2022年12月14日水曜日

今さらELP

Still...You Turn Me On 個人的には「恐怖の頭脳改革」に収録のスタジオ・ヴァージョンよりも、アコギ弾き語りライヴ・ヴァージョンの方がグッときます。(この動画、Gregがくっちゃくっちゃしながら唄っているのが気になりますが…笑)

Lucky Man 代表曲のひとつとして挙げられる事も。Gregが初めてギターを手にしたティーン時代に書いた曲としても有名です。

今さらですがELP、しかもGreg Lakeのアコースティック小品にハマっています。密度の高い甘い声、哀愁と優しさ漂うメロディ、アコギの調べ。ELPといえば3人ともが個性と才能に溢れた集団でしたが、特にKeith Emersonに耳目が行きがちなユニットでもありました。ワイルドなパフォーマンスと演奏という点では、Carl PalmerもKeithと競っていましたね。そんな中で若干控えめな印象ではありますが、Greg作の小品も実に味わい深く、もう一つの大きな魅力です。

今なぜ改めてELPを聴こうと思ったかと言えば、前エントリーのASIA in ASIAを観賞したのがきっかけ、としか言いようがありません。あの来日公演は、直前のJohn Wetton → Greg Lakeというフロントマンの交代劇があり、当時 音楽雑誌などの評判は、決して良いものではなかったと記憶しています。特に急遽助っ人加入を余儀なくされたGregの粗探しばかり取沙汰されていました(美青年が肥えた、歌詞を覚えられずプロンプターを見ながら唄った、このライヴが終わったら直ぐに脱退してしまった、など)。
埼玉の片田舎に住み、ライヴに行けなかった当時中学生の私は、約40年の時を経て遂にその全貌に触れる事ができました。実際には80年代にレンタル・ビデオで観ましたし、最近もYouTubeで観る事も出来たのですが、映像も音質もリマスターされた作品に触れ、単純に「Gregスゲー」となったわけです。

 私にとって1970年代のプログレ全盛期は、全て1980年代以降の後追いです。80年代の私はほぼ学生期。小遣いを貯めたりバイトをしてレコードを買っていました。当時は貸しレコード屋なんていう店も流行っていましたが、16歳くらいまで家にはヘボいラジカセしか無かったので、殆ど利用しませんでした。それに、同時代の話題作、ヒットチャートも欠かせなかったので、旧作は2~3ヶ月に1枚程度、所謂名盤と呼ばれる作品を買うのがやっとでした。ただ、当時はテレビもFMラジオも洋楽番組が沢山放送されていて、古い音や映像に触れる事ができたので、それらから受けた影響も大きなものでした。

そんな私が後追いターゲットとして最優先したのはYes。次いでKing Crimson, Led Zeppelinでした。その当時から音楽雑誌では、10年~15年前の作品を「名盤」として紹介してくれるコーナーもあったので、Pink Floyd, Genesis, Rushなどは、そんな感じでピックアップされたものだけを買って聴いていました。

こうして歳を取ると10~20年前、ヘタすりゃ30年前ですら、つい最近のように感じますが、10代にとってのその差は、とてつもなく大きな隔たりに感じられたものです。だって、物心もついていないガキンチョ、もしくは生まれてすらいない時代の話ですからね。

でELPなのですが、結局レコード時代には1枚も買う事がありませんでした。TV放送されたいくつかの映像には感動しましたし、FMエアチェックした曲も少なからずありました。その当時は、Keith Emersonが音楽を担当した映画「幻魔大戦」のテーマ曲も、ラジオでよくかかっていた記憶があります。ともあれ、ELPをしっかり聴いたのは、CD化された90年代にようやく、という感じです。


これはDeep Purpleにも通じるものがあって、特に背伸びしたい10代男子にとっては、ELPとDeep Purpleはちょっとおバカに感じられたのです(笑)。私は結局いまに至るまで、どのバンドでも歌詞を深堀りする事など殆どしないおバカのままなのですが、若かりし頃はちょっと賢くニヒルに感じられる雰囲気が好きだったのだと思います。だから、この偉大な2バンドに関しては、後にCDを買ったものの、1枚もレコードを持たず仕舞いで終わってしまいました。

それでも、10代の頃からの、ELPのお気に入りの曲は幾つかありました。

コレとか


コレとか(結局、私はコープランドの曲が好きって事かな?)

この管弦楽共演版は、1985年にFMで聴いて以来、ずっと好きなヴァージョンです。

KeithもGregも2016年に他界し、私は彼らのライヴを一度も観る事ないまま、機会は永遠に失われてしまいました。遺された音源を聴き続ける事も大切ですが、生の演奏は可能な限り体験しておいた方が良いですね。

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