2011年6月22日水曜日

YES / FLY FROM HERE


iTunes Storeで予約をし、先ほどDownload。
日本は先行発売なんですね。

Yesは1990年代中期頃から、メジャーグループの枠組みから外れ始めたように思う。
新作はチャートに入らず、レコード会社はマイナーレーベルを転々とし、21世紀に入ってからは新作発表もままならない、マニアックな懐メロ・ライブ・バンドになってしまったように見えた。

そうなってしまう直前の97年「Open Your Eyes」99年「The Ladder」2001年「Magnification」といったスタジオ作品は、どれも高いクオリティを持った秀作揃いだった(OYEは評判悪いようだけど、僕は好きです)。

スタジオ前作「Magnification」からは、実に10年ぶりとなる「Fly From Here」。
その間いろいろありましたが、僕より詳しい方が沢山いらっしゃるでしょうから割愛。

それにしたって、ジョン・アンダーソンが抜けて、スティーヴ・ハウが復帰したエイジアとライヴ・ツアーを共にしたからって、この期に及んでバグルズの2人をまたまた担ぎ出すとは!
僕は「DRAMA」はYesのBEST 3に入れたいくらい好きなアルバムなので、今回のラインナップは嫌いじゃありません。嫌いじゃないけど、本当に「Yes」の名の通り何でもアリなバンドなんですね・・・。

DLした音楽ファイルにはコンポーザーや歌詞など細かいデータが全くなかったので、アメリカのWikiを見てみた。
多くの曲がトレヴァー・ホーン/ジェフ・ダウンズの作とクレジットされていて、クリス・スクワイアとスティーヴ・ハウのクレジットが少々、全員の共作がラストに1曲という具合。
きっと80年/81年のイエス最初の解散時に、ニューアルバム用に準備していた素材、またはバグルズで再生しようとした素材を、やっと形にできるタイミングが来たのだろう。
ここのところパーマネント・メンバーとして頑張っていたリックの息子オリバー・ウェイクマンも、新作の素材を理解してジェフ・ダウンズにその座を譲ったのかもしれない。

前回のエントリーでは新曲を聴いた感想として「新ヴォーカル、ベノワの声はジョンよりトレヴァー似」と書いたけれど、改めてアルバムを通して聴き、バックグラウンドを理解するにつれ、彼は今作で意図的にトレヴァー声にしたのか!と気付いた。
また、ところどころ、トレヴァー本人もバッキングで唄っているようだ。

それにしてもあのヒットメーカー、トレヴァー・ホーンのプロデュースでも「90125」「Big Generator」とは全く違う。
時代も違うし、もうしゃかりきになって身の丈に合わない音楽をやる必要もないのだろう。それはバンドだけではなく、トレヴァーにとっても同じだったのだと思う。

重厚でいて暖かく、暖かいのにクールな無機質感もあり、Yesは時代にそぐわなくなってもダサさを感じさせない音楽を作る。
ASIAやスティーヴのソロはダサくなる事もあるのに不思議だ。Yesの看板おそるべし。
(アランのドラムは時に朴訥すぎて、それが退屈に聞こえる事もあるけれど。彼はビル・ブルッフォードとの比較なしにしても、もっといろいろ持ってるハズ)

追記、
スティーヴ作の「Hour of Need」は良いですね。
ベノワの高音、スティーヴの低音でユニゾンで唄っていますが、ノスタルジックで牧歌的な暖かさを感じます。スティーヴ単独の歌は正直聴くのが辛いけど、ASIA「One Step Closer」やこの曲のように2声ハーモニーではとても味わい深くなります。
「Your Move」「Wonderous Stories 」のようなアコースティック・サウンドも、より深みを増して素敵です。
BTのフルバージョンではエレクトリックな盛り上がりがありますが、僕は断然、通常バージョンが好きです。

2011年6月15日水曜日

YES 新曲とNew Album

We Can Fly (Radio Edit)





シングルは既にリリースされ、アルバムは7 / 1発売予定、iTunes StoreやAmazonなどで試聴できる。


シングル「We  Can Fly」、アルバム「Fly From Here」、プロデュースにトレヴァー・ホーン、キーボードにジェフ・ダウンズ。鏤められたパズルのピースを合わせると、1980年「Drama」後、日の目を見なかったマテリアル/アイディアを2011年に再現・・・という事でしょうか。

数年前のアメリカツアー案で、「Drama」の再現を・・・というのがあったが、ジョン・アンダーソンが脱退し、ベノワ・デイヴィッドという新人をヴォーカルに起用してからは、新作の発表こそ無かったものの、勢力的にツアーを続け「Drama」からの楽曲も積極的に取り上げられるようになっていた。

シングルは'80年当時のDramaツアーでも取り上げられていた「We Can Fly There From Here」のリメイクなのかな。ベノワのヴォーカルはこうして改めて聴くと、ジョンよりもトレヴァーに近い。

アルバムはまだ1曲1分少々の試聴しかできないが、クリスのベースは相変わらず目立っている。そしてスティーヴのアコギ率が非常に高そうで、それがまた繊細で暖かく、味わい深い。スティーヴのギターに、イエスの新作にこんなにドキドキしたのは本当に久しぶりだ。
まぁ、イエスの新作自体が10年ぶりくらいなワケだが・・・。

結局エイジアの新作2作は1~2回通した後、殆ど聴いていないんだよなぁ。
今回のイエスにはエイジアの2人がいるのに、イエスだと面白いけどエイジアだと退屈に感じてしまう。
結局、ジョン・ウェットンとジェフ・ダウンズの曲が僕には響かないのと、スティーヴもエイジアでは楽をして、クリエイティブ提供もギタープレイも手を抜いているのだ。きっとそうだ。