「XXX」は聴いていない。
最後の思い出に買っておこうかなぁ・・・。
でも結局聴かないんだよね、Asia・・・。

それにしても「アバター」はロジャー・ディーンの世界だなぁ。@日曜洋画劇場
そしてシガニー・ウィーバーに頼りがちだなぁ。@RG