2015年12月14日月曜日

201605 Steve Hackett 来日決定!

King Crimsonのライヴに行ったところ、手渡された広告の束の中に驚きの1枚が!

2013年のGenesis Revisited Tour以来熱望していた再来日、今回はGenesisナンバーに加えてソロ曲も含まれます!!
Spectral Mornings, Everyday, Jacuzzi, Blacklight etc...聴けるのでしょうか??
川崎・大阪 各1公演・・・大阪も行くべきか、悩ましいです。

20151210 King Crimson Live at Shibuya Bunkamura Orchard Hall

開演前のひととき
過去に複数回来日しているKing Crimsonですが、私は今回が初参戦です!
少し前にロバート・フリップの引退宣言がありましたが、その原因となったレコード会社との係争がクリアになったことで活動を再開したと聞き、今回こそは行かねば!と思い立ったのです。
Tシャツは迷いましたが...
個人的な最高作「太陽と戦慄」と、上の2枚に。(Redもカッコよかった!)
1stや今回の「ひとつ目」は、着て歩く勇気がありませんでした(笑)
しかし最近の新作といえば2014年のライヴを収録したミニ・アルバム(未聴)や、本体とはちょっと違うKing Crimson Projekct(未聴)、もう少し遡っても21st Century Schizoid Band(未聴)など、あまり興味をそそられる事がなかったので、今回の再結成がどんなものになるのか全く予想ができませんでした。
事前情報も敢えてシャットアウトしていました。

日中はなんとかもっていた天気が、ホールに到着する頃には雨となり、今住んでいる仙台とそれほど変わらない寒さに。
開場まで呑気に、吹き抜けから見える下のフロアのクリスマス・イルミネーションをボケーっと見ていました。

今回はトリプル・ドラムという編成。もはやこれすらも「変則」という範疇に入らないのでは?と思わせるのはクリムゾンならでは。

メンバーは以下のラインナップ。
ロバート・フリップ(G)
ジャッコ・ジャクスジク(G/Vo)
メル・コリンズ(Wind Instrument)
トニー・レビン(B/Chapman Stick)
パット・マステロット(Drums/Perc)
ギャビン・ハリソン(Drums)
ビル・リーフリン(Drums/Mellotron/key)

クリムゾンのライヴのイメージといえば「古い曲はやらない(やっても『太陽と戦慄pt.2』『Red』くらい)」「即興が多い(特に今回はスタジオ新作がないので、勝手に想像していました)」と思っていましたが...

延々と白玉和音の弦楽のような環境音楽が、癒し空間を演出する開演前のホール内。
時間を少し過ぎて暗転すると、フリップによるアナウンス(テープ?)が流れ、静かにメンバーが登場。
客席からの拍手も実に穏やかで、これまで観てきたどのライヴ(ミュージカルやダンス・パフォーマンスなども含め)とも比較しようのない独特の雰囲気でした。

いきなり!そしてしっとりと「ポセイドンを追って(×のめざめ)」のラスト曲「Peace / An End」でスタート。
デビュー作「クリムゾン・キングの宮殿」から70年代の最終作「Red」までの名曲がふんだんに盛り込まれ、新曲「Meltdown」やドラム・アンサンブル、「Vroom」「Level Five」などの"比較的"新しい曲も丁度良いくらいに挟まれた、正に最高のコンサートでした!

クリムゾンというと、常に真の意味でのProgressを自らに課し、そしてファンも求めてきた、非常に稀有な存在だと認識しています。
その分、1980年代からの後追い世代である私としては、リアルタイムの「ディシプリン」期や'90年代のメタル・クリムゾン期は「普通に好きだし進化を続ける姿も素晴らしい。でも'70年代の名作群ほどではない」と、なんとなくではありますが、思っていたのだと思います。

今回のライヴは例えるなら、ABWHや近年のスティーヴ・ハケットのように、(特に日本では同時代に聴けた人が少ない)往年の名曲を「懐メロ」としてではなく、ダイナミックに再生してくれた素晴らしい機会だったと思います。

ABWHでは、誰もライヴでは聴けなかったビル・ブルーフォードがいる「危機」の楽曲が、クリムゾン組の超タイトなリズム隊によって蘇りました。

スティーヴ・ハケットでは、彼以外は全て次世代のミュージシャンで構成されていながらも、忠実かつラウドに、若々しいサウンドで70'sジェネシスの名曲たちが再現されました。

2015のクリムゾンは、オリジナル・メンバーはフリップのみ(まぁごく初期からそうでしたが)ではありましたが、ブルーフォードより古いメル・コリンズの復帰もありましたし、安定のトニー・レヴィン、パット・マステロットも健在です。
21st Century Schizoid Bandでフロントマンを務めた、元Level 42のジャッコ・ジャクスジクは、グレッグ・レイクやボズ・バレル、ジョン・ウェットンらが唄った曲もしっかりと聴かせてくれる実力者でした。時にトリプルドラムの音量・音圧にヴォーカルが消されてしまう場面もあって、そこはちょっと可哀想でしたが...。
彼のギターはエイドリアン・ブリューほどの存在感はないものの、この選曲だからこそしっくりくるソツのないプレイで、フリップおじいちゃんもけっこう多くの場面で彼に任せてゆったりしているようでした。

メロトロンやシンセは、中央のドラムを陣取っていたビル・リーフリン。
70年代の映像ではフリップやデイヴィッド・クロスがメロトロンを弾いていましたが、今回のフリップは本当に監督というか、クリムゾンを名乗るための存在というか、要所要所では圧倒的な存在感を聴かせながらも、観ていてほのぼのさせる存在でした(笑)。

セットリストは日によって異なるようで、クラシックナンバーをやってもそこは流石クリムゾンと言えますね!
私個人としては「Starless」で本編が終演となり、アンコールで「Larks'~ pt.1」から始まった流れが最高に痺れました。「pt.2」「Red」が聴けなかったのはちょっと残念な気もしますが、「アイランズ」からの「The Letters」「Sailor's Tale」も聴けたのでプラマイ→大プラスです!
時間とお金があればもっと観たいと思わせる、本当に素晴らしいライヴでした。


Setlist(DGMオフィシャルサイトより)

Peace
Radical Action (To Unseat The Hold Of Monkey Mind) I
Meltdown
Radical Action (To Unseat The Hold Of Monkey Mind) II
Level Five
Epitaph
Banshee Legs Bell Hassle
One More Red Nightmare
Vrooom
Easy Money
Hell Hounds Of Krim
Suitable Grounds For The Blues
The Letters
Sailor’s Tale
In The Court of The Crimson King
Starless

- Encore -
Larks’ Tongues In Aspic Part 1
21st Century Schizoid Man
本編終演後。通して超シンプルなライティングでしたが、
この時だけステージは真っ赤っか(Starless)。
この辺りから、声を出さずにはいられなくなりました(曲間だけです 笑)
アンコールも終わって...
ロバート・フリップのとてもジェントルな振舞いに、新たな感動が!