Roundabout、良いですよね~。
もう聞き飽きたなんて人もいるかもしれませんが、私は初めて聴いた約40年前から、Yesナンバーではイチバン回しているかもしれません。
Yesファンの多くは、フェイヴァリット・ナンバーに「危機~Close to the Edge」「悟りの境地~Awaken」「燃える朝焼け~Heart of the Sunrise」などを挙げ、もしかしたら私くらいの世代(アラフィフ)だと「ロンリー・ハート~Owner of a Lonely Heart」という人も少なからずいるかもしれません。
私も全部好きです!
「Roundabout」は、Yesのアンセムとも言える名曲ですが、どういうワケかフェイヴァリットに推すのが少し気恥ずかしい風潮もある気がしています。
ですが、私は声を大にしてRoundaboutが大好きだと言いたい(笑)。
その理由は…
1)見事なまでの起承転結。
2)その後、数々の名曲を世に送り出したAnderson / Howeコンビの初出曲。
3)アコギが基盤の曲なのに、Chris Squireのブリブリ・ベース名演。
4)スネアとバスドラムの、タイミングをずらしたトリッキーな演奏。
5)Rick Wakemanが参加して初めて制作セッションに携わった1曲。
(もう1曲はHeart of the Sunrise)
6)コーラスワークが素晴らしい!(ラストの多重録音もステキ)
特に(4)のBill Brufordのドラミングの魅力は抗い難く、甲高いスネアが「そこは入れへんのかい!そこは入れるんかい!」となって、いつ聴いても新鮮な気持ちにさせてくれます。
中間部では性急なサンバ的展開を繰り広げ、ポリリズムのような複雑さをサラッとこなしているのもアツい!
世に出ているライヴ・バージョンの殆どはAlan Whiteなので、Billを堪能できるRoundaboutのライヴ版は本当に少ないです。
短命に終わったスピンオフ、ABWH。Billが奏でるFragileとCTTEに涙。
さて、タイトルについてなのですが、スパニッシュなイントロ後の最初のギター・リフは、全てアコースティック・ギターのハーモニクス音(倍音)によって奏でられています。
問題のコード進行は以下2パターン
1)メインリフ
Em / F#m / G / F#m / G / F#m / Em
2)ブリッジ(Gメジャーのサビ前)
Am / Bm / C / Bm / C / Bm / Am
上記どちらも全てのコード(3音)がナチュラル・ハーモニクスで鳴らされているのですが、1本のギターでそのまま演奏するのは不可能なんです。
Emは普通のチューニングで12フレットで出せますが、他のコードは全てチューニングを変えないと出せません。
(1)のGもハーモニクスで出せますが、3音の高低配列で言うと、正確ではありません)
50年以上前、現代のようにデスクトップでパパッとできるような事ではありません。
おそらくSteve Howeが1ストロークごとにチューニングを変えて鳴らしたのを録って、後で編集したのではないでしょうか??
テープの切り貼り職人とも言われた Eddie Offord (Engineer / Producer)の成せる技だったのかもしれませんね。
Steveはライヴにおいてメインリフのみ、12フレットの123弦、7フレットの234弦、12フレットの234弦(または5フレットの234弦)で代用していますが、音の配列が異なるし、7フレットのハーモニクス音はF#mではなくDなので、スタジオ・バージョンとは異なる響きになってしまっています。
(2)に至ってはレギュラーチューニングでは全く出せないので、普通のストロークで弾いていますね。
Steve Howe本人によるレクチャー。かなり昔の映像ですが、やっつけ感(笑)
後のヴァースでは普通のコードストロークで弾いていますが、どういうワケかコードを変えています。
Em / F#m / G / F#m / G / F#m / Em
が本来の進行で、特に変調している訳でもないのに、響きが似ている下記で弾いています。
Em / A / Bm / A / Bm / A / Em
Trevor Rabinは、通してEm / F#m / Gで弾いていて、音としてはそれでも違和感はありません。(彼の場合は、Steveのスタイル自体を壊すので、それが違和感ですが…)
この辺りはきっと、Steveが練りに練って作ったんでしょうね。
ギター・コードにちょっと耳を澄ませるだけでも、奥が深いRoundabout。
最近は各楽器の音だけを抽出したYoutubeコンテンツもいろいろアップされているので、時間がある時に改めて向き合ってみようと思います。
の順番で各パートだけ聴けます♫
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