今更ながら、Can, Neu!, Faustの音楽に触れ、衝撃を受けている。
'90年代初頭にThe Jusus and Mary ChainやMy Bloody Valentineなどを聴いた時に感じた、ノイズと反復リズムが織りなす陶酔感は、なんと!その20年前には既にドイツで提示されていた。
僕が最初にドイツのロックに触れたのは、もう20年近く前になると思う。
確か輸入レコード店で、Canの「Ege Bamyasi」のCDを買ったのが最初だった。
しかしその出会いは、不幸なものだった。タイミング...
今で言うクラウトロックは、その当時は「ジャーマン・プログレ」というような紹介のされ方が一般的だった。いずれにしてもどっちも既に過去の遺物ではあったが、当時ブリティッシュ・プログレに血道を上げていた僕には、「Ege Bamyasi」はそれらと同列にして聴ける類いの音楽ではなく、すぐに棚の肥やしと化して、それ以来この2012年まで全く聴く事がなかった。当時の僕の頭にあった「プログレ」という規格・様式の外の音だった。
そしてその1枚きり、ドイツものはKraftwerkでさえも、聴く機会がなかった。
その後、僕はCDショップで働いていた関係上、1ジャンル(しかも形骸化した)に固執するワケにもいかず、当時流行った前述の英インディーズや米オルタナティヴ、それらのルーツとなったVelvet Underground、Lou Reed、The Stooges、グラム・ロック、NY & UKパンク、その他いろいろヘビメタ以外は極力偏食せずに聴くようになった。
今はCDショップの職も辞して10年以上になるので、新しい音楽に貪欲になる事もないが、ハッと思い立って未聴のジャンルに少し手を伸ばしてみると、たまに想像以上の感動や衝撃に出会う事もあり、それが楽しい。
以前、受け入れられなかったCanをはじめとして、60末~70年代ドイツの音楽にこうもハマれたのは、かつてCDショップ店員として商品知識を掘り下げていった経験が大きいと思う。
ずっと英プログレだけの頭のままだったら、僕はクラウトロックを理解できなかった。
クラウトロックは、言葉として矛盾している「プログレというジャンル」には決して収まらないし、その音からはむしろVelvet Undergroundと同様に、パンク / オルタナティヴ、またはクラヴ・ミュージックの祖としての大きな存在感が感じられる。
そして2チャンネル録音や、テープコラージュ、回転数の上下で曲を使い回すなど、ロー・ファイな制作環境・手法を取りながらも、既に40年経った今も斬新に聴こえる音楽たち。
彼らはみんな時代を数十年先取りしていたし、天才だったに違いない!!
Neu!のオープニング・ナンバー「Hallogallo」の、ちょっとワウを効かせたギターの気持ち良いカッティングは十数年前、スティーヴ・ヒレッジ率いるSystem 7に、印象的にサンプリングされていた。その曲「Interstate」は当時大好きでよく聴いていたが、こんなに時を経てから元ネタに出会うとは。。。
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