2012年10月27日土曜日

ASIA

先日BSの伊藤政則の番組で、ASIA特集が放送された。オリジナル・メンバーで再結成されたのは喜ばしい事だし、できるだけ長く頑張って欲しいと思っているけど、再結成後のアルバムは殆ど聴いていない。(鳥と虎は買いました)
僕にとってのASIAはALPHAまで。ASTRAも'85年当時はかなり聞き込んだけど、その後まで長く繰り返して聴ける作品ではなかった。

だからジェフだけ残って、なんだか分からなくなってからの作品群は全くノータッチ。
それがオリメンに戻ってようやく霧が晴れたような気分ではあるけれど、どうも僕自身が若かりし頃のように夢中にはなれず、二歩も三歩も引いたところで傍観しているような今日この頃です。

そんな状態で見た冒頭のテレビ。凄い4人が集まっているのに、どうも盛り上がらない。
横で見ていた嫁さんは、もちろん彼らに関する知識もなく、いろいろ茶々を入れてくる。

「この人はバック・トゥ・ザ・フューチャーのドクでしょ?」= スティーヴです。

「お爺ちゃんのニオイがしそうだね」=スティーヴです。

「前歯がスキッ歯だね。大きいイボもあるね」=スティーヴです。

「トップギアの人?(きっとジェイムズ・メイ)」=ジェフです。

「眉毛が離れているね」=カールです。

「ナニ人? デカイから米人かと思った。英人には見えない」=ジョン & ジェフです。

ライヴ映像を見て
「(僕が)行きたいって言ってたけど、行かなくて良かったね」
(確かにスカスカの音で、ライヴならではの疾走感も無いように聴こえました・・・)

合間にはファースト・アルバム限定BOXのCMが何度となく挿入され・・・。
「このジャケさぁ・・・ダサいよね?」

僕の中では今まで「あのロジャー・ディーンの作品」という頭しかなかったので、これまでこのアートワークがダサいという考えに及んだ事がなかった!

「ロゴもさぁ・・・ん〜、なんかテトリスみたいでダサいよね?」

ええ!!テトリスのロゴもロジャー・ディーンですから!!

「え〜そうなの!?、アタシ凄くない?」

ええ、ええ、スゴイですね。

確かに映画「40歳の童貞男」の部屋にも、あのドラゴン・ジャケが額縁入りで飾ってありました。ダサさの象徴なんでしょうかね。

ライヴには行かないし、新作もあんまり聴かないけど、僕にとっては「詠時感〜時へのロマン」は忘れられない名作です。CMの限定BOXもかなり前に予約しました。
そういう形で彼らを応援していきたいと思います。


2012年10月12日金曜日

Krautrock初体験!

今更ながら、Can, Neu!, Faustの音楽に触れ、衝撃を受けている。


'90年代初頭にThe Jusus and Mary ChainやMy Bloody Valentineなどを聴いた時に感じた、ノイズと反復リズムが織りなす陶酔感は、なんと!その20年前には既にドイツで提示されていた。

僕が最初にドイツのロックに触れたのは、もう20年近く前になると思う。
確か輸入レコード店で、Canの「Ege Bamyasi」のCDを買ったのが最初だった。

しかしその出会いは、不幸なものだった。タイミング...
今で言うクラウトロックは、その当時は「ジャーマン・プログレ」というような紹介のされ方が一般的だった。いずれにしてもどっちも既に過去の遺物ではあったが、当時ブリティッシュ・プログレに血道を上げていた僕には、「Ege Bamyasi」はそれらと同列にして聴ける類いの音楽ではなく、すぐに棚の肥やしと化して、それ以来この2012年まで全く聴く事がなかった。当時の僕の頭にあった「プログレ」という規格・様式の外の音だった。
そしてその1枚きり、ドイツものはKraftwerkでさえも、聴く機会がなかった。

その後、僕はCDショップで働いていた関係上、1ジャンル(しかも形骸化した)に固執するワケにもいかず、当時流行った前述の英インディーズや米オルタナティヴ、それらのルーツとなったVelvet Underground、Lou Reed、The Stooges、グラム・ロック、NY & UKパンク、その他いろいろヘビメタ以外は極力偏食せずに聴くようになった。
今はCDショップの職も辞して10年以上になるので、新しい音楽に貪欲になる事もないが、ハッと思い立って未聴のジャンルに少し手を伸ばしてみると、たまに想像以上の感動や衝撃に出会う事もあり、それが楽しい。

以前、受け入れられなかったCanをはじめとして、60末~70年代ドイツの音楽にこうもハマれたのは、かつてCDショップ店員として商品知識を掘り下げていった経験が大きいと思う。
ずっと英プログレだけの頭のままだったら、僕はクラウトロックを理解できなかった。
クラウトロックは、言葉として矛盾している「プログレというジャンル」には決して収まらないし、その音からはむしろVelvet Undergroundと同様に、パンク / オルタナティヴ、またはクラヴ・ミュージックの祖としての大きな存在感が感じられる。

そして2チャンネル録音や、テープコラージュ、回転数の上下で曲を使い回すなど、ロー・ファイな制作環境・手法を取りながらも、既に40年経った今も斬新に聴こえる音楽たち。
彼らはみんな時代を数十年先取りしていたし、天才だったに違いない!!

Neu!のオープニング・ナンバー「Hallogallo」の、ちょっとワウを効かせたギターの気持ち良いカッティングは十数年前、スティーヴ・ヒレッジ率いるSystem 7に、印象的にサンプリングされていた。その曲「Interstate」は当時大好きでよく聴いていたが、こんなに時を経てから元ネタに出会うとは。。。