その直後のUnion事変で大きく失望し、「Yesはもういいかな…」と思うようになっていました。(とはいえそう簡単に離れる事も出来ず、Union@武道館には行きましたし、アルバムもずっとフォローし続けていますが) せっかくFragileとClose to the Edgeのメンツ80%が揃って、その上Tony Levinもパーマネントでサポートしていて、次作「Dialogue」も完成間近というのに、
1st「Leasure」の頃は、シューゲイザーのノイズと、ダンサブルなマンチェスター・サウンド(Happy Mondays, Stone Rosesなど)を合わせたような、ウマい音を出していました。 次作「Modern Life is Rubbish」から始まった彼らのブリットポップ期に、Peter Gabriel時代のGenesisと重ね合わせて見る事が多くありました。 中産階級のお坊ちゃまで、賢くヒネていて、意識的に英国臭くしているところとか。フロントマンがイケメンなのにかなりハッチャけてるトコとか、ギタリストが黒縁メガネで演奏がトリッキーなトコとかも(笑)。
My Bloody Valentine / Only Shallow(1991)
シューゲイザーのラスボスが彼らMBVでした(The Jesus and Mery Chainと双頭ですね)。このアルバム「Loveless」は、もはや説明不要の90年代の超名盤。私も発売日に買って、何度も何度も繰り返し聴きました。敢えて一言で説明すると「ギターノイズのウォール・オブ・サウンド」でしょうか。ダビングしたテープを車でかけていたら、同乗していた当時の彼女に「このテープ伸びてるの?」と言われました(笑)。
本作は何故買ったのか全くもって解らないのですが、大当たりだった1枚です。 カナダのハードコア・パンク・バンド5作目。実は彼らも、70年代末から活動を始めています。音楽もビジネスも肥大化した恐竜バンドへのアンチテーゼであったUKパンク勢と異なり、彼らも上記のFaith No Moreも、プログレからの影響を受けているところが実に興味深いです。まぁ大体、見え隠れする要素はヘヴィー&ダークなKing Crimsonなんですけどね。
Chemical Brothers feat. Noel Gallagher / Let Forever Be(1999)
初期Genesisのライヴや未発表音源を編纂するにあたり、90年代まで活躍したTony Banks(key,g), Mike Rutherford(b,g), Phil Collins(vo, ds)に加え、1970年代にグループを去ったPeter Gabriel(vo)とSteve Hackett(g)も一堂に会しました。それがきっかけとなり、名作「The Lamb Lies Down On Broadway~眩惑のブロードウェイ(1974)」から、この1曲がリメイクされました。プロデュースはTrevor Horn。メインボーカルはPeterで、コーラスおよびクライマックスの1節をPhilが担当しています。Genesisはこの時をきっかけに、何度もプログレ期の5人で復活か!? と期待を持たせますが、結局はいつものトリオで2回、大規模コンサート・ツアーをやって終わりました(2007と2021~2022)。でもそれが彼ららしいし、5人で再結成して陳腐になってしまう事を避けているようにも思います。Philも健康問題を抱えて、ヴォーカルはともかく、もはやドラムは叩けないでしょうしね。
シブがき隊を好きでもなんでもなかったのですが、彼らの「Zokkon命」でパクられていると知り、野次馬根性で興味を持った1曲(笑)。当時は家にラジカセしかなかったので、カセットテープでアルバムを買うのが殆どでしたが、何故か本作はレコードで持っています。リアタイでは次作(1983年)からの「(You Can Still)Rock in America」「Sister Christian」の方が、より多く耳に入ってきたのを覚えていますが、その後ハードロックやLAメタルには全く興味が湧かなかった私でした。
The Cars / You Might Think(1984)
カーズはこの少し前の「Shake It Up(1981)」から知っていましたが、80年代を代表するのはやはりこの曲でしょう。凝りに凝って、しかもおバカなMVは当時かなり話題になりました。教室で友達同士でこのアルバム「Heartbeat City」を貸し回ししたのを思い出します。
「Close to the Edge」直後の全盛期、滞在時にJon&Steveで「Tales from Topographic Oceans」の構想を練ったという1973年の初来日時、私はまだ3歳の幼児。それから実に15年もの時を隔てた2度目の来日公演が、私にとっては人生初のライヴ体験となったわけですが、残念な事にかなり記憶が薄れてしまっています。
なんといっても全盛期メンバーの4/5が揃った事、特に「Close to the Edge」をレコードに残したものの、一度もライヴ演奏せずに去ったBill Brufordが戻ってきたのは、私のような若輩ファンにとっても奇跡の出来事に思えました。 Billは正に字義通りのProgressiveを体現するドラマーでしたので、彼が連れてきたTony Levinのサポート含め『ただの懐メロで終わるワケがない』という期待感もありました。
ABWHの既発ライヴ作品「An Evening of Yes Music Plus」は、既知のとおり病欠したTony Levinに替わって、Billのもう一人の盟友Jeff Berlinが参加しています。そのため、フルタイムでサポートしていたTony参加音源の方がレアになってしまっています。 指に長い「とんがりコーン」を装着したり、チャップマン・スティックを駆使した先進的な演奏には、本当に痺れましたし、シモンズのデジタル・ドラム要塞を縦横無尽に操るBillとのコンビネーションも最高でした。