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2023年1月8日日曜日

リアルタイムと後追い~中編(1990年代)

 1980年代の中~後期は、私も十代後半に差し掛かり、音楽の趣味がかなり固まった時期でした。アルバイトをしてコンポを揃え、ブリティッシュ・ロックの旧譜を集めるようになりました。フェルナンデスの安いギターを買って、耳コピを始めたり、少しするとパーツを買い集めて改造したりもしました。その時期の「後追い」は後編で纏めますので、先に少し飛んで1990年代のお話しをします。


先ず私はロック聴き始めにASIAファンになり、1983年の再結成以降、ガリゴリのYesファンになりました。両バンドのファンになったという事は自然と「Steve, Yesに戻らないかなぁ」となるわけです。コツコツとレコードで揃えたYes名作群には、全てSteve Howeがいましたから、その思いは強くなるばかり。ふたつ前のエントリーで書いた通り、1990年のAnderson Bruford Wakeman Howe来日公演は、東京と横浜の全てに行ったほどです。

その直後のUnion事変で大きく失望し、「Yesはもういいかな…」と思うようになっていました。(とはいえそう簡単に離れる事も出来ず、Union@武道館には行きましたし、アルバムもずっとフォローし続けていますが)
せっかくFragileとClose to the Edgeのメンツ80%が揃って、その上Tony Levinもパーマネントでサポートしていて、次作「Dialogue」も完成間近というのに、

ナニしてくれちゃってるの、Anderson君⁉

てなモンで、当時のRick Wakemanの心境そのまま、Unionは正しくOnionだったのです。

というワケで、90年代はプログレ後追いのプライオリティが自ずと低くなり、同時代の音楽を意識高めに聴くようにした10年間でした。後追いも、ちょっと趣向を変えた時期でもありました。


Ride / Seagull(1990)
UKインディーズはパンクが勃興した1970年代後半からあったそうですが、私が意識して向き合ったのは、Rideが初めてだったと思います。英インディーレーベルでは大手のCreationからデビューしたバンドです。自分の靴を見るように下を向いたパフォーマンスからShoegazerという1ジャンルの呼称までできました。
このビデオは再結成後の最近のものらしく、皆いいオジサンになっています。私も同世代なので、同じくオジサンになりました。


Blur / Bang(1991)
彼らもインディーズのFood Recordsからデビューしましたが、後にブリットポップの雄としてOasisと覇権を争い(というかメディア側の勝手な印象操作でしたが)、更には米オルタナティブ・ロックに接近したりと、音楽性を柔軟に変化させていきました。
1st「Leasure」の頃は、シューゲイザーのノイズと、ダンサブルなマンチェスター・サウンド(Happy Mondays, Stone Rosesなど)を合わせたような、ウマい音を出していました。
次作「Modern Life is Rubbish」から始まった彼らのブリットポップ期に、Peter Gabriel時代のGenesisと重ね合わせて見る事が多くありました。
中産階級のお坊ちゃまで、賢くヒネていて、意識的に英国臭くしているところとか。フロントマンがイケメンなのにかなりハッチャけてるトコとか、ギタリストが黒縁メガネで演奏がトリッキーなトコとかも(笑)。

My Bloody Valentine / Only Shallow(1991)
シューゲイザーのラスボスが彼らMBVでした(The Jesus and Mery Chainと双頭ですね)。このアルバム「Loveless」は、もはや説明不要の90年代の超名盤。私も発売日に買って、何度も何度も繰り返し聴きました。敢えて一言で説明すると「ギターノイズのウォール・オブ・サウンド」でしょうか。ダビングしたテープを車でかけていたら、同乗していた当時の彼女に「このテープ伸びてるの?」と言われました(笑)。


Nirvana / Smells Like Teen Spilit(1991)
この頃は購読する音楽誌も変わって、ロキノン、クロスビート、ミュージックマガジンなどになっていました。「Nevermind」が新譜レビューに載った際「売れそうな殺伐」というサブタイトルで書かれていたのを思い出します。まだグランジという言葉が無かった、もしくは日本にまで届いてなかった頃で、Sonic YouthやDinasour Jr.など米インディーズの先輩たちと共に「殺伐ロック」とか呼ばれていました。当時私は埼玉の小さなCDチェーンの店員をやっていたのですが、洋楽を担当していた先輩が「Nevermind」を1枚も初回オーダーしておらず、こっそり(控えめに)3枚バック・オーダーしたのを覚えています。それもあっという間に完売してしまい、次回入荷まで相当時間を要してしまいました。


Faith No More / Midlife Crisis(1992)
ミクスチャー・ロックと言われた彼らも実は歴史が長いようで、バンドの始まりは1979年にまで遡るとか。1980年代、10代の頃にプログレを知り、70年代の音楽を漁り始めた私ですが「本当の意味でのProgressiveってなんだろう?」と素朴な疑問を感じ始めていました。
パンク、メタルから、ファンク、ヒップホップまで内包した彼らの音楽は、その一つの回答だったと思います。
「中年の危機」と題されたこの曲は、今も聴き続ける数少ない90’sナンバーのひとつです。

nomeansno / 0+2=1(1991)
本作は何故買ったのか全くもって解らないのですが、大当たりだった1枚です。
カナダのハードコア・パンク・バンド5作目。実は彼らも、70年代末から活動を始めています。音楽もビジネスも肥大化した恐竜バンドへのアンチテーゼであったUKパンク勢と異なり、彼らも上記のFaith No Moreも、プログレからの影響を受けているところが実に興味深いです。まぁ大体、見え隠れする要素はヘヴィー&ダークなKing Crimsonなんですけどね。


Chemical Brothers feat. Noel Gallagher / Let Forever Be(1999)
OasisはアルバムもEPも結構買っていた私ですが、実はそれほど好きではありませんでした。あまり、というか殆ど聴き込んだ覚えもないほどです。
ですが、ノエルとケミカル・ブラザーズのコラボは、いつも好きでした。不思議なものです。

David Bowie / Dead Man Walking(1997)
ドラムンベースを大々的に取り入れたアルバム「Earthring」、けっこう聴きました。というかTin Machineがポシャってソロ活動に復帰してからの作品は、どれも高クオリティだったボウイです。70年代のように時代を先導する気負いもなく、その時々の興味の赴くままに流行を取り込んでいく様もまた、カッコよかった。

Metallica / Enter Sandman(1991)
まさか自分がメタリカを聴く日が来るとは!そう思った1991年は洋楽が大豊作で、本当にリアルタイムで体験できたのが幸せな年でした。高校生の頃(80年代中~後期)、スラッシュメタルとしてのメタリカが大好きな友人がいて、遊びに行くと部屋で大音量でかけて直ぐにヘドバンするのを傍目に「バカだなー」と思っていただけに、この曲が入っている通称ブラック・アルバムは、アンチ・メタルも巻き込んだ大傑作だったと思います。
彼らはLou Reedの遺作となった「LuLu」でもコラボしていて、本当に底が知れないモンスターです。

Yes / Open Your Eyes(1997)
Yes好きの端くれとして、90年代の彼らも取り上げなくてはなりません。この曲を収録した同名アルバムは著しく評価が低く、多くのファンやライターからも一番の駄作扱いを受けています。「Drama(1980)」のように、低評価が覆る事も無さそうですが、私は好きな1枚です。
90年代の、その前の作品群「Union(1991)」「Talk(1994)」「Keys to Ascension 1&2(1996, 1997)」には、届けられるごとに彼らへのロイヤルティを削られていきました。
元々ベースのChrisと、長年YesをサポートをしていたWorld TradeのBilly Sherwoodのプロジェクトだった素材を、Yesとしてまとめ上げたのが本作ですが、タイトに若返って、コーラスワークはいつにも増して分厚く、サウンドプロダクションも90年代らしく、なかなか良い作品だと思います。
全くの余談…。このOpen Your Eyes、シングルカットもされていますが、Steve Howeが両方に関わっているというところで比較してしまうと、ASIAの同名異曲(1983)の方に軍配が上がりますかね~。

Steve Hackett / Rise Again(1999)
この少し前に出した、過去に在籍したGenesisをセルフカヴァーした「Genesis Revisited(1996)」が話題を呼び、オールスターを引き連れての初来日も果たしたSteve Hackett(元Genesis)の「Darktown(1999)」より。
緑がかったモノクロームの墓地がジャケットという、悪趣味なアートワークは、本作の重要な要素ではあるけれど一旦置いといて、見過ごしてはならない90年代の名盤の1枚だと思います。
初期のソロ作から一貫している幽玄的な曲、ダークでアグレッシヴな曲から、ブレイクビーツといった流行まで取り入れていました。
このRise Againは、最近の作品にも通じる、明るく疾走感のあるライヴ映えのする名曲。近年のライフワークとなっている「Genesis Revisited tour」でも披露されていました。

Genesis / Carpet Crawlers 1999(1999)
初期Genesisのライヴや未発表音源を編纂するにあたり、90年代まで活躍したTony Banks(key,g), Mike Rutherford(b,g), Phil Collins(vo, ds)に加え、1970年代にグループを去ったPeter Gabriel(vo)とSteve Hackett(g)も一堂に会しました。それがきっかけとなり、名作「The Lamb Lies Down On Broadway~眩惑のブロードウェイ(1974)」から、この1曲がリメイクされました。プロデュースはTrevor Horn。メインボーカルはPeterで、コーラスおよびクライマックスの1節をPhilが担当しています。Genesisはこの時をきっかけに、何度もプログレ期の5人で復活か!? と期待を持たせますが、結局はいつものトリオで2回、大規模コンサート・ツアーをやって終わりました(2007と2021~2022)。でもそれが彼ららしいし、5人で再結成して陳腐になってしまう事を避けているようにも思います。Philも健康問題を抱えて、ヴォーカルはともかく、もはやドラムは叩けないでしょうしね。


1990年代は、他にももっとたくさん紹介したいアーティストがいますが、それはまたの機会にします。CDバブルの時代でJ-POPがメチャクソ売れましたが、幸か不幸かそっち方面には全く興味が湧かなかったので、同世代とJ-POPベースで思い出話ができないのは仕方ありません。ただ、上記に上げた曲と、私自身の思い出は確実にリンクしていて、恋愛、仕事、ドライブ、地方への赴任など、良い思い出も悪い思い出もいろいろ蘇ってきました。

2016年8月10日水曜日

タッピングのパイオニアは誰?

Vittorio Camardese ospite a "Chitarra Amore Mio" (RAI-1965) LA NASCITA DEL TAPPING


私はずっと、ポピュラー音楽界でのタッピング奏法を、いち早く「音楽的に」取り入れたのはSteve Hackettその人だと思ってきました。
かつて読んだインタビューでも、本人がそう自負しているコメントを何回も見かけました。
バッハの音楽から着想を得た、Tony Banksのキーボードと対等以上に渡り合うために発明した、という具体的な話もありました。
また、大昔に読んだ音楽雑誌では、GenesisのライヴにEdward Van Halenが足繁く通っていて、彼がSteveの演奏を見ていた、という記事も目にした覚えがあります。

ただ掘り下げていくとキリがなく、最終的にはクラシック・ヴァイオリン/ギターの超絶技巧演奏家にして作曲家のパガニーニ(18~19世紀)が、既に演奏に取り入れていたとも言われています。

今回、探すつもりでもなく、たまたま辿り着いてしまったこの映像。1965年の撮影だそうです。イタリアのジャズ・ギタリストで、ガット・ギターでタッピングをしています。

しかも初期Steve Hackettのような単弦のアルペジオではなく、チャップマン・スティックを操るがごとき右手の華麗な指さばき。
ディシプリン期のKing Crimson、Tony Levinの演奏を思わせるような、無機的、幾何学的なフレーズを、文字通り叩き出しています。

もはやタッピングなんて今更どうこういうほどでもない、ポピュラーなテクの一つではありますが、遡っていくと「歴史に埋もれた才能」というのは、ひょんなところから出てくるものだなぁとつくづく感じました。


余談ですがこの番組、最後にインタビューアが先に立ち去り、演者を置き去りにしています(笑)。ギタリストも、見ているこっちも「お前が去るんかい!」とツッコミたくなる終わり方をしています。

2016年6月27日月曜日

Christopher Russell Squire Passed away, One year ago...



6月27日はChris Squireの命日。早いもので一周忌です。
Yesのベーシストにしてリーダー。リッケンバッカーの硬質で、そして高音域を多用したベースの音色で、楽曲をぐいぐい牽引し、バッキング・ヴォーカルでもJon Andersonとの絶妙のハーモニーを聴かせてくれる、Yesというバンドにとっては欠かせない魅力を持った人でした。

90年代くらいまではYes一筋、結成から一貫してYes関連以外の活動はありませんでした。
1975年のソロ・アルバムもメンバー全員がリリースする企画モノでしたし、「DRAMA」解散後のXYZ(JimmyPageとのプロジェクト)も、Cinema(90125Yes再結成の前身)も、それ自体として具現化はしませんでした。
あ、同時期にAlan Whiteとの共同名義でクリスマス・シングル「Run With the Fox」を出しましたね。あの曲は私の中では、一番のクリスマス・ソングです。


以前も書かせて頂きましたが、ChrisのYesでの最後の作品「Heaven and Earth」は、残念ながら非常に残念な出来なので、今夜はSteve Hackettとのコラボ「Squackett」を聴こうと思います。

それにしてもSteve Hackettは優しい人だなぁ。
最近ではKeith Emersonの死にもすぐにコメントを出し、トリビュート・コンサートにも出演していました。
John Wettonが病床にいれば、快方に向かった際にわざわざ自分のFBで報告してくれました。
今日もChrisの一周忌であることをFBでお知らせしていました。

ChrisはYes一筋でありながらも、同世代、後輩たち多くに慕われ、Steve Hackettはそんな人たちに惜しみなく敬意を払い、友情を築く。また、後世代との共演や起用も積極的に行動し続けています。
Squackettの絶たれてしまった将来、楽しみでした。


2016年5月28日土曜日

20160522 Progressive Rock Fes at 日比谷野外音楽堂 Camelはスゴかった!!

開演前、みんな日影に隠れて客席はまばら。夏日でした!
前日CITTA'川崎でのSteve Hackett単独公演に続き、22日は野音でのフェス!
CITTA 'に続き、撮影禁止...最近の多くの来日公演では、スマホでの写真くらい撮らせてくれるもんですけど、プロモーターの意向だとすると考えが古すぎですよね。
まず間違いなく、アナウンスにある「アーティストの意向」ってのはないと断言できます。Steve Hackett 2013年の来日公演以降のセットリストの変遷は、YouTubeで殆ど分かったし、それらはOfficialで紹介されたりしていますからね。

宿を川崎から赤坂に移して、チェックイン前に重い荷物だけ預け、朝からちょっと都内を散策。本当に不思議なもので、関東に住み、東京で働いていた頃には全く興味を持たなかった街が、今になってとても魅力的に感じ、帰省の度にいろいろ歩き回りたくなってしまいます。

仙台でのサミットや伊勢志摩でのG7という政治イベントが重なっていたので、都内のあらゆる場所が厳戒態勢。赤坂から日比谷に向かうまでは、永田町界隈を抜けていくので、数十メートルごとに警官がいるようなありさま。カメラをぶら下げていたので一度だけ「観光ですか?」と声をかけられましたが、幸い職質を食らうことはありませんでした(笑)。
オノボリさんです(笑)お巡りさんがいっぱいいました。
日枝神社。エスカレーターがあるのに階段で昇って筋肉痛
神前式日和でした。
日枝神社など適当に寄り道をしつつ、2時すぎくらいに日比谷公園に到着。永田町には何にも食事処がないので、出がけに赤坂で飯を食っておけば良かった...と後悔しつつ腹を空かしていたら、ラッキーな事に日比谷公園でビアフェスタを開催しているではありませんか!
ジョッキ1杯と、シュリンプ&チップスでなんとか腹を満たして、いざ野音へ!
恵みのビアフェスタ!このおかげで腹と喉を潤せました!
鳩に狙われるワタシの飯(笑)
入場の列がかなり長くなっていて、なおかつ開場時間になっても進まないので、脇にそれて木陰でのんびりしつつ入場。

ステージの中央にはRoger Dean書き下ろしのイラスト幕がドーンと垂れていましたが、正直なところ、このメンツでRoger Deanの絵はあまり似合わない気がしました。Yes主催の「Cruise to the Edge」という、クルーズ船のプログレ祭も彼の絵が使われてますから、まぁちょっとした賑やかしでしょうかね。
会場後方の日陰を探してチンタラしていたら、開演10分前にいきなり轟音が響き渡りました。Opening Actの原始神母がプレイを始めました!
トリビュート・バンドは全く明るくないのですが、彼らの演奏にはいきなり圧倒されました。
2人の女性コーラス、全曲には参加しない男性ヴォーカルも含めると8人編成。
覚えているところでは「One of These Days」からスタート、数曲挟んで「Time」「The Great Gig in the Sky」そして大曲「Atom Heart Mother」でシメ。そんな流れだったと思います。
ちょうど陽が傾き始めたタイミングで、ステージからはスモークが焚かれていた事もあり、なかなか良い雰囲気が演出されて、会場もかなりあったまった感がありました。

機材の入れ替えで20分前後のインターバルが入り、次はSteve Hackett。準備中から管楽器担当のRob Townsendがずっとステージに上がって準備していましたが、殆ど誰も気づかず(笑)。
2番手で、翌日は大阪公演、ということから想像するに、CITTA'とは違うセトリになるんだろうなと予想していたら、やっぱりほぼ半分くらいの短縮版になっていました。
ソロ曲は新作「WolfLight」から3曲、「Loving Sea」の曲紹介の時には、客席の左隅に立っていた奥様のJo Hackettさんを「My Darling Jo Jo」と紹介していましたが、こちらもあまり伝わらなかったのか、盛り上がりはイマイチ。
演奏は全く文句はありませんでしたが、私の場合はどうしても前日との比較になってしまうので、この日は「こんなもんか...」という感触でした。
「Firth of Fifth」の終演後、会場内は大盛り上がりでアンコールも求められましたが、この日はあっさり終演となりました。

私の一番の目当てがSteve Hackettで、そのパフォーマンスが、フェス用のショート版で肩透かしだっただけに、大トリのCamelには想像以上の感動がありました。
Camelも単独公演のショート版だったようですが、私はそちらには足を運べませんでしたので、Camel入門として最高のパフォーマンスを魅せてもらったと感じました。
なんと言っても長身のAndrew Latimer、彼のパフォーマンスが最高でした。
そして現ラインナップでは一番の古株、Colin Bassとの掛け合いも息が合っていて楽しげで、その良いムードが客席にも伝わってくるようでした。
Gibson Les PaulとVOXアンプの組み合わせの彼のギター・サウンドは繊細にして極太、そしてブルーズ・フィーリング溢れるフレーズの数々がいちいち琴線に触れて、少年期にFMで耳にした程度の曲でも「ヤベー!カッケー!!」となってしまいました。

比較は良くないですが、サスティナーのためにフェルナンデスのレスポール・タイプに乗り換えたHackettのギターより、音色も、演奏の自由度も、貫禄も、勝っていたように思います。
HackettもGibsonに戻るべきだと思ったくらいです。
Camelは「Snow Goose」と「Mirage」が愛聴盤ですが、その他はほぼ知らないという、うつけ者です(笑)。
今回、彼らのライヴを体験できたのを機に、ちゃんと聴かなくては!と気持ちを新たにしました。

会場では鳥のさえずりが漏れ聞こえ、揚羽蝶や蜻蛉が飛び交い、演目の進行と共に陽が沈んでゆくという、Fesならではの独特の雰囲気を体験できました。
演奏中はさすがに撮影できませんでした(泣)
すべての演奏が終わった直後。
最後にステージの近くまで寄って、お片付けのシーンを...

2016年5月22日日曜日

20160521 Steve Hackett at Club CITTA' Kawasaki

3年ぶりのSteve hackett来日公演!
ホールは立ち見もキツキツに出るほどの満員御礼。急遽、日比谷野音のフェスが入ったとはいえ、東京1 Dayはさすがに足りない!と思えるほどの盛況でした。

CITTA'でのライヴはいつも完全に撮影禁止。最近では珍しい厳戒態勢。アナウンスでは「アーティストの意向により」って言ってるけど、CITTA'側の意向でしょ。FaceBookのSteve Hackettオフィシャルアカウントや、公認のサポート・アカウントでは、オーディエンス録画のYouTube映像ががんがんシェアされてますからね(笑)。動画は撮らないからせめて写真は撮らせて欲しいなぁ...

今回は途中で20分の休憩を挟んでの2部構成。ソロ曲とGenesis曲を分けてやるんだなぁ...と開演前に思いました。まあ、あそこにいた多くの人がそう思ったことでしょう!

Openingはいきなり「Spectral Mornings」嗚呼!!私はこの曲のライヴ演奏を長年待ち望んでいました(涙)。しょっぱなからですか!
ソロ曲の第一部は、1st、2nd、3rd、からの曲を、最新作の「Wolflight」に織り交ぜた、超充実の内容でした。クライマックスは「Star of Sirius」「Ace of Wands」「Shadow of the Hierophant」のメドレー。ソロのレパートリー、Genesisの曲に全く負けてない!
最新作のWolflightでも顕著ですが、'80年代中期頃から導入しているアラビアン/中近東風のエスニックな音楽性が、非常に良いスパイスを効かせています。そして以前と明らかに違うのは、例えばイントロが非常に暗澹としていても、どこかに必ず明るい希望が見えること。元奥さんのキム・プーアが描く、瞳のない顔とは決別したような、そういう印象を抱かせます。

休憩を挟んでの第2部は「Genesis Revisited」。しかも前回とはかなり演目を変えてきました。Foxtrotからは「Get 'em Out By Friday」「Can-Utility and the Coastliners」と、泣かせるような渋い選曲。
Selling England〜からは「Cinema Show」!この時、残念だったのはNick Beggsのダブル・ネックが不調を来して、音が出なくなってしまったこと。私は2階席だったので、その様子がはっきりと見えてしまい、そっちが気になって完全にRoger Kingのキーボード・ソロ・パートを聴き損ねてしまいました(泣)。

間髪入れずに「Lamb Lies Down on Broadway」へとなだれ込み、本編のラストは「Musical Box」で大団円。3年前も感じましたがこの曲は鉄板ですネ!
アンコールは「Dance On a Volcano」「Firth of Fifth」。
嗚呼...最高です...。

Genesis Revisited Tourで、日本公演の後に他国で演奏された「Return of the Giant Hogweed」「The Knife」「The Fountain of Salamis」「Lilywhite Lilith」といった曲も期待していましたが、それらを差し引いても最高のライヴでした。

やっぱり私が一番盛り上がってしまうのはSteve Hackett、その人なんだなぁと改めて実感した至福の時間でした。

今日はCamelとの日比谷野音フェス!こちらも楽しみです。

5/25 セットリストをアップしました!

- Setlist -
Solo set
1.Spectral Mornings
2.Out of the Body
3.Wolflight
4.Everyday
5.Love Song To A Vampire
6.The Wheel's Turning
7.Loving Sea

- Introducing Members

8.Icarus Ascending
9.Star of Sirius
10.Ace of Wands
11.A Tower Struck Down
12.exerpt from, Shadow of the Hierophant

- Interval 20 min
Genesis Classics
13.Get 'em by Friday
14.Can-Utility and the Coastliners
15.Cinema Show
16.The Lamb Lies Down on Broadway
17.The Musical Box

- Encore

18.Dance on a Volcano
19.Firth of Fifth

2016年5月21日土曜日

いよいよ明日、Steve Hackett御一行様と再会です。

これまでに自分自身として書かなくてはいけない記事がいくつかありました。
David Bowie, Keith Emerson, Princeの死...
そしてライヴ体験では、わざわざ東北まで来てくれたTOTO、Deep Purpleについても書かなければなりません。

それらを少し差し置いても、いま書きたいのは明日のSteve Hackett 3年ぶりの来日公演、そしてCamelとのジョイントで行われる日比谷野音でのフェス!

送られてきたチッタのチケット、2階席となっていましたが、あそこ2階なんてありましたっけ?
改装でもしたのかな...それにしたって遠いなぁ。せめて川崎は2~3 Daysやって欲しかったなぁ。

僕が彼のライヴ体験をするのは、今回が3回目。過去2回は1996年、2013年といずれもGenesis Revisited時だったので、ソロワークについてはほぼ未体験です。
1996の時はソロ曲をメドレーで軽く流すようにやっていましたが、Hackettのソロ公演というよりオールスター的な人選/選曲で、クリムゾンやエイジアまでやっちゃって、ん〜という感は拭えませんでした。
2013年は怒涛のGenesis再現に凄まじい感動がありましたが、ソロ曲もいつかライヴで聴きたいと願っていたので、今回は今回で、また特別な思いがあります。

Camelも聴き込まねば!
Snow GooseとMirageくらいしか、まともに聴いていません(この2枚は愛聴盤ですが!)

2015年12月14日月曜日

201605 Steve Hackett 来日決定!

King Crimsonのライヴに行ったところ、手渡された広告の束の中に驚きの1枚が!

2013年のGenesis Revisited Tour以来熱望していた再来日、今回はGenesisナンバーに加えてソロ曲も含まれます!!
Spectral Mornings, Everyday, Jacuzzi, Blacklight etc...聴けるのでしょうか??
川崎・大阪 各1公演・・・大阪も行くべきか、悩ましいです。

2015年9月5日土曜日

Steve Hackett - The Cinema Show/Aisle of Plenty (4.sep.2015 Stockholm)


スティーヴ・ハケット 2015のツアーは、昨年までの「Genesis Revisited」以上に見どころ満載のようですね。
「Acolyte to Wolflight with Genesis Revisited」と銘打たれた通り、ソロワークとジェネシス・クラシックスが山盛りです。
ソロからは「Spectral Mornings」「Ace of Wands」「Clocks」などが披露され、ジェネシス・ナンバーも昨年までの選曲から一新されています。
「Get'em Out by Friday」まで演奏されてるなんて!

さて、最新ライヴ映像で見つけた「Cinema Show」ですが、スティーヴのソロワークで取り上げられるとは、正直、信じられませんでした。
映像は昨日の9月4日、ストックホルムでの演奏。

以前のエントリーでも書きましたが、この曲は確かに、屈指の名曲のひとつに数えられると思います。私も大好きな曲です。
だけどかなり露骨にトニー・バンクスを中心とした、後期トリオ用の曲だと思うのです。
ピーターも居た5人時代の曲にもかかわらず、です。

トリック・オブ・ザ・テイル時代のライヴ映像(下に貼っておきます)でも、後半のトニーのソロパートは、フィル・コリンズとマイク・ラザフォードを従えたトリオの演奏になっています。マイクはギターのカッティングからベースラインまで独り占めです(笑)。
途中のブレイクからスポットを浴びるのは、正規メンバーのスティーヴ...ではなく!、助っ人ヒーローのビル・ブルーフォード。
このパートではスティーヴの姿はどこにも見当たりません。

まぁでも、最新の映像ではスティーヴが楽しそうにマイクのギター・パートを演っているし、ロジャー・キングも若干危ないけれどトニーをトレースしているし、何よりオーディエンスが喜んでいるので、良いのかな。
コーダはジェネシスのライヴバージョンと違って、スタジオ・アルバム「月影の騎士」の流れを踏襲しています。

今回のツアーで日本に来てくれたら最高なんだけどなぁ!
ソロワークの集大成と、前回と異なるジェネシスナンバーを生で聴きたいです。
2012年の暮れからずっとツアーしていますが、その間に追加・変更で演奏された楽曲の数々が魅力的すぎて、たまらんです。

2015年5月1日金曜日

Steve Hackett / Wolflight

2012年末から始まった「Genesis Revisited II」に伴うツアーに次ぐツアー。そして英国伝統の劇場、ハマースミスとロイアル・アルバート・ホールでのライヴ作品2種。
BBCのドキュメンタリー番組のために、Genesis往年の5人が再集結した事も話題となった。その番組で彼の発言は、極端に編集されて不当な扱いを受けていたようだが...

ともあれ、この数年の彼の活動には目を見張るものがある。もともと多作家の部類に入ると思うが、ただ創って出すだけではなく、作品のクオリティも高いレベルを維持し続ける、稀有な存在だと思う。

私は最近の数作は、彼のオフィシャル・サイトオンラインストアから直接購入している。国内盤では流通しない、または流通時期が遅いBDで視聴できるソフトがあるからだ。
おまけ要素として、ジャケットに直筆サインが入っていることもあり(添付画像を参照ください)、これはファンとして単純に嬉しい(笑)

彼の持ち味と言えるゴシック調ダークネス、サーカス音楽やスラップスティックにも似た若干の恐怖が含まれるコメディタッチは本作でもベースに流れているが、そういった「影」の部分は、曲によってはスッキリ晴れ渡り、爽快さすら感じる(M7. Loving Seaなど)。

彼の音楽が素晴らしいのは、ギタリストとしての技量をさりげなく、しかししっかりと聴かせながら、楽曲の完成度にプライオリティが置かれている事ではないだろうか。
それでもピーター、フィル、マイクのようなセールス的成功に恵まれないのは、大衆性が足りないからか...?
その音楽性はあくまでもプログッレシヴ・ロックの範疇にあって、それはマニアックなコミュニティ(と言わざるを得ない)に向けられ続けているからなのかもしれない。ただ、それは全く悪い事ではないと思うし、その妥協のない中で突き詰めていく完成度の高さにこそ、彼の音楽の魅力があるようにも思う。
でも、ファンとしてはもうちょっと売れて欲しいし、英国であれだけ「Revisited」企画が好評だったのに、BBCドキュメンタリーでのあの扱いはヒドいと思うのだ!(笑)

本作のハイライトのひとつは、最終曲(Bonus Track)「Midnight Sun」。
この曲はアイスランドのTodmobileというバンドとのコラボレーションで、エモーショナルなメロディ、コード進行が胸を打つ。Todmobile自体は1980年代後期から活動していて、10枚のアルバムをリリースしているベテランだ。いつものハケット節とは趣の異なる、今どきのオルタナ風味もちょっと効いた、新たな魅力に溢れたコラボだと思う。
ちなみにこのTodmobile、2013年にはジョン・アンダーソンともジョイント・ライヴを行なっており、Yes「Awaken」を見事に再現している。その映像はYoutubeで観る事ができる。

スティーヴはハンガリーのワールド・ジャズ・バンド「Djabe」とも活動を共にしたり、若い世代とも積極的に交流している。そのような姿勢が、同世代のアーティストにあまり感じられない現役感を彼が持ち続けている、大きな要素なのかもしれない。

2015年は「Acolyte to Wolflight with Genesis Revisited」と銘打たれたツアーがスケジュールされている。タイトルから読むと彼のソロ活動の集大成に加えてGenesisナンバーも演奏されるという、豪華な内容が予想できる。
まだ日本ツアーのスケジュールは出ていないが、2013年に続く来日が実現する事を望むばかりだ。

オフィシャルサイトで購入。CD+BD
FBで本人がサイン入れてる画像を見て決めました(笑)
インナースリーブの一部。曲ごとのイメージ・フォトグラフィ

インナースリーブの一部



2015年4月28日火曜日

Spectral Mornings 2015

Steve Hackett '79年、ギター・インストの名曲「Spectral Mornings」に歌詞とヴォーカルが付いちゃいました!
これがブリティッシュ・トラッドの香りがして、意外と素晴らしい!
CDは昨日発売、iTunes Storeでも配信中です。

収益はParkinson's UKの支援資金となります。