この数年、YouTubeで観られるライヴ映像に、ハマりにハマったのが、このGenesis Piano Projectです。
Angelo Di LoretoとAdam Kromelow, 二人のピアニストによるユニットで、これまではライヴとYouTube配信で活動してきました。
そんな彼らですが、遂にフル・アルバムがリリースされました。
収録曲はもちろん全曲Genesisのカヴァー。2nd「侵入」から7th「静寂の嵐」までの楽曲から選曲されています。
Apple Musicでは10/10にフル・アルバムの配信がスタート。その少し前には「サルマシスの泉」が先行配信されていました。
The Fountain of Salmacis
レコーディング場所はなんと!
Genesisのオリジナル・メンバーが、学び育った寄宿制学校「Charterhouse」にて実施されたとの事です。YouTubeで数曲、その様子を観る事ができます。
Firth of Fifth / Supper's Ready
Stagnation
YouTubeでしか体験できていませんが、彼らの魅力はライヴと思っていました。
オリジナルへのリスペクトが強く感じられる、最小限のアレンジによる再現力、きらびやかなのに邪魔にならない高い演奏技術による装飾。そしてライヴならではの胸アツなドライヴ感と、二人の阿吽の呼吸には舌を巻くばかりでした。
彼らの神髄はライヴにある、と思うのは今も変わりありませんし、今回のアルバムもオーディエンスが居ないだけで、ほぼライヴなのだとは思います。
ただやはり、スタジオ録音と同義の作品として制作したのでしょう。いままで公開されていた映像での演奏に比べると、よりきっちり纏めてきた印象があります。
ただそれは全く悪い意味ではありません。
1曲1曲に、一音一音により没入できる仕上がりになったように感じます。
彼らの音楽を聴いていると、Genesisの音楽性の高さを再認識させられますし、ピアノ曲になっても全く違和感なく、すんなりと耳に、心に入ってくるのを感じます。そして特に、Tony Banksの作曲能力の高さに唸らされます。
Genesisは、特にプログレ期にあってはPeter Gabrielの圧倒的存在感や、今もその音楽を継承し続けているSteve Hackettの存在にスポットが当たりがちです。それは勿論間違いではないですし、私もメンバーのソロ・キャリアに関してはPeterとSteveばかり追いかけてきました。
GenesisのピアノカヴァーはGenesis Piano Projectだけでなく、さまざまなピアニストによってリリースされてきましたが、それらを聴いて改めて思ったのは「Tony Banksすげー!」でした。彼の才能があったからこそ、ピアノ曲としても受け継がれ続けているのだなぁ、と思います。
最後に、彼らの演奏の中でも白眉と思う、イタリアでのライブ映像を貼って締めにしたいと思います。
Cinema Show (Pt.2)
0 件のコメント:
コメントを投稿