2016年8月10日水曜日

タッピングのパイオニアは誰?

Vittorio Camardese ospite a "Chitarra Amore Mio" (RAI-1965) LA NASCITA DEL TAPPING


私はずっと、ポピュラー音楽界でのタッピング奏法を、いち早く「音楽的に」取り入れたのはSteve Hackettその人だと思ってきました。
かつて読んだインタビューでも、本人がそう自負しているコメントを何回も見かけました。
バッハの音楽から着想を得た、Tony Banksのキーボードと対等以上に渡り合うために発明した、という具体的な話もありました。
また、大昔に読んだ音楽雑誌では、GenesisのライヴにEdward Van Halenが足繁く通っていて、彼がSteveの演奏を見ていた、という記事も目にした覚えがあります。

ただ掘り下げていくとキリがなく、最終的にはクラシック・ヴァイオリン/ギターの超絶技巧演奏家にして作曲家のパガニーニ(18~19世紀)が、既に演奏に取り入れていたとも言われています。

今回、探すつもりでもなく、たまたま辿り着いてしまったこの映像。1965年の撮影だそうです。イタリアのジャズ・ギタリストで、ガット・ギターでタッピングをしています。

しかも初期Steve Hackettのような単弦のアルペジオではなく、チャップマン・スティックを操るがごとき右手の華麗な指さばき。
ディシプリン期のKing Crimson、Tony Levinの演奏を思わせるような、無機的、幾何学的なフレーズを、文字通り叩き出しています。

もはやタッピングなんて今更どうこういうほどでもない、ポピュラーなテクの一つではありますが、遡っていくと「歴史に埋もれた才能」というのは、ひょんなところから出てくるものだなぁとつくづく感じました。


余談ですがこの番組、最後にインタビューアが先に立ち去り、演者を置き去りにしています(笑)。ギタリストも、見ているこっちも「お前が去るんかい!」とツッコミたくなる終わり方をしています。

2016年7月24日日曜日

YES ft. Peter Gabriel - Watcher Of The Skies


【2021年追記:こちらはタンジェントというバンドのFake! 悪ふざけと判明しました💦】 

Yes & Peter Gabriel!!しかも1970年のWatcher Of The Skies!!
いやー、こんなコラボ・セッションがあったなんて知りませんでした!
Musical Brick という、Genesisのメンバーや時期ごとのコスプレをLegoで再現(!)するという、ステキすぎる集団がいるのですが、そのFacebookに投稿されたYoutube音源で初めて知りました!!
おそらく、Yes, Genesisの両バンドを知り尽くしていらっしゃる方からすると、「何を今更」なんでしょうけれど、私はどちらのバンドも30年以上好きなのに、恥ずかしながら知りませんでした。

Musical Brickの投稿と、Youtubeにアップされていたテキストから読み解くと、幾つかの貴重な情報を得られました。

1)フランスのTVでのスタジオ・ライヴ。

2)ジェネシスの学校の先輩で、1stのプロデュースをしたジョナサン・キングの計らい。

3)1970年のセッション!
 ゆえにWatcher Of The  Skiesが収録される「Foxtrot」より2年も早く出来ていた。
 Genesisは「Trespass」前後? 
 Yesは「Time And A Word」直前くらい?

5)Yesはオリジナル・メンバー期!
終演後のアナウンスで「Jon Anderson, Chris Squire, Peter Banks, Tony Kaye and Bill Bruford〜」と紹介されていますね〜。

音は正に1st〜2nd時のYesそのものです。
クリスのベースがぐいぐい前に出て、トニーのオルガンがキラッと光る。そして、黄金期に比べると、稚拙な勿体づけがちょっと目立つ(笑)。
Jon Andersonは紹介されているけど、何にもしていないような気がします。
もしかしたら、軽くコーラスでも付けているのでしょうか...

意外すぎる取り合わせに、本当に驚きました。
歴史に埋もれた奇跡って、思わぬところで知ることになるんですね!




2016年7月5日火曜日

2016年11月 Yes 来日決定!

噂は立っていましたが2年ぶり、Chris Squireが亡くなって初めての来日公演が決定しました。前回も11月末でしたから、本当に丸々2年ぶりの来日ですね。

(特に海外の)Yesファンの間では、Jon Andersonお得意の謀反ユニットARW、(Anderson Rabin Wakeman)が話題を呼んでいますが、私はChrisに託されたこちらのYesを断然支持したいと思います。誰がトリビュート・バンドじゃい!
かといって、もしもARWが来日となれば、それはそれで行ってしまいますが(笑)。

今回のセットリストは、欧米ツアーの「海洋〜」からのA&D面と「DRAMA」...だったらなお良かったのですが、「DRAMA」が外れて「Yessongs」からの抜粋ときたもんです。
「海洋」は個人的にはアルバム・ジャケット(LP)のアートワーク以外は失敗作だと思っているので、コンセプトを主導したJon Andersonがいるならまだしも、このラインナップでは演る意味がないように感じます(当時、創作の片腕だったSteve Howeはいますけど...)。特に「神の啓示」のイントロ、読経のようなポエトリー・リーディングの部分、あれはAndersonじゃないと、と思うワケです。
そして他がYessongsからとなると、いつものクラシックセットじゃん、と。
「DRAMA」と「Yessongs」だったら最高なんですけどね。

今回の参戦は、ちょっと静観しようかなという気分でいます。
追加公演が出たら、最終日だけ狙ってみたいと思います。

やっぱり仙台から毎回、東京に帰って宿泊して、というライヴの見方は、経済的にも精神的にもキツいです。それ自体はとても楽しいのですが、仙台にいる嫁さんや義父母の目が...

家とローンがなければ、今すぐにでも北国を出たいと切に感じている今日この頃です( ´Д⊂ヽ

2016年6月27日月曜日

Christopher Russell Squire Passed away, One year ago...



6月27日はChris Squireの命日。早いもので一周忌です。
Yesのベーシストにしてリーダー。リッケンバッカーの硬質で、そして高音域を多用したベースの音色で、楽曲をぐいぐい牽引し、バッキング・ヴォーカルでもJon Andersonとの絶妙のハーモニーを聴かせてくれる、Yesというバンドにとっては欠かせない魅力を持った人でした。

90年代くらいまではYes一筋、結成から一貫してYes関連以外の活動はありませんでした。
1975年のソロ・アルバムもメンバー全員がリリースする企画モノでしたし、「DRAMA」解散後のXYZ(JimmyPageとのプロジェクト)も、Cinema(90125Yes再結成の前身)も、それ自体として具現化はしませんでした。
あ、同時期にAlan Whiteとの共同名義でクリスマス・シングル「Run With the Fox」を出しましたね。あの曲は私の中では、一番のクリスマス・ソングです。


以前も書かせて頂きましたが、ChrisのYesでの最後の作品「Heaven and Earth」は、残念ながら非常に残念な出来なので、今夜はSteve Hackettとのコラボ「Squackett」を聴こうと思います。

それにしてもSteve Hackettは優しい人だなぁ。
最近ではKeith Emersonの死にもすぐにコメントを出し、トリビュート・コンサートにも出演していました。
John Wettonが病床にいれば、快方に向かった際にわざわざ自分のFBで報告してくれました。
今日もChrisの一周忌であることをFBでお知らせしていました。

ChrisはYes一筋でありながらも、同世代、後輩たち多くに慕われ、Steve Hackettはそんな人たちに惜しみなく敬意を払い、友情を築く。また、後世代との共演や起用も積極的に行動し続けています。
Squackettの絶たれてしまった将来、楽しみでした。


2016年6月14日火曜日

ARW...? 頑張れAlan White & Steve Howe組


Anderson Rabin Wakeman...
既にそんなに新しくない情報ですが、触れないわけにはいきません。
これは本家Yesとはどういう関係性を持っているんでしょう?
Roger Deanがイラストを描いているということは、Yes公認なのかな?
まぁ、そんなことはなさそうな気がしますが...

1989年のABWHは当時、とても素晴らしい再結成に思えましたが、結局は短命に終わり、Yes本体もその後ごちゃごちゃした挙句に90125のラインナップに戻るという、身も蓋もない収束を見せ、私個人としてはとてもがっかりした記憶があります。

その際、次作では90125のメンバーにRick Wakemanも加わるという情報がありましたが、結局それは実現せずに「TALK」が完成。
当時はTrevor RabinとRick Wakemanが意気投合して...という話でしたが、スケジュールだか契約上の問題だかで、かつてないラインナップでの始動は夢と消えました。

今のYesが一部でトリビュート・バンドと呼ばれてしまうようになったのは、やはりChris Squireの死が大きいと思います。Jon Andersonは確かにVoice of Yesと呼ばれていますし、それに異論は全くありませんが、Chrisの存命中はJonの不在で評判が悪かろうが、彼さえいればそれでYesだったのですから。

今のYesでChrisの遺志を継いでいるのはAlan Whiteでしょう。Steve HoweはYesというバンドには愛があるのでしょうが、長年の仲間である筈のこのリズム隊との友情は、正直あまり感じられませんし、気を許しているのはおそらくGeoff Downesくらいなんじゃないでしょうか。

AlanはChrisにYesを続けるように言われたという趣旨の言葉を、Chrisの死後にコメントしていました。彼は今の状況に苦しんでいるような気がします。
彼はどちらかといえば現バンド・メイトのSteve HoweよりTrever Rabinに、友情やChrisへの想いという部分でもシンパシーを感じている筈です。
でもChrisの遺志を尊重し「このYes」を存続させなければならない。

正直なところ、Chris Squireへの想いという点でYesを再編するなら、今回の新しいARWに、Alan White、Billy Sherwoodが加わるのが、妥当な気がします。

本来であれば、現YesにJon Anderson, Rick Wakemanがそのまま再加入さえすれば、それでスッキリしますが、Steve Howeの存在が実に厄介な気がします。
Alanと一緒にYesをやりながら、直接じゃないにしても「Bill Brufordの方が良い」と言ったり、Chris逝去時のコメントも少しの友情も感じられないようなアッサリ感がモロに出ていたり。
これは単なる余談ですが、Keith Emersonが亡くなった際にも、同世代、影響を受けた後の世代かかわらず多くのコメントが寄せられましたが、過去に一瞬にしろバンドを組もうとした相手に何のコメントも出さなかったSteve...

私はSteveのファンとして、最近とみに感じられるこのような人格や(勿論、表に出ていることが全てとは思いませんが)、Yesにしろ脱退したASIAにしろ、バンドメイトとの関係性に、不安と落胆を禁じえません。

Yesのマネージャーは今もブライアン・レーンなのか知りませんが、Steveはかなり前からメンバーとの関係性よりも、マネジメントの言いなりのような気がします。(DRAMA解散からASIA, GTR, ABWH, UNIONまでの流れも含め)

Chris最後の作品となった「Heaven & Earth」は正直、退屈極まりない作品でした。
ARWという強力な刺客がYesをどう引っ掻き回してくれるのか、Chrisへの想いを強く持つJon AndersonとTrever Rabin, そしてRick Wakemanの作る音楽、またはライヴ...私自身はそれもまた複雑な思いではありますが、楽しみにしたいと思います。

私の本心は、トリビュート・バンドと揶揄される本家には、Jon Andersonお得意のお家騒動に惑わされずに頑張って欲しいですし、可能であれば「Heaven & Earth」という駄作を忘れさせるくらいの新作を創って欲しいです。
AlanとSteveが結束を強められることを、心から願います。

2016年5月28日土曜日

20160522 Progressive Rock Fes at 日比谷野外音楽堂 Camelはスゴかった!!

開演前、みんな日影に隠れて客席はまばら。夏日でした!
前日CITTA'川崎でのSteve Hackett単独公演に続き、22日は野音でのフェス!
CITTA 'に続き、撮影禁止...最近の多くの来日公演では、スマホでの写真くらい撮らせてくれるもんですけど、プロモーターの意向だとすると考えが古すぎですよね。
まず間違いなく、アナウンスにある「アーティストの意向」ってのはないと断言できます。Steve Hackett 2013年の来日公演以降のセットリストの変遷は、YouTubeで殆ど分かったし、それらはOfficialで紹介されたりしていますからね。

宿を川崎から赤坂に移して、チェックイン前に重い荷物だけ預け、朝からちょっと都内を散策。本当に不思議なもので、関東に住み、東京で働いていた頃には全く興味を持たなかった街が、今になってとても魅力的に感じ、帰省の度にいろいろ歩き回りたくなってしまいます。

仙台でのサミットや伊勢志摩でのG7という政治イベントが重なっていたので、都内のあらゆる場所が厳戒態勢。赤坂から日比谷に向かうまでは、永田町界隈を抜けていくので、数十メートルごとに警官がいるようなありさま。カメラをぶら下げていたので一度だけ「観光ですか?」と声をかけられましたが、幸い職質を食らうことはありませんでした(笑)。
オノボリさんです(笑)お巡りさんがいっぱいいました。
日枝神社。エスカレーターがあるのに階段で昇って筋肉痛
神前式日和でした。
日枝神社など適当に寄り道をしつつ、2時すぎくらいに日比谷公園に到着。永田町には何にも食事処がないので、出がけに赤坂で飯を食っておけば良かった...と後悔しつつ腹を空かしていたら、ラッキーな事に日比谷公園でビアフェスタを開催しているではありませんか!
ジョッキ1杯と、シュリンプ&チップスでなんとか腹を満たして、いざ野音へ!
恵みのビアフェスタ!このおかげで腹と喉を潤せました!
鳩に狙われるワタシの飯(笑)
入場の列がかなり長くなっていて、なおかつ開場時間になっても進まないので、脇にそれて木陰でのんびりしつつ入場。

ステージの中央にはRoger Dean書き下ろしのイラスト幕がドーンと垂れていましたが、正直なところ、このメンツでRoger Deanの絵はあまり似合わない気がしました。Yes主催の「Cruise to the Edge」という、クルーズ船のプログレ祭も彼の絵が使われてますから、まぁちょっとした賑やかしでしょうかね。
会場後方の日陰を探してチンタラしていたら、開演10分前にいきなり轟音が響き渡りました。Opening Actの原始神母がプレイを始めました!
トリビュート・バンドは全く明るくないのですが、彼らの演奏にはいきなり圧倒されました。
2人の女性コーラス、全曲には参加しない男性ヴォーカルも含めると8人編成。
覚えているところでは「One of These Days」からスタート、数曲挟んで「Time」「The Great Gig in the Sky」そして大曲「Atom Heart Mother」でシメ。そんな流れだったと思います。
ちょうど陽が傾き始めたタイミングで、ステージからはスモークが焚かれていた事もあり、なかなか良い雰囲気が演出されて、会場もかなりあったまった感がありました。

機材の入れ替えで20分前後のインターバルが入り、次はSteve Hackett。準備中から管楽器担当のRob Townsendがずっとステージに上がって準備していましたが、殆ど誰も気づかず(笑)。
2番手で、翌日は大阪公演、ということから想像するに、CITTA'とは違うセトリになるんだろうなと予想していたら、やっぱりほぼ半分くらいの短縮版になっていました。
ソロ曲は新作「WolfLight」から3曲、「Loving Sea」の曲紹介の時には、客席の左隅に立っていた奥様のJo Hackettさんを「My Darling Jo Jo」と紹介していましたが、こちらもあまり伝わらなかったのか、盛り上がりはイマイチ。
演奏は全く文句はありませんでしたが、私の場合はどうしても前日との比較になってしまうので、この日は「こんなもんか...」という感触でした。
「Firth of Fifth」の終演後、会場内は大盛り上がりでアンコールも求められましたが、この日はあっさり終演となりました。

私の一番の目当てがSteve Hackettで、そのパフォーマンスが、フェス用のショート版で肩透かしだっただけに、大トリのCamelには想像以上の感動がありました。
Camelも単独公演のショート版だったようですが、私はそちらには足を運べませんでしたので、Camel入門として最高のパフォーマンスを魅せてもらったと感じました。
なんと言っても長身のAndrew Latimer、彼のパフォーマンスが最高でした。
そして現ラインナップでは一番の古株、Colin Bassとの掛け合いも息が合っていて楽しげで、その良いムードが客席にも伝わってくるようでした。
Gibson Les PaulとVOXアンプの組み合わせの彼のギター・サウンドは繊細にして極太、そしてブルーズ・フィーリング溢れるフレーズの数々がいちいち琴線に触れて、少年期にFMで耳にした程度の曲でも「ヤベー!カッケー!!」となってしまいました。

比較は良くないですが、サスティナーのためにフェルナンデスのレスポール・タイプに乗り換えたHackettのギターより、音色も、演奏の自由度も、貫禄も、勝っていたように思います。
HackettもGibsonに戻るべきだと思ったくらいです。
Camelは「Snow Goose」と「Mirage」が愛聴盤ですが、その他はほぼ知らないという、うつけ者です(笑)。
今回、彼らのライヴを体験できたのを機に、ちゃんと聴かなくては!と気持ちを新たにしました。

会場では鳥のさえずりが漏れ聞こえ、揚羽蝶や蜻蛉が飛び交い、演目の進行と共に陽が沈んでゆくという、Fesならではの独特の雰囲気を体験できました。
演奏中はさすがに撮影できませんでした(泣)
すべての演奏が終わった直後。
最後にステージの近くまで寄って、お片付けのシーンを...

2016年5月22日日曜日

20160521 Steve Hackett at Club CITTA' Kawasaki

3年ぶりのSteve hackett来日公演!
ホールは立ち見もキツキツに出るほどの満員御礼。急遽、日比谷野音のフェスが入ったとはいえ、東京1 Dayはさすがに足りない!と思えるほどの盛況でした。

CITTA'でのライヴはいつも完全に撮影禁止。最近では珍しい厳戒態勢。アナウンスでは「アーティストの意向により」って言ってるけど、CITTA'側の意向でしょ。FaceBookのSteve Hackettオフィシャルアカウントや、公認のサポート・アカウントでは、オーディエンス録画のYouTube映像ががんがんシェアされてますからね(笑)。動画は撮らないからせめて写真は撮らせて欲しいなぁ...

今回は途中で20分の休憩を挟んでの2部構成。ソロ曲とGenesis曲を分けてやるんだなぁ...と開演前に思いました。まあ、あそこにいた多くの人がそう思ったことでしょう!

Openingはいきなり「Spectral Mornings」嗚呼!!私はこの曲のライヴ演奏を長年待ち望んでいました(涙)。しょっぱなからですか!
ソロ曲の第一部は、1st、2nd、3rd、からの曲を、最新作の「Wolflight」に織り交ぜた、超充実の内容でした。クライマックスは「Star of Sirius」「Ace of Wands」「Shadow of the Hierophant」のメドレー。ソロのレパートリー、Genesisの曲に全く負けてない!
最新作のWolflightでも顕著ですが、'80年代中期頃から導入しているアラビアン/中近東風のエスニックな音楽性が、非常に良いスパイスを効かせています。そして以前と明らかに違うのは、例えばイントロが非常に暗澹としていても、どこかに必ず明るい希望が見えること。元奥さんのキム・プーアが描く、瞳のない顔とは決別したような、そういう印象を抱かせます。

休憩を挟んでの第2部は「Genesis Revisited」。しかも前回とはかなり演目を変えてきました。Foxtrotからは「Get 'em Out By Friday」「Can-Utility and the Coastliners」と、泣かせるような渋い選曲。
Selling England〜からは「Cinema Show」!この時、残念だったのはNick Beggsのダブル・ネックが不調を来して、音が出なくなってしまったこと。私は2階席だったので、その様子がはっきりと見えてしまい、そっちが気になって完全にRoger Kingのキーボード・ソロ・パートを聴き損ねてしまいました(泣)。

間髪入れずに「Lamb Lies Down on Broadway」へとなだれ込み、本編のラストは「Musical Box」で大団円。3年前も感じましたがこの曲は鉄板ですネ!
アンコールは「Dance On a Volcano」「Firth of Fifth」。
嗚呼...最高です...。

Genesis Revisited Tourで、日本公演の後に他国で演奏された「Return of the Giant Hogweed」「The Knife」「The Fountain of Salamis」「Lilywhite Lilith」といった曲も期待していましたが、それらを差し引いても最高のライヴでした。

やっぱり私が一番盛り上がってしまうのはSteve Hackett、その人なんだなぁと改めて実感した至福の時間でした。

今日はCamelとの日比谷野音フェス!こちらも楽しみです。

5/25 セットリストをアップしました!

- Setlist -
Solo set
1.Spectral Mornings
2.Out of the Body
3.Wolflight
4.Everyday
5.Love Song To A Vampire
6.The Wheel's Turning
7.Loving Sea

- Introducing Members

8.Icarus Ascending
9.Star of Sirius
10.Ace of Wands
11.A Tower Struck Down
12.exerpt from, Shadow of the Hierophant

- Interval 20 min
Genesis Classics
13.Get 'em by Friday
14.Can-Utility and the Coastliners
15.Cinema Show
16.The Lamb Lies Down on Broadway
17.The Musical Box

- Encore

18.Dance on a Volcano
19.Firth of Fifth

2016年5月21日土曜日

いよいよ明日、Steve Hackett御一行様と再会です。

これまでに自分自身として書かなくてはいけない記事がいくつかありました。
David Bowie, Keith Emerson, Princeの死...
そしてライヴ体験では、わざわざ東北まで来てくれたTOTO、Deep Purpleについても書かなければなりません。

それらを少し差し置いても、いま書きたいのは明日のSteve Hackett 3年ぶりの来日公演、そしてCamelとのジョイントで行われる日比谷野音でのフェス!

送られてきたチッタのチケット、2階席となっていましたが、あそこ2階なんてありましたっけ?
改装でもしたのかな...それにしたって遠いなぁ。せめて川崎は2~3 Daysやって欲しかったなぁ。

僕が彼のライヴ体験をするのは、今回が3回目。過去2回は1996年、2013年といずれもGenesis Revisited時だったので、ソロワークについてはほぼ未体験です。
1996の時はソロ曲をメドレーで軽く流すようにやっていましたが、Hackettのソロ公演というよりオールスター的な人選/選曲で、クリムゾンやエイジアまでやっちゃって、ん〜という感は拭えませんでした。
2013年は怒涛のGenesis再現に凄まじい感動がありましたが、ソロ曲もいつかライヴで聴きたいと願っていたので、今回は今回で、また特別な思いがあります。

Camelも聴き込まねば!
Snow GooseとMirageくらいしか、まともに聴いていません(この2枚は愛聴盤ですが!)

2016年3月16日水曜日

訃報が続きますね

デイヴィッド・ボウイ、キース・エマーソンの訃報は非常に大きなショックで、このブログにもアップしなければと思っていました、がなかなか筆が進まず...

その他にも私の明るくないところでは、モーターヘッドのレミー・キルミスター、イーグルスのグレン・フライ、そして名プロデューサーのSir.ジョージ・マーティンと、年末から2016年初頭にかけて、多くの音楽界の重要人物が天国へ旅立ってしまいました。

デイヴィッド・ボウイとキース・エマーソンに関しては、後日改めてそれぞれについて想いを綴りたいと思います。

逝ってしまった皆さんが、天国で素晴らしい音楽活動を続けることを祈って...