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2023年5月20日土曜日

Yes新作 Mirror to the Skyを聴いた

アルバムのリードトラック2曲「Cut from the Stars」「All Connected」を事前に何度か聴いて、イメージはできていました。2021年の前作「The Quest」に近い、なんとなく良いんだけど、全体的に印象が薄い、そしてSteve Howeのソロ作に近い、良くも悪くもアットホームな感じ、とでも言うんでしょうか…。

前作のリードトラック「The Ice Bridge」は、イントロがELPぽいとか、作者の一人Geoff Downesが、ライブラリ上の手違いで他者の作品を誤用してしまったとかあったけれど、非常にフックの強い、期待感のある1曲ではありました。

その所為で、アルバムを通して聴いた時に、肩透かしを食らってしまったというのはありましたが。

本作はそんな事もなく「ああ、こんな感じね」と、変な意味で『安心できる』仕上がりです。
トピックとしては…
・前作に続き、オーケストラ導入
・プロデュースも前作に続きSteve Howe
・リード・トラック2曲はBilly SherwoodとJDの共作(All~ではSteveもクレジット)
・Geoffは作曲に殆ど関わらず、演奏面でも目立たず
・作詞・作曲にJon Davison大活躍
・CDの2枚目に相当する3曲含め、Steve Howe作の割合高い

個人的にはあまり歓迎できない要素も少なくありません。これまで現ラインナップに批判的なSNSコメント(ほぼ海外)に対して否定的だった私ですが、今さら彼らの主張が分かる気がしてきました。ジョーーーーン(A)、カームバーック!!!

Billyと新メンバーJay Schellenについては好意的に見られますが、Steveがイニシアティブを持ち続ける事と、JDにクリエイティブ面を任せる比率が高い事、Geoffが働かない事が、今のYesをつまらなくしている大きな要素に思えてなりません。

Steveは1970年代黄金期のYesにおいて、重要なソングライターだった筈なんですが、作曲にプロデュースにと活躍している「The Quest」「Mirror to the Sky」の2作に関しては、微妙な気持ちにさせられます。彼のソロ作を聴いているような、ちょっと欠伸が出そうな感じ。
やはりJon Andersonという相棒がいたからこそ、当時はSteveの素材がより輝いたのかもしれませんね。
最近読んだJon Andersonのインタビューで、記者が「私にとって、あなたとSteveはProg界のジャガー&リチャーズ。コンビ復活を望みます」と懇願するように伝えていたのが心に残っています。

70年代もギター弾きまくりだったけれど、同時にベースもキーボードもドラムも同じくらい主張が強かったから、出来上がった音楽がスリリングだったのだと気付かされます。今のメンバーじゃキャリア差もあり、そうはできんのでしょう。

通算23作目のスタジオ・アルバムという事ですが、数えてみると合わない…。
ABWH、スタジオ作とライヴ混合のKeys to Ascension 1&2、Buggles Yesを再現するために理不尽に追い出されたOliver Wakemanが編纂したミニ・アルバム「From a Page」なんかも含めるのかな??

1. Yes(1969)
2 Time and a Word(1970)
3.The Yes Album(1971)
4. Fragile(1971)
5.Close to the Edge(1972)
6.Tales from Topographic Oceans(1973)
7. Relayer(1974)
8. Going for the One(1977)
9. Tormato(1978)
10. Drama(1980)
11. 90125(1983)
12. Big Generator(1987)
13. Union(1991)
14. Talk(1994)
15. Open Your Eyes(1997)
16. The Ladder(1999)
17. Magnification(2001)
18. Fly from Here(2011)
19. Heaven and Earth(2014)
20. The Quest(2021)
21. Mirror to the Sky(2023)

23作目とするための候補…(何だコリャ・笑)
・Anderson Bruford Wakeman Howe(1989)
・Keys to Ascension 1(1996)
・Keys to Ascension 2(1997)
・keystudio(2001)
・Fly From Here - Return Trip(2018)
・From a Page(2019)

2023年3月10日金曜日

Yes / Cut from the Stars 20230310新曲ですよ


うーん…。
Billy SherwoodがChrisらしさを一生懸命再現しているのかな。
ファースト・インプレッションはそんな感じです。

2023年3月9日木曜日

Yes New Album / Mirror To The Sky


5月19日に新作リリースのアナウンス!
前作「The Quest」が2021年10月でしたので、約1年半ぶりというハイペースです。

少し前に専属画家(とか言っちゃって😅)のRoger Deanが、FaceBookで新作用アートを動画で公表し、一気に盛り上がりを見せたのですが、こんなに早くアナウンスされるとは。
定番のロゴは70年代のようなシンプルなグラデーション、タイトルはClose to the Edgeを彷彿とさせながらも、よりシンプルに整理されたバブルフォントでデザインされています。

そして明日3月10日には、先行トラックの配信が。
(現時点で、曲名は未発表のままです)

ライヴをメインに長年サポートを務めていたJay Schellenを、正式メンバーに迎えての初の作品となります。

スタジオ・アルバムとしては2014年の「Heaven and Earth」がChris Squire、2021年の「The Quest」がAlan Whiteと、続けてクラシック・メンバー達の遺作となってしまいました。
最後に残るSteve Howeは、70年代から続けている菜食主義のおかげでしょうか、その容貌に反して(失礼!)バリバリ健康そうですが、元気に頑張って欲しいものです。

オリジナル・メンバー不在のラインナップに、各SNSのオフィシャル・アカウントには、未だ否定的コメントが多いですが、私は現在のラインナップに不満はありません。強いて言えば、スタジオ盤の魅力は弱まっていると感じますが、最近足を運んだライヴはとても満足できるものでした。
もはやクラシックの楽団のように、ブランドとして続けていっても良い気がしてきています。

2021年10月3日日曜日

Yes / The Quest

なんだかんだ言って、めちゃめちゃ楽しみにしていた7年ぶりの新譜です。

10/1 に日付が変わった0時、直ぐにApple Musicにアクセス。4時近くまでリピートして聴き込みました。そして3日経つ今も、時間があれば聴いています。とはいえ、まだ印象が固まりません。スルメ・タイプの作品かもしれません。

オリジナル・メンバーは3人生存していますが、現ラインナップには含まれません。

残念には思いますが、個人的には現メンバーに不満はありません。

Jon Anderson復帰を望む声は絶えませんが、いろいろ無理なのでしょう。

Bill Bruford & Tony Kayeも、本人たちの状況や意思としても無しです。

ギターのSteve Howeがプロデュース。Geoff DownesやBilly Sherwoodという、プロデュース業に長けたメンバーがいる中、遂に最長老がYes作品の総監督を務めました。

全11曲中、Steve作が6曲(Jon Davisonとの共作1曲含む)。そのためか、彼のギターはかなり楽しめます。時としてライヴで感じるようなヒヤヒヤもなく、名演を聴けます。エレクトリックは70年代中期を想起させるような緊張感や抒情性がありますし、幾つもあるSteveのトレードマーク「ペダルスティール」「ポルトガル・ギター」なども随所で印象的に響き渡っています。

アコースティック・ギターも冴えていて、澄んだ音色が響くさまは、かつてのWindom Hill作品のようです。

通して聴いた印象として、先行配信の「The ice Bridge」は、結果として他人の曲を転用したモノ、という事もあって異質だったという事。エッジが効いていて、キーボードも大活躍で、リードトラックとして否が応にも「Yes復活(何度目のコピーだ)」の期待感を煽る佳曲でした。

ですが、配信第二弾「Dare  to Know」で「ん?」となり、アルバム全体としては、そちら側の印象が強い、とても穏やかな作品として世に出ました。

そういう意味では前作「Heaven and Earth」の延長線上にあると言えるかもしれません。また、Billyがいる影響か(良い意味です)「Open Your Eyes」「The Ladder」、はたまた彼のバンドWorld Tradeとの近似性を感じる箇所も少しあります(The Western Edgeが顕著です)。

個人的に印象的だった曲を下記に綴ります。

- The Ice Bridge: 

作者問題も含め、過去のエントリーで書きましたので、今回は別の切り口で。

Cパート「Interaction」で繰り広げられるギターとキーボードのインタープレイは、本作一番の聴きどころではないでしょうか。

うろ覚えですが、2003年頃のライヴで繰り広げられた「South Side of the Sky」での、Steve & Rickの応酬を思い出します。

また、曲の骨組となったキーボード・パートは丸っきりFrancis Monkman / The Dawn of an Eraですが、JonDが作った歌メロは完全なオリジナリティがあり、そのクオリティも歌唱も最高です。

- Leave Well Alone: 

琴のような弦楽器のイントロはGTR「Here I Wait」を思い出します。

SteveはASIA「Heat of The Moment」で琴を実際に使用していたので、この曲でも使っているのかもしれません。

SteveとJonDが低いテンションで、ダーク&トラディショナルなメロディをユニゾンで歌うさまはミステリアス(笑)。

そしてCパートの"Wheels"は、Würm (Starship Trooper) 再び!という曲でした。もっとスロウ&メロウ、そして三拍子のワルツですが、3コードのギターインスト・パートという点で「Würm pt.2」と言ってもよさそうです。

- Mystery Tour: 

曲名の通りThe Beatlesに言及しており、ジョン、ポール、ジョージ、リンゴの名や彼らの曲名だけでなく、ブライアン・エプスタイン、ニール・アスピノール、マル・エヴァンズといった重鎮関係者の名前まで出てきて、音の方では「Strawberry Fields Forever」でお馴染みのメロトロン(フルート音)も出てきます。

この曲と次曲「Damaged World(Steve 作/歌)」を聴いたとき、単なるイメージなのですが、かつてのスーパー・グループ「Traveling Wilburys」が頭に浮かびました。気の抜けた軽快さというか、Yesもそういう季節に来ているんだなぁ、というか…。2曲ともSteveの曲です。

Yesは初期メンバーは特に、The Beatlesの影響下にありました。1stアルバムでは「Every Little Thing」を、後のライヴでは「I'm Down」のカヴァーが演奏されてきました。Alan WhiteはJhon Lennonのソロ作で仕事をしています。Steveも過去のインタビューで、何度もThe Beatlesに言及していたのを読んだ記憶があります。

CD2は3曲全てSteve作(1曲はJonDとの共作)という情報があったので、リリース前はいつものSteveのギター・ソロ的な「おまけ」かなと思っていましたが、蓋を開けてみると本作では意外にもギター・インスト曲がなく、全曲がバンド・アンサンブルでした。

SteveとJonDが、単独、共作合わせてそれぞれ6曲提供。GeoffとBillyはJonDとの共作でそれぞれ2曲だけ。この2人は作曲面/演奏面ともに、もっとしゃしゃり出ても良かったんじゃないか、とも思います。Alan Whiteもそうです。在籍歴は誰よりも長いのだから…。

ドラムに関しては、Alanはどれだけ叩けているのか、Jay Schellenとの割合など気になるところですが、正直分かりません。


総評としては、Steveのカラーが強く、彼のソロ・アルバムをYesとして仕上げた、という印象が少なからずあります。ただ、Yesは過去にもそういった経緯の作品があるグループなので、それでも良いのかもしれません。

新バンドだった筈の「Cinema」を、Yes再結成に寄り切った「90125」。

Billyと作っていたChrisのソロ・プロジェクトを転用した「Open Your Eyes」。

Bugglesの積年の恨みを晴らした(笑)「Fly From Here」(および ~Return Trip)。

今回はコロナ禍で、英米に分かれているメンバーの行き来も難しい中、作品として昇華させたSteveが頑張ったという事ですね!


良作と思いつつも、いまだ私なりの評価が定まらない本作をしっかり受け止めるために、過去作も少し聴き直しています。

・Heaven and Earth (2014)

・Tormato (1978)

雰囲気が似ているこの2作品を知り直す事で、何か見えるような気がしていますが、久しぶりにTormatoを引っ張り出したら、過去に見えなかった部分が色々見えてきて、改めてTormatoの良さを知る、という結果になりました(笑)。

2016年7月5日火曜日

2016年11月 Yes 来日決定!

噂は立っていましたが2年ぶり、Chris Squireが亡くなって初めての来日公演が決定しました。前回も11月末でしたから、本当に丸々2年ぶりの来日ですね。

(特に海外の)Yesファンの間では、Jon Andersonお得意の謀反ユニットARW、(Anderson Rabin Wakeman)が話題を呼んでいますが、私はChrisに託されたこちらのYesを断然支持したいと思います。誰がトリビュート・バンドじゃい!
かといって、もしもARWが来日となれば、それはそれで行ってしまいますが(笑)。

今回のセットリストは、欧米ツアーの「海洋〜」からのA&D面と「DRAMA」...だったらなお良かったのですが、「DRAMA」が外れて「Yessongs」からの抜粋ときたもんです。
「海洋」は個人的にはアルバム・ジャケット(LP)のアートワーク以外は失敗作だと思っているので、コンセプトを主導したJon Andersonがいるならまだしも、このラインナップでは演る意味がないように感じます(当時、創作の片腕だったSteve Howeはいますけど...)。特に「神の啓示」のイントロ、読経のようなポエトリー・リーディングの部分、あれはAndersonじゃないと、と思うワケです。
そして他がYessongsからとなると、いつものクラシックセットじゃん、と。
「DRAMA」と「Yessongs」だったら最高なんですけどね。

今回の参戦は、ちょっと静観しようかなという気分でいます。
追加公演が出たら、最終日だけ狙ってみたいと思います。

やっぱり仙台から毎回、東京に帰って宿泊して、というライヴの見方は、経済的にも精神的にもキツいです。それ自体はとても楽しいのですが、仙台にいる嫁さんや義父母の目が...

家とローンがなければ、今すぐにでも北国を出たいと切に感じている今日この頃です( ´Д⊂ヽ