2023年12月8日金曜日

海洋地形学の物語 50周年

大名作「Close to the Edge ~ 危機」に続く6枚目のスタジオ作品が、12月7日にリリース50周年を迎えました。

この作品はいまだに物議を醸すというか議論を呼ぶというか、話題が尽きないですね・笑

私は…どちらかというと…今は殆ど聴く事がありません。
ただ、聴かないといえば3rdから「トーマト」まで同様に、今はどれも殆ど聴きません。

1st, 2ndは気軽に聴けるので、「オールディーズ」括りのプレイリストにけっこうな曲数を入れていました😊

3rdからトーマトは、十代の頃にそれこそレコードが擦り切れるほど聴いてきたので、今敢えて聴く気にならないという感じでしょうか。

その中で敢えて格付けしてしまうと、本作はやはり下の方になってしまいます。
繰り返しますが、「若い時に擦り切れるほど聴いてきて」の、個人的評価ですよ。

もしライヴのセトリに本作から2曲以上含まれていたら、たぶん行かないと思います。
貴重なライヴの時間を、40~80分も本作に費やされてしまったら、と思うとゾッとします。
「神の啓示」か「儀式」どちらか1曲だったら、或いは抜粋で「Leaves of Green」あたりを演ってくれたら嬉しいですけどね。

3rd~危機までは、絶対的存在として脳内記録されていて、Relayerと究極はそれに次ぐプライオリティがあります。正直に言えば海洋もトーマトも、めちゃめちゃ記憶・記録されています。
この辺りが複雑なファン心理とでも言うんでしょうかね~😅

上記までで「ドラマ」を外したのは、クラシック・イエスの中で今も聴く機会が多くあるからです。
私のリアルタイム初作品は「90125」なのですが、ドラマは私の中でとても不思議な存在です。


話を海洋に戻すと、ジョン&スティーヴのアイディアの源泉となったパラマハンサ・ヨガナンダ「あるヨギの自叙伝」を数年前に5千円近い価格で買いましたが、途中で面倒になって読了できていません…。ビートルズの「サージェント・ペパーズ」ジャケにもひょっこりコラされているグルなんですよね。
リックのカレー事件は、このコンセプトに対するブラック・ジョーク的な意味もあったのかなぁと邪推してしまいます・笑


「こわれもの」時代のアウトテイク「All Fighters Past」

最近知ったのですが「こわれもの」時代に、既に一部の元曲となったものを作っていたんですね。「神の啓示」の終盤近く、ジョンのゆったりした歌が聴きどころのパート。
その原曲はビルの硬質なドラムがステキな疾走感溢れるロックで、海洋の一部となったバージョンとは全く異なる印象ですが、メロディと歌詞はそのまま転用されています。
そしてリックのオルガンによるバッキングは、リズムをほんのちょっと変えて「シベリアン・カートゥル」で再利用されています。
ライノ・リマスター以降の再発は全く手にしていないのですが、スティーヴン・ウィルソン・リミックス・バージョンのBTらしいですね。


2024年のツアー・スケジュールが続々発表されていますが、日本はまだ出ていません。
Classic Tales~と銘打たれているので、海洋演っちゃうのかなー予感もしますが、2024年はRelayer 50周年だから、コロナで中止になったRelayer再現でお願いします!

グレッグ・レイクの命日

あまり真面目に聴いてこなかったグループ、Emerson Lake & Palmer.

プログレ全盛期から十数年遅れの後追い世代ではありますが、五大バンドの中で唯一、1枚もレコードを買わなかったバンドです(後年、CDで揃えました)。

そうはいっても私の十代はMTVと並んでFMラジオも全盛期。ラジオで大体の音楽は聴けました。
そうして聴いてきたELPの曲にも、少なからずお気に入りはありました。
ただ、長年「その程度」だったのです…。
キースのキーボード超絶技巧&パフォーマンス(オルガンをガタガタ言わし、ナイフぶっ刺す)が楽しいバンド、クラシックのロック的再解釈が興味深いバンド、という認識でしかありませんでした(あとカールのドラムがくるくる回る伝説とか・笑)。

グレッグがKing Crimsonのロバート・フリップと同じギターレッスンを受けていたという逸話は当時から知っていましたが、ELPの中にギターを用いた愛すべき曲が幾つもある事を知ったのは、ずっと後の事です。
というのも、クリムゾン時代からベース兼リードボーカルというのが彼の肩書でしたから、つまみ食い程度だった当時の私の聴き方では気付けませんでした。

12弦のアコギによる繊細なアルペジオと、温かみのあるバリトン・ボイスが心地よく、ここのところはELPといえば彼の曲ばかり聴いています。

「Still...You Turn Me On」「Lucky Man」も、スタジオバージョンよりも、弾き語りライヴ・バージョンにアツくなります。




2016年は3月にキースが、そして闘病しながらキースの自死を悲しんでいたグレッグは12月に病に負けてしまった、ELPにとっては大変な年でした。

彼が遺したクリスマスの名曲を聴いて、故人を偲びましょう。

2023年5月20日土曜日

Yes新作 Mirror to the Skyを聴いた

アルバムのリードトラック2曲「Cut from the Stars」「All Connected」を事前に何度か聴いて、イメージはできていました。2021年の前作「The Quest」に近い、なんとなく良いんだけど、全体的に印象が薄い、そしてSteve Howeのソロ作に近い、良くも悪くもアットホームな感じ、とでも言うんでしょうか…。

前作のリードトラック「The Ice Bridge」は、イントロがELPぽいとか、作者の一人Geoff Downesが、ライブラリ上の手違いで他者の作品を誤用してしまったとかあったけれど、非常にフックの強い、期待感のある1曲ではありました。

その所為で、アルバムを通して聴いた時に、肩透かしを食らってしまったというのはありましたが。

本作はそんな事もなく「ああ、こんな感じね」と、変な意味で『安心できる』仕上がりです。
トピックとしては…
・前作に続き、オーケストラ導入
・プロデュースも前作に続きSteve Howe
・リード・トラック2曲はBilly SherwoodとJDの共作(All~ではSteveもクレジット)
・Geoffは作曲に殆ど関わらず、演奏面でも目立たず
・作詞・作曲にJon Davison大活躍
・CDの2枚目に相当する3曲含め、Steve Howe作の割合高い

個人的にはあまり歓迎できない要素も少なくありません。これまで現ラインナップに批判的なSNSコメント(ほぼ海外)に対して否定的だった私ですが、今さら彼らの主張が分かる気がしてきました。ジョーーーーン(A)、カームバーック!!!

Billyと新メンバーJay Schellenについては好意的に見られますが、Steveがイニシアティブを持ち続ける事と、JDにクリエイティブ面を任せる比率が高い事、Geoffが働かない事が、今のYesをつまらなくしている大きな要素に思えてなりません。

Steveは1970年代黄金期のYesにおいて、重要なソングライターだった筈なんですが、作曲にプロデュースにと活躍している「The Quest」「Mirror to the Sky」の2作に関しては、微妙な気持ちにさせられます。彼のソロ作を聴いているような、ちょっと欠伸が出そうな感じ。
やはりJon Andersonという相棒がいたからこそ、当時はSteveの素材がより輝いたのかもしれませんね。
最近読んだJon Andersonのインタビューで、記者が「私にとって、あなたとSteveはProg界のジャガー&リチャーズ。コンビ復活を望みます」と懇願するように伝えていたのが心に残っています。

70年代もギター弾きまくりだったけれど、同時にベースもキーボードもドラムも同じくらい主張が強かったから、出来上がった音楽がスリリングだったのだと気付かされます。今のメンバーじゃキャリア差もあり、そうはできんのでしょう。

通算23作目のスタジオ・アルバムという事ですが、数えてみると合わない…。
ABWH、スタジオ作とライヴ混合のKeys to Ascension 1&2、Buggles Yesを再現するために理不尽に追い出されたOliver Wakemanが編纂したミニ・アルバム「From a Page」なんかも含めるのかな??

1. Yes(1969)
2 Time and a Word(1970)
3.The Yes Album(1971)
4. Fragile(1971)
5.Close to the Edge(1972)
6.Tales from Topographic Oceans(1973)
7. Relayer(1974)
8. Going for the One(1977)
9. Tormato(1978)
10. Drama(1980)
11. 90125(1983)
12. Big Generator(1987)
13. Union(1991)
14. Talk(1994)
15. Open Your Eyes(1997)
16. The Ladder(1999)
17. Magnification(2001)
18. Fly from Here(2011)
19. Heaven and Earth(2014)
20. The Quest(2021)
21. Mirror to the Sky(2023)

23作目とするための候補…(何だコリャ・笑)
・Anderson Bruford Wakeman Howe(1989)
・Keys to Ascension 1(1996)
・Keys to Ascension 2(1997)
・keystudio(2001)
・Fly From Here - Return Trip(2018)
・From a Page(2019)

2023年3月11日土曜日

ほっこりできる「究極~Going for the One」セッション1976


YouTubeにアップされているフル・バージョンは、なんと6時間58分という長さで、流石にそれを開くのは躊躇ってしまいました。

上に貼ったのはその冒頭、約1時間分のPt1。
彼らの幸せな時間を垣間見られて、とてもほっこり、そして爆笑させて貰いました。

とにかくRick Wakemanが最高です。
現在もイギリス本国では、コメディアン要素の強いタレントとしてTV出演しているというだけあって、若かりし頃からセンス・オブ・ヒューモア炸裂です!

めちゃめちゃシリアスな名曲「Awaken~悟りの境地」のクライマックス(上記映像の16:50あたり)、パイプオルガンとクワイアの荘厳な響きに合わせ、肉の塊(ビーフジャーキー?)を無表情で頬張り、口に押し込んだり。
これは当時Rick以外のメンバーが菜食主義だった事に対しての、いたずら心(皮肉、嫌味と言うには、カワイイ)だったのでしょうか(笑)。

ケッサクなのは、最後の約5分(50:22あたりから)。「Going for the One~究極」のイントロに合わせ、Steve, Chris, Alanが揃ってピアニカを吹き、Rickがその指揮者をやっている場面。4人とも真面目にふざけているのが、とても微笑ましく、サイコーに面白い!
レコードにはピアニカの音なんて入ってませんでしたよね??(笑)

その直前の場面(43:34あたり)では、とても珍しいSteveとChris二人による、息抜きアコースティック・デュオも!
Bob DylanとEverly Brothersのメドレーを、よれよれコーラスで弾き語っています。
途中でSteveがギターをChrisに任せ、本に目を落とし、ページをめくりながらテキトーに唄ったりと、リラックスしたじゃれ合いのようで、とてもレアな一幕を楽しめました。

Steveの自伝を読みましたが、2017年ロックの殿堂入りの際のお下劣&長尺スピーチ含め、Rickに対してかなり攻撃していましたし、Chris, Jon, Alanに対してもところどころでチクチク言っていたのは、なんとも寂しい限り…。
離婚する夫婦も沢山いるわけですし、こんな蜜月が永く続くのは逆に稀なのかもしれませんね。

この頃はまだ、Jon以外は20代だったんですよね。
私はYesのYも知らない、小学1年生でした。

2023年3月10日金曜日

Yes / Cut from the Stars 20230310新曲ですよ


うーん…。
Billy SherwoodがChrisらしさを一生懸命再現しているのかな。
ファースト・インプレッションはそんな感じです。

2023年3月9日木曜日

Yes New Album / Mirror To The Sky


5月19日に新作リリースのアナウンス!
前作「The Quest」が2021年10月でしたので、約1年半ぶりというハイペースです。

少し前に専属画家(とか言っちゃって😅)のRoger Deanが、FaceBookで新作用アートを動画で公表し、一気に盛り上がりを見せたのですが、こんなに早くアナウンスされるとは。
定番のロゴは70年代のようなシンプルなグラデーション、タイトルはClose to the Edgeを彷彿とさせながらも、よりシンプルに整理されたバブルフォントでデザインされています。

そして明日3月10日には、先行トラックの配信が。
(現時点で、曲名は未発表のままです)

ライヴをメインに長年サポートを務めていたJay Schellenを、正式メンバーに迎えての初の作品となります。

スタジオ・アルバムとしては2014年の「Heaven and Earth」がChris Squire、2021年の「The Quest」がAlan Whiteと、続けてクラシック・メンバー達の遺作となってしまいました。
最後に残るSteve Howeは、70年代から続けている菜食主義のおかげでしょうか、その容貌に反して(失礼!)バリバリ健康そうですが、元気に頑張って欲しいものです。

オリジナル・メンバー不在のラインナップに、各SNSのオフィシャル・アカウントには、未だ否定的コメントが多いですが、私は現在のラインナップに不満はありません。強いて言えば、スタジオ盤の魅力は弱まっていると感じますが、最近足を運んだライヴはとても満足できるものでした。
もはやクラシックの楽団のように、ブランドとして続けていっても良い気がしてきています。

2023年2月28日火曜日

実はそのままでは弾けないRoundabout(スタジオ・ヴァージョンのお話し)

 Roundabout、良いですよね~。
もう聞き飽きたなんて人もいるかもしれませんが、私は初めて聴いた約40年前から、Yesナンバーではイチバン回しているかもしれません。

Yesファンの多くは、フェイヴァリット・ナンバーに「危機~Close to the Edge」「悟りの境地~Awaken」「燃える朝焼け~Heart of the Sunrise」などを挙げ、もしかしたら私くらいの世代(アラフィフ)だと「ロンリー・ハート~Owner of a Lonely Heart」という人も少なからずいるかもしれません。
私も全部好きです!

「Roundabout」は、Yesのアンセムとも言える名曲ですが、どういうワケかフェイヴァリットに推すのが少し気恥ずかしい風潮もある気がしています。
ですが、私は声を大にしてRoundaboutが大好きだと言いたい(笑)。

その理由は…

1)見事なまでの起承転結。

2)その後、数々の名曲を世に送り出したAnderson / Howeコンビの初出曲。

3)アコギが基盤の曲なのに、Chris Squireのブリブリ・ベース名演。

4)スネアとバスドラムの、タイミングをずらしたトリッキーな演奏。

5)Rick Wakemanが参加して初めて制作セッションに携わった1曲。
 (もう1曲はHeart of the Sunrise)

6)コーラスワークが素晴らしい!(ラストの多重録音もステキ)

特に(4)のBill Brufordのドラミングの魅力は抗い難く、甲高いスネアが「そこは入れへんのかい!そこは入れるんかい!」となって、いつ聴いても新鮮な気持ちにさせてくれます。
中間部では性急なサンバ的展開を繰り広げ、ポリリズムのような複雑さをサラッとこなしているのもアツい!
世に出ているライヴ・バージョンの殆どはAlan Whiteなので、Billを堪能できるRoundaboutのライヴ版は本当に少ないです。


短命に終わったスピンオフ、ABWH。Billが奏でるFragileとCTTEに涙。

さて、タイトルについてなのですが、スパニッシュなイントロ後の最初のギター・リフは、全てアコースティック・ギターのハーモニクス音(倍音)によって奏でられています。
問題のコード進行は以下2パターン

1)メインリフ
Em / F#m / G / F#m / G / F#m / Em

2)ブリッジ(Gメジャーのサビ前)
Am / Bm / C / Bm / C / Bm / Am


上記どちらも全てのコード(3音)がナチュラル・ハーモニクスで鳴らされているのですが、1本のギターでそのまま演奏するのは不可能なんです。
Emは普通のチューニングで12フレットで出せますが、他のコードは全てチューニングを変えないと出せません。
(1)のGもハーモニクスで出せますが、3音の高低配列で言うと、正確ではありません)

50年以上前、現代のようにデスクトップでパパッとできるような事ではありません。
おそらくSteve Howeが1ストロークごとにチューニングを変えて鳴らしたのを録って、後で編集したのではないでしょうか??
テープの切り貼り職人とも言われた Eddie Offord (Engineer / Producer)の成せる技だったのかもしれませんね。

Steveはライヴにおいてメインリフのみ、12フレットの123弦、7フレットの234弦、12フレットの234弦(または5フレットの234弦)で代用していますが、音の配列が異なるし、7フレットのハーモニクス音はF#mではなくDなので、スタジオ・バージョンとは異なる響きになってしまっています。
(2)に至ってはレギュラーチューニングでは全く出せないので、普通のストロークで弾いていますね。


Steve Howe本人によるレクチャー。かなり昔の映像ですが、やっつけ感(笑)

後のヴァースでは普通のコードストロークで弾いていますが、どういうワケかコードを変えています。

Em / F#m / G / F#m / G / F#m / Em

が本来の進行で、特に変調している訳でもないのに、響きが似ている下記で弾いています。

Em / A / Bm / A / Bm / A / Em

Trevor Rabinは、通してEm / F#m / Gで弾いていて、音としてはそれでも違和感はありません。(彼の場合は、Steveのスタイル自体を壊すので、それが違和感ですが…)

この辺りはきっと、Steveが練りに練って作ったんでしょうね。
ギター・コードにちょっと耳を澄ませるだけでも、奥が深いRoundabout。

最近は各楽器の音だけを抽出したYoutubeコンテンツもいろいろアップされているので、時間がある時に改めて向き合ってみようと思います。

Bill(ds)→Chris(B)→Steve(G)→Rick(Key)→Jon, Chris, Steve(Vo&Cho)
の順番で各パートだけ聴けます♫

2023年2月15日水曜日

ASIA 詠時感~時へのロマン(全曲レビュー)


私が人生で一番最初に買った洋楽アルバムは、本作と「TOTO IV~聖なる剣」の2枚です。
両作とも1982年、発売日に買ったわけではないけれど、同年に入手しました。

今回はASIAのファーストアルバムを取り上げます。
数年前に、先に2nd「ALPHA」を取り上げたのに、私にとっては音楽人生の指針となった1stが手付かずだった事に、今さら気付きました。せっかくなので全曲レビューをします。

当時中学一年生で、まだロックもポップスもよく解っていなかった時の事です。プログレもハードロックも、パンクもニューウェイブも何も知らず、ただ「洋楽」ってカッコいいなーと思っていた時代です。
1980年くらいからFMのチャート番組を毎週聴くようになって、その番組で「Heat of the Moment」を最初に耳にしました。当時のこの曲の第一印象は、普通に「良いね~」という程度でした。2ndシングル「Only Time Will Tell~時へのロマン」を最初に聴いた時のインパクトの方が強烈で、イントロのシンセ・サウンドにすっかりやられてしまい、なけなしの小遣いでアルバムを買わなければ!と、一大決心をするに至りました。そして1982年はずっと、ASIAとTOTOばかり聴いて過ごしました。

- Heat of the Moment

Steve Howeらしからぬパワーコードで始まるこの曲は、シンプルなポップロックに聴こえますが、いろいろ凝った要素があります。
先ずヴァース・パートは3拍子と4拍子を組み合わせた変拍子になっていますが、それを全く感じさせない自然さが素晴らしい。
そして、ASIAというバンド名に説得力を付けるためなのか、日本の楽器、琴も使われています。
曲の構成、キー、コード進行は、Geoff Downesが在籍したBuggles「Video Killed the Radio Star(ラジオスターの悲劇)」から持って来ていますが、上記の変拍子の導入や、ギター・オリエンテッドなロック・サウンドによって、簡単にそうとは分からないようになっているのは流石!非常に巧妙に作られたポップソングです。

BS-TBSの名曲を辿る番組「Song to Soul」で、かつて取り上げられましたが、本人たちや制作時の関係者の証言は、とても興味深かったです。
・ゲフィン・レコードからアルバムを牽引するリードトラックが欲しいと言われ、最後の最後に作った。
・復活請負人のA&R, John Kalodnerが、歌詞作りに難航していたJohn Wettonに対して、言葉のアドバイスをした。(Kalodnerは後にWetton/Downesの作曲チームをゴリ押しして、結果ASIAの成功を縮小させた人物だと思っているので、個人的には良い印象がありません)
・John Wettonのたっての願いで、バック・コーラスも含めた全てのヴォーカルをJohnひとりで録った。
・一聴してシンプルに聞こえるイントロのコード・ストローク・ギターは、さまざま異なる機材を通した多重録音で作られた。

単純に楽しめるポップの名曲も、技巧で腕を鳴らした集団にかかると、幾つものとんでもない隠し味が秘められていた事が分かります。



- Only Time Will Tell

シンセ・ファンファーレのイントロに、少年だった私は一発で心を射抜かれたのですが、今聴くとちょっと恥ずかしく感じてしまいます(笑)。
ASIAの曲は、殆ど、いやほぼ全て?(ペイン期は知りません)が、サビでタイトルを連呼しますが、この曲はそれが無いのが私にとっては好印象。
2番以降のヴァースで、カウンター・メロディとしてバック・コーラスが歌っていますけどね。
ドラマティックなシンセと、ロングトーンで唄うギター、分厚いコーラスワークが魅力的な名曲です。

- Sole Survivor

ギター、ベース、ドラムのヘヴィーなユニゾンで始まり、ワウワウの効いたギターソロが、のっけから乱高下する、とてもロックな曲。
ここまで頭の3曲はJohn Wetton / Geoff Downesのコンビで書かれていますが、Steve HoweもCarl Palmerも個性を全面に出してサウンド・メイキングに大きく貢献しているのが、2nd「Alpha」との大きな違いだと感じます。Johnもヴォーカルだけでなく、ベースにも存在感がしっかり出ています。

- One Step Closer

Steve HoweとJohn Wettonの共作曲。元ネタはSteveがYes加入前の1968年に活動していたBodastの「Come Over Stranger」。この曲の後半に登場するアルペジオが、One Step Closerではイントロからヴァースにかけてメイン・フレーズとして使われています。
Bodastは、レコード会社倒産のあおりを受け、完成したアルバムを世に出せなかったので、ASIAの一部としてでも日の目を見る事ができたのは何よりです。(Bodast自体も後年に、CDでもサブスクでも聴けるようになって、実はYesの名曲群でもSteveのアイディアが転用されました)
歌がマズいSteveですが、ここではJohnとハモりながらリード・ヴォーカルを取っています。
このデュエットは全く違和感なく、素敵に聞こえるから不思議!
因みにBodastの元曲は、Small Facesのようなモッズ・サウンドで、これはこれで違う魅力があります。


- Time Again

全員の共作によるA面ラスト。
ヘヴィーなユニゾンによるリフがオクターブを上がっていくイントロは、SteveとGeoffにとっては前作にあたるYes「Drama(1980)」のMachine Messiahを彷彿とさせます。
また、ヴォーカル・パートに入ってからのCarlのドラミングは、ELPのFanfale for the Common Man(庶民のファンファーレ)を想起させるシャッフル。それぞれのキャリアを総括したような、とてもカッコいい1曲です。

- Wildest Dreams

Wetton / Dowensの曲ですが、SteveとCarlも大活躍の1曲。
それにしてもSteveのギターは、ソロ・パートよりもバッキングでよく歌うように思います。この曲でも2番に入ってからのバッキングではコード・カッティングではなくシングルのロングトーンでカウンター・メロディーを奏でています。
そして圧巻はCarlのドラム・ソロ。SteveもCarlも口の悪い人たちから「ヘタウマ」とか言われますが、この曲には彼ら二人の実力/魅力が詰まっています。

- Without You

ASIAは当初、マネジメントの引き合わせにより、JohnとSteveで始めたバンドなので、1stには二人の共作曲がいくつかあります。2nd以降の殆どを占める事となるWetton / Downesの曲に比べると、少し重かったりポップさに欠ける面はありますが、決して見過ごすべきではない名曲たちで、ASIAには欠かせない一部分だったと感じます。この曲も4分弱の短い時間にあって、中間部にアコースティックパートが挿入されていたり、短調の曲がラストには微かな希望を思わせる長調に変調したりと、素晴らしい構成を楽しめます。

- Cutting it Fine

Steveの十八番、低音弦だけを移動させるアコースティックの3フィンガー・ピッキングで始まるこの曲は、John, Geoff, Steve三人の共作。1stではやはり、Johnのベースが随所で唸っていて、それも大きな魅力です。
全員の個性的なプレイが、平等に目立って活躍しているのがとても良いです。
2nd以降は正直あまりベースが聞こえないし、聴き取りたくなるような印象的なプレイすらしていないように思います。
この曲の後半は、後に「Bolero」と呼ばれるキーボード・ソロがあります。
私にとっては初めて耳にした音楽だったので、このソロ・パートには本当に感動しました。
後にKeith EmersonやRick Wakeman, Tony Banksなどを知る事となりますが、それでもこのGeoffのソロは、演奏技術よりも音楽そのものとして、深く心に残るものとなりました。

- Here Comes the Feeling

ラストはJohnとSteveの共作曲。フィナーレに相応しい、ドラマティックで明るく、爽快な曲です。Johnの歌は最後まで素晴らしく、ベースはブンブン唸り、Steveのギターは小さな曲でも縦横無尽に駆け巡り、Carlのドラムも単純な8ビートには留まらず、Geoffは煌びやかなシンセからエレピ、ハモンド・オルガンなどを駆使して盛り上げます。
4人の演奏でバシッとカットアウトするエンディングは、さながらライヴのラストのようで、正に大団円です。

- Ride Easy

Heat of the Momentシングルのカップリング曲で、アルバム未収録。後に12インチEP「Aurora(1986)」や、コンピ盤を含む幾つかのCDに収録されました。
ハープシコードの印象的な音色から始まる、愁いを帯びた名曲ですが、アルバム収録曲とは確かに毛色が違うのも分かります。
JohnとSteve共作の、忘れてはいけない1曲です。


MTVが主流になる直前、FM雑誌が音楽情報収集の主なメディアでした。
私はMUSIC LIFEよりも先に、二週間ごとに発売されるFMレコパルを購読し、それに掲載されるアーティストのストーリー漫画を楽しみにしていました。
ASIAも1982年に取り上げられ、それで彼らのストーリーを知る事となりました。
漫画の主人公はSteve HoweとCarl Palmerで、早朝の霧のロンドンをジョギングするSteveと息子のDylanが、空手の朝稽古をしているCarlにばったり会って意気投合、というフィクション(笑)。バンドの要であるはずのJohnとGeoffは一切ストーリーに絡んできません!
それでもそこでYes, King Crimson, ELP(とBuggles)というパワーワードを知る事となり、少し経った後にプログレ沼に嵌らざるを得なくなりました。

ASIAの成功は最初の数年間だけでしたが、それでも長く活動が続き、後年にはオリジナルメンバーで新たな作品を世に送り出す事も出来て、良かったと思います。

私はASTRAと、次のEP, AURORAを最後に彼らをフォローしなくなり、来日公演には一度も足を運ばないうちにJohnが他界してしまいました。早いもので、もう5年になります。
Johnは1996年のSteve Hackett & Friendsで、SteveはABWHとYesで、GeoffもYesで観る事ができました。Carlだけまだ観ていませんが、ELPは既に二人も失ってしまっているため、今後もCarlを観る機会はないかもしれません。
音楽会のレジェンドが次々と召されていくのを目の当たりにすると、ライヴはちょっとでも気になったら、迷わず行くべきだと痛感する昨今です。

2023年2月13日月曜日

巨星堕ちまくる2023年

Jeff Beck, David Crosbyの訃報を受けて、このエントリーを書きかけのまま保留しているうちに、高橋幸宏さん、鮎川誠さん、TelevisionのTom Verlain、そしてタラちゃんの声でお馴染みの貴家堂子(さすがたかこ)さんとほぼ同時に、Burt Bacharachの訃報が。
今年は年初から、エンタメ巨星のお召し上げが激しいです…


- Jeff Beck - Jan/10/2023

高校時代の友人がモーレツに彼を崇拝していて、その影響もあってヤードバーズ、ジェフ・ベック・グループ、BBA、ソロを何枚か聴いてきました。

日本ではヤードバーズ出身のエリック・クラプトン、ジミー・ペイジと共に三大ギタリストと呼ばれてきましたが、私はホドホドの熱量で、1度は来日公演に足を運んだ程度に、ジェフが一番好きでした。
音楽面でも、本当に亡くなる直前まで現役感バリバリで、カッコよかった。
ビート・ミュージックから始まり、ハードロック、フュージョン、クラブ・ミュージックに接近したりと変幻自在。ストラトをフィンガー・ピッキングで操るさまは、本当に素敵でした。

私が彼の音楽を知った80年代は、旧友ロッド・スチュワートとの共演「People Get Ready」がスマッシュヒットを飛ばしていた時でした。
その当時、必聴と言われていたソロ作品は「Blow By Blow」「Wired」の二作。私の愛聴盤となったのは後者「Wired」でした。

近年ではバンドに女性ミュージシャンを多く起用し、才能を発掘する面でも注目されていたように思います。2017年の来日時も、バンドメンバーの殆どが女性だったと記憶しています。
その時は既に居ませんでしたが、ベーシストのタル・ウィルケンフェルドはジェフのバンド加入をきっかけに多くの大物と共演し、ベーシストとしてだけでなく、シンガー・ソング・ライターとしても活躍するようになりました。



- David Crosby -Jan/19/2023

私が好きなYesは、その初期にThe ByrdsやBufallo Springfieldをカバーしていました。バーズを最初に耳にしたのはMTV番組で流れた古い映像の「So You Want to Be a Rock 'n' Roll Star」
次にYesの1stに収録のカバー曲「I See You」
その後にテレビで放送されたアトランティック・レコード40周年コンサートでのCSN「Suite: Judy Blue Eyes」
そうやって辿っていくうちにバーズを集め出し、CSN&Yを聴いて、という流れでした。
Yesが影響を受けた音楽として聴いているうちに、好きになったアーティストの一人です。
2015年の東京国際フォーラムでのCSN来日公演は圧巻でした。




- Tom Verlaine - Jan/28/2023

Televisionを初めて聴いたのは1992年の再結成アルバム「Television」でした。
その頃の私は、中学生の頃から始まったプログレ求道を一旦停止し、当時隆盛したオルタナティヴ・ロックに傾倒していました。それらのルーツを遡る作業も並行していたのですが、まだVelvet UndergroundとLou Reed, David Bowieに着手したばかりで、NYもUKもパンクにまで辿り着いていませんでした。
正直に言うと、後で耳にした名作「Marquee Moon」よりも、上記の再結成3rdアルバムの方が思い入れが強いです。彼らに対して抱いていた、勝手なイメージに違わぬクールさ、穏やかな緊張感、知的、文学的な匂いが漂う素晴らしい作品でした。
リリースと同時に入手し繰り返し聴いた事、同年の初来日公演に足を運んだことも関係しているでしょう。
私はUKパンクよりもNYパンクの方が肌に合っていると感じたのも、彼らの再結成がきっかけでした。




- Burt Bacharach - Feb/08/2023

ポップ・ミュージック、映画音楽の巨匠も、先日他界してしまいました。
私は彼の音楽をほんのさわりだけ聴きかじった程度の超ニワカですが、それでもいくつか記憶に残る好きな作品があります。
「Dionne Warwick / Say a Little Prayer(小さな願い)」は暫く、彼の作品とは知らずに楽しんでいました。とてもポップでキャッチ―なのに、変拍子が多用されていて、それに気付くと「トリッキーな作りだなぁ」と思うけれど、ただのポップソングとして楽しめる事が大前提になっている。とても高度な構成を聴き手に気付かせない、インテリジェンス溢れる音楽家でした。
1990年代前半、渋谷系と言われる小さなムーヴメントがあり、そこで彼の音楽が持て囃されたのを覚えています。その中で一番印象に残っているのは「007/Casino Royale」のサウンドトラック。
映画は未見ですが、007シリーズのパロディで、本シリーズとは一線を画すものらしいです。
パロディらしい、キッチュかつコミカルにデザインされた音楽は、それでも上品でお洒落、楽しさに満ちたものでした。


2023年はまだ始まったばかり。
これ以上悲しいお報せが増えない事を祈ります。

R.I.P.


2023年1月8日日曜日

リアルタイムと後追い~中編(1990年代)

 1980年代の中~後期は、私も十代後半に差し掛かり、音楽の趣味がかなり固まった時期でした。アルバイトをしてコンポを揃え、ブリティッシュ・ロックの旧譜を集めるようになりました。フェルナンデスの安いギターを買って、耳コピを始めたり、少しするとパーツを買い集めて改造したりもしました。その時期の「後追い」は後編で纏めますので、先に少し飛んで1990年代のお話しをします。


先ず私はロック聴き始めにASIAファンになり、1983年の再結成以降、ガリゴリのYesファンになりました。両バンドのファンになったという事は自然と「Steve, Yesに戻らないかなぁ」となるわけです。コツコツとレコードで揃えたYes名作群には、全てSteve Howeがいましたから、その思いは強くなるばかり。ふたつ前のエントリーで書いた通り、1990年のAnderson Bruford Wakeman Howe来日公演は、東京と横浜の全てに行ったほどです。

その直後のUnion事変で大きく失望し、「Yesはもういいかな…」と思うようになっていました。(とはいえそう簡単に離れる事も出来ず、Union@武道館には行きましたし、アルバムもずっとフォローし続けていますが)
せっかくFragileとClose to the Edgeのメンツ80%が揃って、その上Tony Levinもパーマネントでサポートしていて、次作「Dialogue」も完成間近というのに、

ナニしてくれちゃってるの、Anderson君⁉

てなモンで、当時のRick Wakemanの心境そのまま、Unionは正しくOnionだったのです。

というワケで、90年代はプログレ後追いのプライオリティが自ずと低くなり、同時代の音楽を意識高めに聴くようにした10年間でした。後追いも、ちょっと趣向を変えた時期でもありました。


Ride / Seagull(1990)
UKインディーズはパンクが勃興した1970年代後半からあったそうですが、私が意識して向き合ったのは、Rideが初めてだったと思います。英インディーレーベルでは大手のCreationからデビューしたバンドです。自分の靴を見るように下を向いたパフォーマンスからShoegazerという1ジャンルの呼称までできました。
このビデオは再結成後の最近のものらしく、皆いいオジサンになっています。私も同世代なので、同じくオジサンになりました。


Blur / Bang(1991)
彼らもインディーズのFood Recordsからデビューしましたが、後にブリットポップの雄としてOasisと覇権を争い(というかメディア側の勝手な印象操作でしたが)、更には米オルタナティブ・ロックに接近したりと、音楽性を柔軟に変化させていきました。
1st「Leasure」の頃は、シューゲイザーのノイズと、ダンサブルなマンチェスター・サウンド(Happy Mondays, Stone Rosesなど)を合わせたような、ウマい音を出していました。
次作「Modern Life is Rubbish」から始まった彼らのブリットポップ期に、Peter Gabriel時代のGenesisと重ね合わせて見る事が多くありました。
中産階級のお坊ちゃまで、賢くヒネていて、意識的に英国臭くしているところとか。フロントマンがイケメンなのにかなりハッチャけてるトコとか、ギタリストが黒縁メガネで演奏がトリッキーなトコとかも(笑)。

My Bloody Valentine / Only Shallow(1991)
シューゲイザーのラスボスが彼らMBVでした(The Jesus and Mery Chainと双頭ですね)。このアルバム「Loveless」は、もはや説明不要の90年代の超名盤。私も発売日に買って、何度も何度も繰り返し聴きました。敢えて一言で説明すると「ギターノイズのウォール・オブ・サウンド」でしょうか。ダビングしたテープを車でかけていたら、同乗していた当時の彼女に「このテープ伸びてるの?」と言われました(笑)。


Nirvana / Smells Like Teen Spilit(1991)
この頃は購読する音楽誌も変わって、ロキノン、クロスビート、ミュージックマガジンなどになっていました。「Nevermind」が新譜レビューに載った際「売れそうな殺伐」というサブタイトルで書かれていたのを思い出します。まだグランジという言葉が無かった、もしくは日本にまで届いてなかった頃で、Sonic YouthやDinasour Jr.など米インディーズの先輩たちと共に「殺伐ロック」とか呼ばれていました。当時私は埼玉の小さなCDチェーンの店員をやっていたのですが、洋楽を担当していた先輩が「Nevermind」を1枚も初回オーダーしておらず、こっそり(控えめに)3枚バック・オーダーしたのを覚えています。それもあっという間に完売してしまい、次回入荷まで相当時間を要してしまいました。


Faith No More / Midlife Crisis(1992)
ミクスチャー・ロックと言われた彼らも実は歴史が長いようで、バンドの始まりは1979年にまで遡るとか。1980年代、10代の頃にプログレを知り、70年代の音楽を漁り始めた私ですが「本当の意味でのProgressiveってなんだろう?」と素朴な疑問を感じ始めていました。
パンク、メタルから、ファンク、ヒップホップまで内包した彼らの音楽は、その一つの回答だったと思います。
「中年の危機」と題されたこの曲は、今も聴き続ける数少ない90’sナンバーのひとつです。

nomeansno / 0+2=1(1991)
本作は何故買ったのか全くもって解らないのですが、大当たりだった1枚です。
カナダのハードコア・パンク・バンド5作目。実は彼らも、70年代末から活動を始めています。音楽もビジネスも肥大化した恐竜バンドへのアンチテーゼであったUKパンク勢と異なり、彼らも上記のFaith No Moreも、プログレからの影響を受けているところが実に興味深いです。まぁ大体、見え隠れする要素はヘヴィー&ダークなKing Crimsonなんですけどね。


Chemical Brothers feat. Noel Gallagher / Let Forever Be(1999)
OasisはアルバムもEPも結構買っていた私ですが、実はそれほど好きではありませんでした。あまり、というか殆ど聴き込んだ覚えもないほどです。
ですが、ノエルとケミカル・ブラザーズのコラボは、いつも好きでした。不思議なものです。

David Bowie / Dead Man Walking(1997)
ドラムンベースを大々的に取り入れたアルバム「Earthring」、けっこう聴きました。というかTin Machineがポシャってソロ活動に復帰してからの作品は、どれも高クオリティだったボウイです。70年代のように時代を先導する気負いもなく、その時々の興味の赴くままに流行を取り込んでいく様もまた、カッコよかった。

Metallica / Enter Sandman(1991)
まさか自分がメタリカを聴く日が来るとは!そう思った1991年は洋楽が大豊作で、本当にリアルタイムで体験できたのが幸せな年でした。高校生の頃(80年代中~後期)、スラッシュメタルとしてのメタリカが大好きな友人がいて、遊びに行くと部屋で大音量でかけて直ぐにヘドバンするのを傍目に「バカだなー」と思っていただけに、この曲が入っている通称ブラック・アルバムは、アンチ・メタルも巻き込んだ大傑作だったと思います。
彼らはLou Reedの遺作となった「LuLu」でもコラボしていて、本当に底が知れないモンスターです。

Yes / Open Your Eyes(1997)
Yes好きの端くれとして、90年代の彼らも取り上げなくてはなりません。この曲を収録した同名アルバムは著しく評価が低く、多くのファンやライターからも一番の駄作扱いを受けています。「Drama(1980)」のように、低評価が覆る事も無さそうですが、私は好きな1枚です。
90年代の、その前の作品群「Union(1991)」「Talk(1994)」「Keys to Ascension 1&2(1996, 1997)」には、届けられるごとに彼らへのロイヤルティを削られていきました。
元々ベースのChrisと、長年YesをサポートをしていたWorld TradeのBilly Sherwoodのプロジェクトだった素材を、Yesとしてまとめ上げたのが本作ですが、タイトに若返って、コーラスワークはいつにも増して分厚く、サウンドプロダクションも90年代らしく、なかなか良い作品だと思います。
全くの余談…。このOpen Your Eyes、シングルカットもされていますが、Steve Howeが両方に関わっているというところで比較してしまうと、ASIAの同名異曲(1983)の方に軍配が上がりますかね~。

Steve Hackett / Rise Again(1999)
この少し前に出した、過去に在籍したGenesisをセルフカヴァーした「Genesis Revisited(1996)」が話題を呼び、オールスターを引き連れての初来日も果たしたSteve Hackett(元Genesis)の「Darktown(1999)」より。
緑がかったモノクロームの墓地がジャケットという、悪趣味なアートワークは、本作の重要な要素ではあるけれど一旦置いといて、見過ごしてはならない90年代の名盤の1枚だと思います。
初期のソロ作から一貫している幽玄的な曲、ダークでアグレッシヴな曲から、ブレイクビーツといった流行まで取り入れていました。
このRise Againは、最近の作品にも通じる、明るく疾走感のあるライヴ映えのする名曲。近年のライフワークとなっている「Genesis Revisited tour」でも披露されていました。

Genesis / Carpet Crawlers 1999(1999)
初期Genesisのライヴや未発表音源を編纂するにあたり、90年代まで活躍したTony Banks(key,g), Mike Rutherford(b,g), Phil Collins(vo, ds)に加え、1970年代にグループを去ったPeter Gabriel(vo)とSteve Hackett(g)も一堂に会しました。それがきっかけとなり、名作「The Lamb Lies Down On Broadway~眩惑のブロードウェイ(1974)」から、この1曲がリメイクされました。プロデュースはTrevor Horn。メインボーカルはPeterで、コーラスおよびクライマックスの1節をPhilが担当しています。Genesisはこの時をきっかけに、何度もプログレ期の5人で復活か!? と期待を持たせますが、結局はいつものトリオで2回、大規模コンサート・ツアーをやって終わりました(2007と2021~2022)。でもそれが彼ららしいし、5人で再結成して陳腐になってしまう事を避けているようにも思います。Philも健康問題を抱えて、ヴォーカルはともかく、もはやドラムは叩けないでしょうしね。


1990年代は、他にももっとたくさん紹介したいアーティストがいますが、それはまたの機会にします。CDバブルの時代でJ-POPがメチャクソ売れましたが、幸か不幸かそっち方面には全く興味が湧かなかったので、同世代とJ-POPベースで思い出話ができないのは仕方ありません。ただ、上記に上げた曲と、私自身の思い出は確実にリンクしていて、恋愛、仕事、ドライブ、地方への赴任など、良い思い出も悪い思い出もいろいろ蘇ってきました。

2023年1月6日金曜日

リアルタイムと後追い~前編(結果1983年が多い)

ちょっとした思い付きから「聴いてきた音楽を回顧してみよう」となったのですが、MVを貼り付けていたらめちゃめちゃ長くなってしまいました(笑)
自分の音楽遍歴を遡る旅、中編、後編と続ける…気持ちでいます。
初回の前編は、最初のリアルタイムにこだわってみました。
良かったらお付き合いください…。


最近ことさら、音楽は同時代性込みで楽しむのも大事だな、と思うようになりました。 
自分自身の人生イベントと紐づいて、よりインパクトのある記憶になったり、その時々の社会情勢、そのカウンターとしての曲(歌詞)であったり、リアルタイムで体験した方が、より正しく価値を理解できるのかな、という思いが強くなってきました。

私の音楽遍歴は、その多くが後追いでした。同時代のものも含めさまざま聴いてきた結果、1970年代の、特に英国プログレッシヴ・ロックが自分には一番合っている、しっくり自然に聴ける音楽だと分かりました。
ですが、後追いの音楽は、発表当時の空気感までは知る術がありません。こればかりはどうしようもありません。

逆に、洋楽を聴き始めた1980年代前半と、意識して同時代性を求めた1990年代の音楽は、その当時の自分自身のイベントや、音楽シーンの動向、リアタイならではの空気感を記憶に刻み込めたのかな、と感じます。

また、最初に聴いた当時は自分自身がまだ幼くて、その良さが解らなかった曲も、年齢を重ねて違う捉え方ができるようになったり、自分の感性の変化を感じ取れたりします。


The Police / Every Breath You Take(1983)
ポリスは少し前の1980年に知った好きなグループでしたが、1983年に大ヒットしたこの曲は嫌いでした。しかし今iPhoneのプレイリストには、しっかり入っています。
Sting作の曲を、より印象深くするAndy Summersのギター。速くても遅くても、めちゃくちゃ指を広げないと弾けない、厳しい運指のアルペジオは、ポリスのトレードマークのひとつです。
雰囲気だけで聴いていると切ないラヴソングのようですが、歌詞を読み込むとヤベー歌だと分かります(笑)

Genesis / Mama(1983)
この曲も当時は「暗くて気持ち悪い」という、身も蓋もない第一印象。リアルタイムでは、トリオのGenesisに殆ど魅力を感ませんでした。同時期のもう一つのヒット曲「That's All」を先に耳にしましたが、当時はとてもシックな音楽に聞こえて、13歳の私には響きませんでした。それから10年近く経過して、Peter Gabriel期の1970年代前半を知った時に、やっと「トリオになっても流石Genesis!」と思うように。
この曲のライヴで、下から顔を照らす「ハハッ!ハッ!アァァオゥ」のパートは、「The Musical Box(1971)」のセルフ・オマージュ(Peter Gabrielへの)だと思っています。

Culture Club / Church of the Poison Mind(1983)
大ヒットアルバム「Colour by Numbers」からの1stシングル。2ndシングル「カーマは気まぐれ」に完全に食われた印象ですが、私はこちらの方が好きでした。
最近気づいたのですが、このタイトル…「The Court of the Crimson King」と韻を踏んでませんかね?? CourtとChurch, of the, CrimsonとPoison, KingとMind。
曲調は全く違えど、「In the~♫」というサビの唄い出しまで同じです
それとは別に、この時期の彼らはモータウン・サウンドをリスペクトしていて楽しいです。


Kaja goo goo / Big Apple(1983)
一番人気だったヴォーカルのLimahlが脱退し、ベースのNick Beggsがフロントに立って作った2ndアルバムからの先行シングル。Nickはいまや、英Prog界きってのベースプレイヤーのひとりとなっています。
最近知ったのですが、彼はお家騒動の後でマネージャーに「チャップマン・スティックを買ってくれたらバンドを続けてフロントマンもやる」と駄々をこねたそう(笑)。1984年の次曲「Lion's Mouth」MVでは、スティックを演奏する姿が確認できますし、エレドラも導入していて、まるでディシプリン・クリムゾンのようです。
当然そんな知識もなくエピソードも知らなかった私は、単純にポップスとして楽しんでいました。


David Bowie / Let's Dance(1983)
初めて知ったのがこの曲だったので、Bowieはこういうオトナな音楽の人なんだ、と思っていました。のちにプログレと同じくらい過去の作品群にハマったのですが、この時期の作品にはリアルタイムで聴いた思い入れがあります。
部活の先輩(女の子)にアルバムをダビングしてもらいました。


Yes / Owner of a Lonely Heart(1983)
この曲を最初に聴いた時は、本当に衝撃でした。後にあらゆるポップミュージックで大流行したオケヒット音もさることながら、様々なサンプリング音が随所に鏤められていて、全てが異質で初めて耳にする音ばかりでした。
プロデュースを務めた前作ヴォーカルのTrevor Horn, 当時新加入のTrevor Rabin(g&vo)なくしては、この復活劇は無かったでしょう。産業ロックと揶揄されることも少なくないこの時期ですが、Trevor Hornの出自(Buggles~ラジオスターの悲劇)から考えても、ニューウェイヴの系譜で捉えた方がしっくりきます。
(産業ロックと括られたバンド群とは明らかに異質です)
そしてChris Squireのベースがめちゃくちゃ存在感を示していて、それが彼らをYesたらしめています。

STYX / Mr. Roboto(1983)
シアトリカルなコンセプト作をいくつか作っている彼らの、ちょっと可笑しな作品。
ロック・ミュージックが禁止された近未来の管理社会で、ロックの復権を目論むレジスタンスの物語。
アルバム原題「Kilroy Was Here」は、WW2時に米兵の間で流行した落書きに由来します。
劇中の重要キャラMr. Robotoは日本製の設定なので、敢えて日本語の発音ぽく、RobotではなくRobotoにしています。
ミュージカルのような作風のため、各メンバーをヒーロー側とヒール側にキャスティングした結果、バンド内の人間関係が最悪になったとか(笑)
ジャケット及びPVやライヴにも登場するミスター・ロボットの顔が、中学の同級生アシ〇イ君にそっくりで、今見ても笑ってしまいます(笑)

Vandenberg / Friday Night(1983)
MUSIC LIFEの新作レビューで星4.5とか付いてて、思わず買ってしまった作品。
もうず~っと聴いていませんでしたが、今回記憶を遡った時にパッと出てきました。当時は本当に節操なく聴いていたんだなぁ、と懐かしくなりました。
オランダのハードロック・バンドで、アガるギターリフと明るいコーラスワークが楽しい1曲ですが、「金曜の夜はロック、女にワイン」なんて、いま唄ったら世界的に怒られますね!

Night Ranger / Don't Tell Me You Love Me(1982)
この作品はほんのちょっと、1~2年だけ後追いで聴きました。
シブがき隊を好きでもなんでもなかったのですが、彼らの「Zokkon命」でパクられていると知り、野次馬根性で興味を持った1曲(笑)。当時は家にラジカセしかなかったので、カセットテープでアルバムを買うのが殆どでしたが、何故か本作はレコードで持っています。リアタイでは次作(1983年)からの「(You Can Still)Rock in America」「Sister Christian」の方が、より多く耳に入ってきたのを覚えていますが、その後ハードロックやLAメタルには全く興味が湧かなかった私でした。

The Cars / You Might Think(1984)
カーズはこの少し前の「Shake It Up(1981)」から知っていましたが、80年代を代表するのはやはりこの曲でしょう。凝りに凝って、しかもおバカなMVは当時かなり話題になりました。教室で友達同士でこのアルバム「Heartbeat City」を貸し回ししたのを思い出します。

Peter Gabriel / Sledge Hummer(1986)
彼もDavid Bowieと同様に、大人ポップとして最初に認識したので、古典とシュールを行き来する世界観、奇妙奇天烈な仮装ショウを繰り広げた1970年代のGenesis期を知った時は、本当に衝撃でした。そしてこの曲を含むアルバム「So」より前のソロワークでは、ニューウェイヴとワールドミュージックを融合した、カルトヒーロー的な立ち位置にいた事も後に知り、この頃のイメージとのギャップには驚かされるばかりでした。ただよくよく考えると、クレイアニメ手法で精緻に作り込んだこのビデオも、そんな彼の片鱗を見せつけた、大いなるヒントではあったんですよね。

King Crimson / Three of a Perfect Pair(1984)
一番最初にリアタイで聴いたクリムゾンは、80年代の活動のラスト・アルバムでした。
当時はラジオで「クリムゾン・キングの宮殿」「エピタフ」辺りをチラッと聴いた程度だったので、『伝説のバンド』という認識を除いては、殆ど先入観なく耳にする事ができました。
今では誤った通説だった事が明かされていますが、当時は「デビューアルバムがビートルズのアビーロードを全英No.1から蹴落とした」という口上が、クリムゾン紹介の際には必ず付いて回っていました(笑)
全ての楽器演奏が無機的で幾何学的で、「80年代のある側面を象徴する音」というイメージが、未だにあります。ディシプリン3部作は、ミニマルなデザインのジャケット・アートも印象的でした。Yesもそれに倣ったのか分かりませんが、80年代の2作品(90125とBig Generator)は似たようなジャケット・アートでした。
当時の情報源MUSIC LIFE誌のレビューでは星3.5程度だったと記憶していますが、寸評内に「太陽と戦慄パート3を収録」とあり、とても興味をそそられたのを覚えています。その時私は「太陽と戦慄」とやらを全くもって知らなかったのですが、「なんだか凄いもの」という事は感じ取り、ほどなくして遡っていく事となりました。


自発的に洋楽を聴き始めた頃のビデオクリップを何気なく調べていたら、1枚の80’sコンピレーションができるほど貼り付けてしまいました(笑)。
そして無意識だったのですが、1983年の作品がなんと多い事か。

洋楽を聴き始めたのはその少し前、1980年(10歳)なのですが、その頃はまだFMのTop10番組をなんとなく聴く程度の「洋楽赤ちゃん」でした。
1982年には「ASIA~時へのロマン」「TOTO~IV聖なる剣」という作品を入手していましたが、まだそれ以上の探求心は芽生えていなかったのかもしれません。小遣いでアルバムを買うのも大変でしたし、MTV番組もラジオ番組も、まだあまり知らない時期でした。それに当時はこの2枚をずっと繰り返し聴いていても、全く飽きませんでした。

中編(1990年代)に続く…

2023年1月4日水曜日

ABWH ~ An Evening of Yes Music Plus, Deluxe Box Setリリースに寄せて

高額に加え、タイミング的にも大枚叩いてまで入手するモチベーションではないので、一旦は見送りますが、実に魅力的なボックスです…。

過去のエントリーで書いたと思いますが、私の人生初のライヴ体験は1988年春、代々木体育館で行われたYes~Big Generator Tourでした。
1982年にASIAを経由して知ったYes。その当時Yesは解散状態だったので、ロックを知ったばかりの中学生の憧れは盲目的に強くなりました。そして程なくすると、ドラマティックに再結成。斬新な変身を遂げての大ブレイクを、思春期真っ只中の感性で目の当たりにしてきたので、正に待望のライヴ体験だったのですが、ハイティーンになっていた1988年頃には、既に往年のYesと当時のYesのギャップを知ってしまった後。いわゆる90125Yes(当時はまだ、そんなあだ名はありませんでした)もリアルタイムで大いに楽しんでいましたが、「だが、コレじゃない」感が芽生えていたのも事実です。

「Close to the Edge」直後の全盛期、滞在時にJon&Steveで「Tales from Topographic Oceans」の構想を練ったという1973年の初来日時、私はまだ3歳の幼児。それから実に15年もの時を隔てた2度目の来日公演が、私にとっては人生初のライヴ体験となったわけですが、残念な事にかなり記憶が薄れてしまっています。

その初めての生Yesメモリーを完膚なきまでに上書きしたのが、Anderson Bruford Wakeman Howe(ABWH)の結成と、1990年春の来日公演でした。
人生2度目となったこのライヴ体験、東京と横浜の全公演に足を運び、忘れようもないほどに記憶に刻み込みました。

90125Yesは、アルバムのリリース間隔こそ長かったものの、珍しくメンバーチェンジもせずに80年代を駆け抜けたので、このラインナップは盤石で、黄金期メンバーの再集結は見果てぬ夢に終わるのだろうと、当時の私は諦めていました。
そして私が、Yesに興味を持つきっかけとなったギター・ヒーローSteve Howeが、ASIA、GTRの商業的成功とは裏腹に、バンドのリレーションシップに失敗しているのを繰り返し見てきて、いたたまれない気持ちでいた80年代終盤。正に起死回生の一発に思えたのが、ABWHでした。

なんといっても全盛期メンバーの4/5が揃った事、特に「Close to the Edge」をレコードに残したものの、一度もライヴ演奏せずに去ったBill Brufordが戻ってきたのは、私のような若輩ファンにとっても奇跡の出来事に思えました。
Billは正に字義通りのProgressiveを体現するドラマーでしたので、彼が連れてきたTony Levinのサポート含め『ただの懐メロで終わるワケがない』という期待感もありました。

当時はまだ、Chris Squireの重要性は今ほど言われておらず、時には「目立たない」「静かな」メンバーとして紹介するメディアもあるほどでした。故に私も、彼の不在を殆ど気にしていませんでした。なんなら「生意気な若造」Trevor Rabinを擁護してYesの看板を譲らない巨漢のヒール、くらいにしか思っていませんでした(ただBig Generatorでの私のお気に入りは、彼のベースが大活躍するI'm Runningでした)。
今は勿論、ChrisがYesで果たした役割の重要性(音楽、運営どちらも)と当時の正当性、Trevorの並外れた才能も理解しています。

ABWHの既発ライヴ作品「An Evening of Yes Music Plus」は、既知のとおり病欠したTony Levinに替わって、Billのもう一人の盟友Jeff Berlinが参加しています。そのため、フルタイムでサポートしていたTony参加音源の方がレアになってしまっています。
指に長い「とんがりコーン」を装着したり、チャップマン・スティックを駆使した先進的な演奏には、本当に痺れましたし、シモンズのデジタル・ドラム要塞を縦横無尽に操るBillとのコンビネーションも最高でした。

本作の国内盤は、NHKホールでのオンボード音源も収録との事。Tonyの演奏が聴けます!
でも、高いんだよなあ…。

余談ですが、未だにBill Brufordの日本語表記には揺れがありますね。
私も世代的には「ブラッフォード/ブラフォード」で覚えたクチですが、自伝が出版された辺りからは意識して「ブルーフォード/ブルフォード」と記述するようにしています。過去のエントリーではブレの名残があって「ブルッフォード」とか書いちゃったりしていますが(笑)