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2023年3月11日土曜日

ほっこりできる「究極~Going for the One」セッション1976


YouTubeにアップされているフル・バージョンは、なんと6時間58分という長さで、流石にそれを開くのは躊躇ってしまいました。

上に貼ったのはその冒頭、約1時間分のPt1。
彼らの幸せな時間を垣間見られて、とてもほっこり、そして爆笑させて貰いました。

とにかくRick Wakemanが最高です。
現在もイギリス本国では、コメディアン要素の強いタレントとしてTV出演しているというだけあって、若かりし頃からセンス・オブ・ヒューモア炸裂です!

めちゃめちゃシリアスな名曲「Awaken~悟りの境地」のクライマックス(上記映像の16:50あたり)、パイプオルガンとクワイアの荘厳な響きに合わせ、肉の塊(ビーフジャーキー?)を無表情で頬張り、口に押し込んだり。
これは当時Rick以外のメンバーが菜食主義だった事に対しての、いたずら心(皮肉、嫌味と言うには、カワイイ)だったのでしょうか(笑)。

ケッサクなのは、最後の約5分(50:22あたりから)。「Going for the One~究極」のイントロに合わせ、Steve, Chris, Alanが揃ってピアニカを吹き、Rickがその指揮者をやっている場面。4人とも真面目にふざけているのが、とても微笑ましく、サイコーに面白い!
レコードにはピアニカの音なんて入ってませんでしたよね??(笑)

その直前の場面(43:34あたり)では、とても珍しいSteveとChris二人による、息抜きアコースティック・デュオも!
Bob DylanとEverly Brothersのメドレーを、よれよれコーラスで弾き語っています。
途中でSteveがギターをChrisに任せ、本に目を落とし、ページをめくりながらテキトーに唄ったりと、リラックスしたじゃれ合いのようで、とてもレアな一幕を楽しめました。

Steveの自伝を読みましたが、2017年ロックの殿堂入りの際のお下劣&長尺スピーチ含め、Rickに対してかなり攻撃していましたし、Chris, Jon, Alanに対してもところどころでチクチク言っていたのは、なんとも寂しい限り…。
離婚する夫婦も沢山いるわけですし、こんな蜜月が永く続くのは逆に稀なのかもしれませんね。

この頃はまだ、Jon以外は20代だったんですよね。
私はYesのYも知らない、小学1年生でした。

2021年10月3日日曜日

Yes / The Quest

なんだかんだ言って、めちゃめちゃ楽しみにしていた7年ぶりの新譜です。

10/1 に日付が変わった0時、直ぐにApple Musicにアクセス。4時近くまでリピートして聴き込みました。そして3日経つ今も、時間があれば聴いています。とはいえ、まだ印象が固まりません。スルメ・タイプの作品かもしれません。

オリジナル・メンバーは3人生存していますが、現ラインナップには含まれません。

残念には思いますが、個人的には現メンバーに不満はありません。

Jon Anderson復帰を望む声は絶えませんが、いろいろ無理なのでしょう。

Bill Bruford & Tony Kayeも、本人たちの状況や意思としても無しです。

ギターのSteve Howeがプロデュース。Geoff DownesやBilly Sherwoodという、プロデュース業に長けたメンバーがいる中、遂に最長老がYes作品の総監督を務めました。

全11曲中、Steve作が6曲(Jon Davisonとの共作1曲含む)。そのためか、彼のギターはかなり楽しめます。時としてライヴで感じるようなヒヤヒヤもなく、名演を聴けます。エレクトリックは70年代中期を想起させるような緊張感や抒情性がありますし、幾つもあるSteveのトレードマーク「ペダルスティール」「ポルトガル・ギター」なども随所で印象的に響き渡っています。

アコースティック・ギターも冴えていて、澄んだ音色が響くさまは、かつてのWindom Hill作品のようです。

通して聴いた印象として、先行配信の「The ice Bridge」は、結果として他人の曲を転用したモノ、という事もあって異質だったという事。エッジが効いていて、キーボードも大活躍で、リードトラックとして否が応にも「Yes復活(何度目のコピーだ)」の期待感を煽る佳曲でした。

ですが、配信第二弾「Dare  to Know」で「ん?」となり、アルバム全体としては、そちら側の印象が強い、とても穏やかな作品として世に出ました。

そういう意味では前作「Heaven and Earth」の延長線上にあると言えるかもしれません。また、Billyがいる影響か(良い意味です)「Open Your Eyes」「The Ladder」、はたまた彼のバンドWorld Tradeとの近似性を感じる箇所も少しあります(The Western Edgeが顕著です)。

個人的に印象的だった曲を下記に綴ります。

- The Ice Bridge: 

作者問題も含め、過去のエントリーで書きましたので、今回は別の切り口で。

Cパート「Interaction」で繰り広げられるギターとキーボードのインタープレイは、本作一番の聴きどころではないでしょうか。

うろ覚えですが、2003年頃のライヴで繰り広げられた「South Side of the Sky」での、Steve & Rickの応酬を思い出します。

また、曲の骨組となったキーボード・パートは丸っきりFrancis Monkman / The Dawn of an Eraですが、JonDが作った歌メロは完全なオリジナリティがあり、そのクオリティも歌唱も最高です。

- Leave Well Alone: 

琴のような弦楽器のイントロはGTR「Here I Wait」を思い出します。

SteveはASIA「Heat of The Moment」で琴を実際に使用していたので、この曲でも使っているのかもしれません。

SteveとJonDが低いテンションで、ダーク&トラディショナルなメロディをユニゾンで歌うさまはミステリアス(笑)。

そしてCパートの"Wheels"は、Würm (Starship Trooper) 再び!という曲でした。もっとスロウ&メロウ、そして三拍子のワルツですが、3コードのギターインスト・パートという点で「Würm pt.2」と言ってもよさそうです。

- Mystery Tour: 

曲名の通りThe Beatlesに言及しており、ジョン、ポール、ジョージ、リンゴの名や彼らの曲名だけでなく、ブライアン・エプスタイン、ニール・アスピノール、マル・エヴァンズといった重鎮関係者の名前まで出てきて、音の方では「Strawberry Fields Forever」でお馴染みのメロトロン(フルート音)も出てきます。

この曲と次曲「Damaged World(Steve 作/歌)」を聴いたとき、単なるイメージなのですが、かつてのスーパー・グループ「Traveling Wilburys」が頭に浮かびました。気の抜けた軽快さというか、Yesもそういう季節に来ているんだなぁ、というか…。2曲ともSteveの曲です。

Yesは初期メンバーは特に、The Beatlesの影響下にありました。1stアルバムでは「Every Little Thing」を、後のライヴでは「I'm Down」のカヴァーが演奏されてきました。Alan WhiteはJhon Lennonのソロ作で仕事をしています。Steveも過去のインタビューで、何度もThe Beatlesに言及していたのを読んだ記憶があります。

CD2は3曲全てSteve作(1曲はJonDとの共作)という情報があったので、リリース前はいつものSteveのギター・ソロ的な「おまけ」かなと思っていましたが、蓋を開けてみると本作では意外にもギター・インスト曲がなく、全曲がバンド・アンサンブルでした。

SteveとJonDが、単独、共作合わせてそれぞれ6曲提供。GeoffとBillyはJonDとの共作でそれぞれ2曲だけ。この2人は作曲面/演奏面ともに、もっとしゃしゃり出ても良かったんじゃないか、とも思います。Alan Whiteもそうです。在籍歴は誰よりも長いのだから…。

ドラムに関しては、Alanはどれだけ叩けているのか、Jay Schellenとの割合など気になるところですが、正直分かりません。


総評としては、Steveのカラーが強く、彼のソロ・アルバムをYesとして仕上げた、という印象が少なからずあります。ただ、Yesは過去にもそういった経緯の作品があるグループなので、それでも良いのかもしれません。

新バンドだった筈の「Cinema」を、Yes再結成に寄り切った「90125」。

Billyと作っていたChrisのソロ・プロジェクトを転用した「Open Your Eyes」。

Bugglesの積年の恨みを晴らした(笑)「Fly From Here」(および ~Return Trip)。

今回はコロナ禍で、英米に分かれているメンバーの行き来も難しい中、作品として昇華させたSteveが頑張ったという事ですね!


良作と思いつつも、いまだ私なりの評価が定まらない本作をしっかり受け止めるために、過去作も少し聴き直しています。

・Heaven and Earth (2014)

・Tormato (1978)

雰囲気が似ているこの2作品を知り直す事で、何か見えるような気がしていますが、久しぶりにTormatoを引っ張り出したら、過去に見えなかった部分が色々見えてきて、改めてTormatoの良さを知る、という結果になりました(笑)。

2016年7月5日火曜日

2016年11月 Yes 来日決定!

噂は立っていましたが2年ぶり、Chris Squireが亡くなって初めての来日公演が決定しました。前回も11月末でしたから、本当に丸々2年ぶりの来日ですね。

(特に海外の)Yesファンの間では、Jon Andersonお得意の謀反ユニットARW、(Anderson Rabin Wakeman)が話題を呼んでいますが、私はChrisに託されたこちらのYesを断然支持したいと思います。誰がトリビュート・バンドじゃい!
かといって、もしもARWが来日となれば、それはそれで行ってしまいますが(笑)。

今回のセットリストは、欧米ツアーの「海洋〜」からのA&D面と「DRAMA」...だったらなお良かったのですが、「DRAMA」が外れて「Yessongs」からの抜粋ときたもんです。
「海洋」は個人的にはアルバム・ジャケット(LP)のアートワーク以外は失敗作だと思っているので、コンセプトを主導したJon Andersonがいるならまだしも、このラインナップでは演る意味がないように感じます(当時、創作の片腕だったSteve Howeはいますけど...)。特に「神の啓示」のイントロ、読経のようなポエトリー・リーディングの部分、あれはAndersonじゃないと、と思うワケです。
そして他がYessongsからとなると、いつものクラシックセットじゃん、と。
「DRAMA」と「Yessongs」だったら最高なんですけどね。

今回の参戦は、ちょっと静観しようかなという気分でいます。
追加公演が出たら、最終日だけ狙ってみたいと思います。

やっぱり仙台から毎回、東京に帰って宿泊して、というライヴの見方は、経済的にも精神的にもキツいです。それ自体はとても楽しいのですが、仙台にいる嫁さんや義父母の目が...

家とローンがなければ、今すぐにでも北国を出たいと切に感じている今日この頃です( ´Д⊂ヽ

2016年6月14日火曜日

ARW...? 頑張れAlan White & Steve Howe組


Anderson Rabin Wakeman...
既にそんなに新しくない情報ですが、触れないわけにはいきません。
これは本家Yesとはどういう関係性を持っているんでしょう?
Roger Deanがイラストを描いているということは、Yes公認なのかな?
まぁ、そんなことはなさそうな気がしますが...

1989年のABWHは当時、とても素晴らしい再結成に思えましたが、結局は短命に終わり、Yes本体もその後ごちゃごちゃした挙句に90125のラインナップに戻るという、身も蓋もない収束を見せ、私個人としてはとてもがっかりした記憶があります。

その際、次作では90125のメンバーにRick Wakemanも加わるという情報がありましたが、結局それは実現せずに「TALK」が完成。
当時はTrevor RabinとRick Wakemanが意気投合して...という話でしたが、スケジュールだか契約上の問題だかで、かつてないラインナップでの始動は夢と消えました。

今のYesが一部でトリビュート・バンドと呼ばれてしまうようになったのは、やはりChris Squireの死が大きいと思います。Jon Andersonは確かにVoice of Yesと呼ばれていますし、それに異論は全くありませんが、Chrisの存命中はJonの不在で評判が悪かろうが、彼さえいればそれでYesだったのですから。

今のYesでChrisの遺志を継いでいるのはAlan Whiteでしょう。Steve HoweはYesというバンドには愛があるのでしょうが、長年の仲間である筈のこのリズム隊との友情は、正直あまり感じられませんし、気を許しているのはおそらくGeoff Downesくらいなんじゃないでしょうか。

AlanはChrisにYesを続けるように言われたという趣旨の言葉を、Chrisの死後にコメントしていました。彼は今の状況に苦しんでいるような気がします。
彼はどちらかといえば現バンド・メイトのSteve HoweよりTrever Rabinに、友情やChrisへの想いという部分でもシンパシーを感じている筈です。
でもChrisの遺志を尊重し「このYes」を存続させなければならない。

正直なところ、Chris Squireへの想いという点でYesを再編するなら、今回の新しいARWに、Alan White、Billy Sherwoodが加わるのが、妥当な気がします。

本来であれば、現YesにJon Anderson, Rick Wakemanがそのまま再加入さえすれば、それでスッキリしますが、Steve Howeの存在が実に厄介な気がします。
Alanと一緒にYesをやりながら、直接じゃないにしても「Bill Brufordの方が良い」と言ったり、Chris逝去時のコメントも少しの友情も感じられないようなアッサリ感がモロに出ていたり。
これは単なる余談ですが、Keith Emersonが亡くなった際にも、同世代、影響を受けた後の世代かかわらず多くのコメントが寄せられましたが、過去に一瞬にしろバンドを組もうとした相手に何のコメントも出さなかったSteve...

私はSteveのファンとして、最近とみに感じられるこのような人格や(勿論、表に出ていることが全てとは思いませんが)、Yesにしろ脱退したASIAにしろ、バンドメイトとの関係性に、不安と落胆を禁じえません。

Yesのマネージャーは今もブライアン・レーンなのか知りませんが、Steveはかなり前からメンバーとの関係性よりも、マネジメントの言いなりのような気がします。(DRAMA解散からASIA, GTR, ABWH, UNIONまでの流れも含め)

Chris最後の作品となった「Heaven & Earth」は正直、退屈極まりない作品でした。
ARWという強力な刺客がYesをどう引っ掻き回してくれるのか、Chrisへの想いを強く持つJon AndersonとTrever Rabin, そしてRick Wakemanの作る音楽、またはライヴ...私自身はそれもまた複雑な思いではありますが、楽しみにしたいと思います。

私の本心は、トリビュート・バンドと揶揄される本家には、Jon Andersonお得意のお家騒動に惑わされずに頑張って欲しいですし、可能であれば「Heaven & Earth」という駄作を忘れさせるくらいの新作を創って欲しいです。
AlanとSteveが結束を強められることを、心から願います。

2015年7月7日火曜日

Christopher - By Alan White



Yes不動のリズム・セクション、その一翼を担ったアラン・ホワイトより、クリスの死去に関するメッセージがアップされました。
現メンバーでは最後のメッセージとなりますが、それが逆に絆の深さ、強さ、アランの悲しみの大きさを物語っていますね。

アランはずっと、クリスのファーストネームを、フォーマルな「クリストファー」で呼んでいたそうです。彼への尊敬と親愛を込めて。

1972年、ビル・ブルーフォードの脱退を受けて加入したアラン。
それ以前のキャリアは、ジョン・レノンのプラスティック・オノ・バンドなど、Yesとは異なる畑のドラマーでしたが、加入していきなり「危機」のツアーに駆り出され、ビルの穴を見事に埋めました。

構成・技術共にテクニカルな面が強調されるビルとの比較から、過小評価されがちなアランですが、シンプルで安定したリズムを提供しましたし、'74年の「Relayer」ではこれまで以上に複雑な演奏を披露しました。
そして何より、Yesを結成当初から守ってきたクリスの次に、長くバンドに在籍して共に支えてきた人です。

これでひと段落ついたというか、Yesもついに引き際かな、という実感が湧いてきました。
オフィシャル・サイトでは2016年ツアーのチケットまで出ていますけど・・・。

やはりYesにとってクリスの存在は、ジョン、ビル、スティーヴ、リックなどそれぞれのファンが思っている以上に大きいと思います。