1980年に突入しようという頃、後に名プロデューサーとなったTrevor Hornは、Bugglesというユニットで「ラジオスターの悲劇 / Video Killed the Radio Star」を唄い、MTV時代の幕開けを告げました。
2000年にはそのパロディで「ビデオスターの悲劇 / Internet Killed the Video Star」なんていう動画が一部で話題になりました。
唐突なイントロですが、ブログタイトル変更のお知らせです。
Windowsではまだ辛うじて残っていますが、MacやiPhoneからiTunesが消え去ってから、もうかなりの時間が経過しています
このブログは超不定期で、年単位で放置してしまった闇実績もあり、タイトルは既に使っていない、古い「iTunesで聴いています!」のままでした。
開設してから今に至るまで、私の音楽に向き合うスタイルも変わり、今では殆どディスクを買う事はありません。そもそも「iTunesで~」というタイトルで始めた事からも、私が物質的なコレクター道から足を洗った事、オーディオにも拘っていない事をお察し頂けるかと思います。まぁ、MacもPCも良い音で再生してくれるし、Bluetoothスピーカーも良い音鳴らすので、それで充分です。
近年はサブスクもSNSもかなり充実していて、メジャーどころだけでなくニッチな音源も殆どAppleMusicやSpotyfy, AmazonMusicなどで聴けてしまうし、ブートレグ音源やレア映像もYouTubeを彷徨っていれば、だいたい見つかります。
ユーザーにとっては利便性が飛躍的に上がった一方で、楽曲提供側のアーティスト、作家にとっては受難の時代とも聞きます。CDは売れず、サブスクでリリースしてもアルバム単位では聴かれず、各サービス企業側に取られるマージンも小さくなく、ライブ収益だけが頼りだという話しも。最近になって、ようやくコンサートも普通に興行されるようになってきましたが、この2年前後はコロナ禍で大変でしたし。
CD/レコード・ショップに行く醍醐味は、本来の目的とは別の、思いも寄らない発見がある事だと思います。ジャケ買い、試聴、店員さんのレコメンドPOPなど…。
ですが、街中のCD店はめっきり減ってしまいました。1990~2000年代初頭にかけては、CDショップ黄金期。複数の外資チェーン企業が、首都圏だけでなく地方都市にも隈なく出店していきました。その影響で、特定の層向けに全振りしていない「普通の」個人店は駆逐され、国内企業のチェーン店も苦戦を強いられた側面があります。ただJ-POPのバブル期でもあったので、外資と国内企業の共存が可能な時期でもありました。
そして今は外資/国内企業のチェーン店ともに、首都圏の旗艦店以外はほぼ撤退し、ほそぼそと続けている店もアニメ、アイドル、K-Popに特化して、以前のようなあらゆるジャンルを発見できる場ではなくなってしまいました。
サブスクやYouTubeは探し物に簡単に辿り着く利便性がある反面、想定外の発見という楽しみは殆どありません。僅かに「あなたにおすすめ」的な誘導をしてくれるので、探し物に近い範囲での微妙な発見があるのが、せめてもの救いでしょうか。
今は何でしょうね…「Subscription Killed the CD Store」とでもいう感じでしょうか…。
かくいう私は、まんまとその潮流に乗っている訳です。まだちょっと早いかもしれませんが、終活の準備という事で、これ以上物を増やさないように心がけています。