2023年2月13日月曜日

巨星堕ちまくる2023年

Jeff Beck, David Crosbyの訃報を受けて、このエントリーを書きかけのまま保留しているうちに、高橋幸宏さん、鮎川誠さん、TelevisionのTom Verlain、そしてタラちゃんの声でお馴染みの貴家堂子(さすがたかこ)さんとほぼ同時に、Burt Bacharachの訃報が。
今年は年初から、エンタメ巨星のお召し上げが激しいです…


- Jeff Beck - Jan/10/2023

高校時代の友人がモーレツに彼を崇拝していて、その影響もあってヤードバーズ、ジェフ・ベック・グループ、BBA、ソロを何枚か聴いてきました。

日本ではヤードバーズ出身のエリック・クラプトン、ジミー・ペイジと共に三大ギタリストと呼ばれてきましたが、私はホドホドの熱量で、1度は来日公演に足を運んだ程度に、ジェフが一番好きでした。
音楽面でも、本当に亡くなる直前まで現役感バリバリで、カッコよかった。
ビート・ミュージックから始まり、ハードロック、フュージョン、クラブ・ミュージックに接近したりと変幻自在。ストラトをフィンガー・ピッキングで操るさまは、本当に素敵でした。

私が彼の音楽を知った80年代は、旧友ロッド・スチュワートとの共演「People Get Ready」がスマッシュヒットを飛ばしていた時でした。
その当時、必聴と言われていたソロ作品は「Blow By Blow」「Wired」の二作。私の愛聴盤となったのは後者「Wired」でした。

近年ではバンドに女性ミュージシャンを多く起用し、才能を発掘する面でも注目されていたように思います。2017年の来日時も、バンドメンバーの殆どが女性だったと記憶しています。
その時は既に居ませんでしたが、ベーシストのタル・ウィルケンフェルドはジェフのバンド加入をきっかけに多くの大物と共演し、ベーシストとしてだけでなく、シンガー・ソング・ライターとしても活躍するようになりました。



- David Crosby -Jan/19/2023

私が好きなYesは、その初期にThe ByrdsやBufallo Springfieldをカバーしていました。バーズを最初に耳にしたのはMTV番組で流れた古い映像の「So You Want to Be a Rock 'n' Roll Star」
次にYesの1stに収録のカバー曲「I See You」
その後にテレビで放送されたアトランティック・レコード40周年コンサートでのCSN「Suite: Judy Blue Eyes」
そうやって辿っていくうちにバーズを集め出し、CSN&Yを聴いて、という流れでした。
Yesが影響を受けた音楽として聴いているうちに、好きになったアーティストの一人です。
2015年の東京国際フォーラムでのCSN来日公演は圧巻でした。




- Tom Verlaine - Jan/28/2023

Televisionを初めて聴いたのは1992年の再結成アルバム「Television」でした。
その頃の私は、中学生の頃から始まったプログレ求道を一旦停止し、当時隆盛したオルタナティヴ・ロックに傾倒していました。それらのルーツを遡る作業も並行していたのですが、まだVelvet UndergroundとLou Reed, David Bowieに着手したばかりで、NYもUKもパンクにまで辿り着いていませんでした。
正直に言うと、後で耳にした名作「Marquee Moon」よりも、上記の再結成3rdアルバムの方が思い入れが強いです。彼らに対して抱いていた、勝手なイメージに違わぬクールさ、穏やかな緊張感、知的、文学的な匂いが漂う素晴らしい作品でした。
リリースと同時に入手し繰り返し聴いた事、同年の初来日公演に足を運んだことも関係しているでしょう。
私はUKパンクよりもNYパンクの方が肌に合っていると感じたのも、彼らの再結成がきっかけでした。




- Burt Bacharach - Feb/08/2023

ポップ・ミュージック、映画音楽の巨匠も、先日他界してしまいました。
私は彼の音楽をほんのさわりだけ聴きかじった程度の超ニワカですが、それでもいくつか記憶に残る好きな作品があります。
「Dionne Warwick / Say a Little Prayer(小さな願い)」は暫く、彼の作品とは知らずに楽しんでいました。とてもポップでキャッチ―なのに、変拍子が多用されていて、それに気付くと「トリッキーな作りだなぁ」と思うけれど、ただのポップソングとして楽しめる事が大前提になっている。とても高度な構成を聴き手に気付かせない、インテリジェンス溢れる音楽家でした。
1990年代前半、渋谷系と言われる小さなムーヴメントがあり、そこで彼の音楽が持て囃されたのを覚えています。その中で一番印象に残っているのは「007/Casino Royale」のサウンドトラック。
映画は未見ですが、007シリーズのパロディで、本シリーズとは一線を画すものらしいです。
パロディらしい、キッチュかつコミカルにデザインされた音楽は、それでも上品でお洒落、楽しさに満ちたものでした。


2023年はまだ始まったばかり。
これ以上悲しいお報せが増えない事を祈ります。

R.I.P.


0 件のコメント:

コメントを投稿