コロナ禍も世界中でワクチン供給が進み、次のフェーズに移行できるか?というタイミングで、Yesニュー・アルバム発表(2021/10/1予定)のアナウンスがありました。純粋な新作としては2014年Chris Squireの遺作となったHeaven and Earth以来7年ぶりとなります。
間には2011年のFly from Hereを1980年DramaのラインナップでリニューアルしたFly from Here - Return Trip(2018年)、数年ツアーに帯同していたRick Wakemanの息子Oriver Wakeman在籍時のスタジオ・レア音源を再編したミニ・アルバムFrom a Page、他にも数々のライヴ・アルバムのリリースがありましたが、スタジオ・フル・アルバムとしては本当に久しぶりです。
Chris没後、ライヴでは長い事そうなっていますが、本作は遂にオリジナル・メンバー不在のYes作品に。
Steve Howe (G, bVo)
Alan White (Dr)
Geoff Downes (Key)
Billy Sherwood (B, bVo)
Jon Davison (Vo)
の五人に加え、長年体調が思わしくないAlanのサポートとしてJay Schellen (Dr)が参加しています。
そしてプロデューサーは、最古参で現Yesのリーダーと言えるSteveが担当。BillyやGeoffといった、プロダクションのキャリアがある二人を擁するラインナップにあって、これはかなり驚きでした。Steveはギター職人気質だし、自身のソロワークでのプロデュースしか知りませんので。
不安と期待(不安が先。笑)が入り交じる中、昨日7/23に、新曲The Ice Bridgeの配信が開始!早速YouTubeとApple Musicで聴きました!
作はJon Davison / Geoff Downes
7分を超える組曲形式で、ホーン系シンセのファンファーレで幕を開けるイントロは、ASIAっぽい、もしくはELP の庶民のファンファーレやTouch and Goを彷彿とさせます。曲の後半ではモーグの音色でギターとの応酬もあって、圧巻です。
Steveのギターは伸びやかで、ライヴ時のような不安を感じさせません(笑)。実にSteveらしい、クリアに近い、柔らかく歪ませたトーンが心地よいです。RelayerやAwakenのような、ひりひりした緊張感もあって、近年で一番良いプレイでは?と思わせてくれます。
JonDのヴォーカルは更に磨きがかかっています。これまでのTrevor HornやBenoit David以上にJonAの声質に近いですが、オリジナリティがしっかりあり、似ているかどうかなど気にする必要もないほど、今のYesにマッチしています。
BillyもChrisの申し子、とまで言えるかどうかは分かりませんが、頑張ってブリブリ言わせています。
ドラムはどちらが叩いているのでしょうね。AlanはYesブランドを保つための名前だけなのかどうなのか…
歌詞をざっと見たところ、コロナ禍の人類の危機を、原始時代の人の歩みになぞらえているのかな、と感じました。また、"scared fire" "All eyes to the east"といった歌詞は、五輪にも言及しているのかな?それともコロナ発生源であり、経済的にも軍事的にも急拡大している中国?どうなんでしょう。抽象的なところはYesismと言えそうです。
前作Heaven and Earthは、良くも悪くも牧歌的、良いメロディやフレーズもありましたが、緊張感が皆無で演奏もスカスカに軽く、私的には彼らのワーストでした。
今回はChris不在、バンドのプロデューサーとしては未知数のSteve制作、HaEとほぼオナメンという事もあって、アルバムのアナウンスを知った時は正直不安しかありませんでした。
しかし、先行曲The Ice Bridgeを繰り返し聴いて、アルバムが非常に楽しみになりました!
【追記】
新曲の反応を知ろうとtwitterを見ていたところ、思わぬ情報を見つけてしまいました。元Curved AirのFrancis Monkmanが1978年に発表したエレクトロニック作品「The Dawn of Man」が、この曲そのものだったのです!
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