2016年5月28日土曜日

20160522 Progressive Rock Fes at 日比谷野外音楽堂 Camelはスゴかった!!

開演前、みんな日影に隠れて客席はまばら。夏日でした!
前日CITTA'川崎でのSteve Hackett単独公演に続き、22日は野音でのフェス!
CITTA 'に続き、撮影禁止...最近の多くの来日公演では、スマホでの写真くらい撮らせてくれるもんですけど、プロモーターの意向だとすると考えが古すぎですよね。
まず間違いなく、アナウンスにある「アーティストの意向」ってのはないと断言できます。Steve Hackett 2013年の来日公演以降のセットリストの変遷は、YouTubeで殆ど分かったし、それらはOfficialで紹介されたりしていますからね。

宿を川崎から赤坂に移して、チェックイン前に重い荷物だけ預け、朝からちょっと都内を散策。本当に不思議なもので、関東に住み、東京で働いていた頃には全く興味を持たなかった街が、今になってとても魅力的に感じ、帰省の度にいろいろ歩き回りたくなってしまいます。

仙台でのサミットや伊勢志摩でのG7という政治イベントが重なっていたので、都内のあらゆる場所が厳戒態勢。赤坂から日比谷に向かうまでは、永田町界隈を抜けていくので、数十メートルごとに警官がいるようなありさま。カメラをぶら下げていたので一度だけ「観光ですか?」と声をかけられましたが、幸い職質を食らうことはありませんでした(笑)。
オノボリさんです(笑)お巡りさんがいっぱいいました。
日枝神社。エスカレーターがあるのに階段で昇って筋肉痛
神前式日和でした。
日枝神社など適当に寄り道をしつつ、2時すぎくらいに日比谷公園に到着。永田町には何にも食事処がないので、出がけに赤坂で飯を食っておけば良かった...と後悔しつつ腹を空かしていたら、ラッキーな事に日比谷公園でビアフェスタを開催しているではありませんか!
ジョッキ1杯と、シュリンプ&チップスでなんとか腹を満たして、いざ野音へ!
恵みのビアフェスタ!このおかげで腹と喉を潤せました!
鳩に狙われるワタシの飯(笑)
入場の列がかなり長くなっていて、なおかつ開場時間になっても進まないので、脇にそれて木陰でのんびりしつつ入場。

ステージの中央にはRoger Dean書き下ろしのイラスト幕がドーンと垂れていましたが、正直なところ、このメンツでRoger Deanの絵はあまり似合わない気がしました。Yes主催の「Cruise to the Edge」という、クルーズ船のプログレ祭も彼の絵が使われてますから、まぁちょっとした賑やかしでしょうかね。
会場後方の日陰を探してチンタラしていたら、開演10分前にいきなり轟音が響き渡りました。Opening Actの原始神母がプレイを始めました!
トリビュート・バンドは全く明るくないのですが、彼らの演奏にはいきなり圧倒されました。
2人の女性コーラス、全曲には参加しない男性ヴォーカルも含めると8人編成。
覚えているところでは「One of These Days」からスタート、数曲挟んで「Time」「The Great Gig in the Sky」そして大曲「Atom Heart Mother」でシメ。そんな流れだったと思います。
ちょうど陽が傾き始めたタイミングで、ステージからはスモークが焚かれていた事もあり、なかなか良い雰囲気が演出されて、会場もかなりあったまった感がありました。

機材の入れ替えで20分前後のインターバルが入り、次はSteve Hackett。準備中から管楽器担当のRob Townsendがずっとステージに上がって準備していましたが、殆ど誰も気づかず(笑)。
2番手で、翌日は大阪公演、ということから想像するに、CITTA'とは違うセトリになるんだろうなと予想していたら、やっぱりほぼ半分くらいの短縮版になっていました。
ソロ曲は新作「WolfLight」から3曲、「Loving Sea」の曲紹介の時には、客席の左隅に立っていた奥様のJo Hackettさんを「My Darling Jo Jo」と紹介していましたが、こちらもあまり伝わらなかったのか、盛り上がりはイマイチ。
演奏は全く文句はありませんでしたが、私の場合はどうしても前日との比較になってしまうので、この日は「こんなもんか...」という感触でした。
「Firth of Fifth」の終演後、会場内は大盛り上がりでアンコールも求められましたが、この日はあっさり終演となりました。

私の一番の目当てがSteve Hackettで、そのパフォーマンスが、フェス用のショート版で肩透かしだっただけに、大トリのCamelには想像以上の感動がありました。
Camelも単独公演のショート版だったようですが、私はそちらには足を運べませんでしたので、Camel入門として最高のパフォーマンスを魅せてもらったと感じました。
なんと言っても長身のAndrew Latimer、彼のパフォーマンスが最高でした。
そして現ラインナップでは一番の古株、Colin Bassとの掛け合いも息が合っていて楽しげで、その良いムードが客席にも伝わってくるようでした。
Gibson Les PaulとVOXアンプの組み合わせの彼のギター・サウンドは繊細にして極太、そしてブルーズ・フィーリング溢れるフレーズの数々がいちいち琴線に触れて、少年期にFMで耳にした程度の曲でも「ヤベー!カッケー!!」となってしまいました。

比較は良くないですが、サスティナーのためにフェルナンデスのレスポール・タイプに乗り換えたHackettのギターより、音色も、演奏の自由度も、貫禄も、勝っていたように思います。
HackettもGibsonに戻るべきだと思ったくらいです。
Camelは「Snow Goose」と「Mirage」が愛聴盤ですが、その他はほぼ知らないという、うつけ者です(笑)。
今回、彼らのライヴを体験できたのを機に、ちゃんと聴かなくては!と気持ちを新たにしました。

会場では鳥のさえずりが漏れ聞こえ、揚羽蝶や蜻蛉が飛び交い、演目の進行と共に陽が沈んでゆくという、Fesならではの独特の雰囲気を体験できました。
演奏中はさすがに撮影できませんでした(泣)
すべての演奏が終わった直後。
最後にステージの近くまで寄って、お片付けのシーンを...

2016年5月22日日曜日

20160521 Steve Hackett at Club CITTA' Kawasaki

3年ぶりのSteve hackett来日公演!
ホールは立ち見もキツキツに出るほどの満員御礼。急遽、日比谷野音のフェスが入ったとはいえ、東京1 Dayはさすがに足りない!と思えるほどの盛況でした。

CITTA'でのライヴはいつも完全に撮影禁止。最近では珍しい厳戒態勢。アナウンスでは「アーティストの意向により」って言ってるけど、CITTA'側の意向でしょ。FaceBookのSteve Hackettオフィシャルアカウントや、公認のサポート・アカウントでは、オーディエンス録画のYouTube映像ががんがんシェアされてますからね(笑)。動画は撮らないからせめて写真は撮らせて欲しいなぁ...

今回は途中で20分の休憩を挟んでの2部構成。ソロ曲とGenesis曲を分けてやるんだなぁ...と開演前に思いました。まあ、あそこにいた多くの人がそう思ったことでしょう!

Openingはいきなり「Spectral Mornings」嗚呼!!私はこの曲のライヴ演奏を長年待ち望んでいました(涙)。しょっぱなからですか!
ソロ曲の第一部は、1st、2nd、3rd、からの曲を、最新作の「Wolflight」に織り交ぜた、超充実の内容でした。クライマックスは「Star of Sirius」「Ace of Wands」「Shadow of the Hierophant」のメドレー。ソロのレパートリー、Genesisの曲に全く負けてない!
最新作のWolflightでも顕著ですが、'80年代中期頃から導入しているアラビアン/中近東風のエスニックな音楽性が、非常に良いスパイスを効かせています。そして以前と明らかに違うのは、例えばイントロが非常に暗澹としていても、どこかに必ず明るい希望が見えること。元奥さんのキム・プーアが描く、瞳のない顔とは決別したような、そういう印象を抱かせます。

休憩を挟んでの第2部は「Genesis Revisited」。しかも前回とはかなり演目を変えてきました。Foxtrotからは「Get 'em Out By Friday」「Can-Utility and the Coastliners」と、泣かせるような渋い選曲。
Selling England〜からは「Cinema Show」!この時、残念だったのはNick Beggsのダブル・ネックが不調を来して、音が出なくなってしまったこと。私は2階席だったので、その様子がはっきりと見えてしまい、そっちが気になって完全にRoger Kingのキーボード・ソロ・パートを聴き損ねてしまいました(泣)。

間髪入れずに「Lamb Lies Down on Broadway」へとなだれ込み、本編のラストは「Musical Box」で大団円。3年前も感じましたがこの曲は鉄板ですネ!
アンコールは「Dance On a Volcano」「Firth of Fifth」。
嗚呼...最高です...。

Genesis Revisited Tourで、日本公演の後に他国で演奏された「Return of the Giant Hogweed」「The Knife」「The Fountain of Salamis」「Lilywhite Lilith」といった曲も期待していましたが、それらを差し引いても最高のライヴでした。

やっぱり私が一番盛り上がってしまうのはSteve Hackett、その人なんだなぁと改めて実感した至福の時間でした。

今日はCamelとの日比谷野音フェス!こちらも楽しみです。

5/25 セットリストをアップしました!

- Setlist -
Solo set
1.Spectral Mornings
2.Out of the Body
3.Wolflight
4.Everyday
5.Love Song To A Vampire
6.The Wheel's Turning
7.Loving Sea

- Introducing Members

8.Icarus Ascending
9.Star of Sirius
10.Ace of Wands
11.A Tower Struck Down
12.exerpt from, Shadow of the Hierophant

- Interval 20 min
Genesis Classics
13.Get 'em by Friday
14.Can-Utility and the Coastliners
15.Cinema Show
16.The Lamb Lies Down on Broadway
17.The Musical Box

- Encore

18.Dance on a Volcano
19.Firth of Fifth

2016年5月21日土曜日

いよいよ明日、Steve Hackett御一行様と再会です。

これまでに自分自身として書かなくてはいけない記事がいくつかありました。
David Bowie, Keith Emerson, Princeの死...
そしてライヴ体験では、わざわざ東北まで来てくれたTOTO、Deep Purpleについても書かなければなりません。

それらを少し差し置いても、いま書きたいのは明日のSteve Hackett 3年ぶりの来日公演、そしてCamelとのジョイントで行われる日比谷野音でのフェス!

送られてきたチッタのチケット、2階席となっていましたが、あそこ2階なんてありましたっけ?
改装でもしたのかな...それにしたって遠いなぁ。せめて川崎は2~3 Daysやって欲しかったなぁ。

僕が彼のライヴ体験をするのは、今回が3回目。過去2回は1996年、2013年といずれもGenesis Revisited時だったので、ソロワークについてはほぼ未体験です。
1996の時はソロ曲をメドレーで軽く流すようにやっていましたが、Hackettのソロ公演というよりオールスター的な人選/選曲で、クリムゾンやエイジアまでやっちゃって、ん〜という感は拭えませんでした。
2013年は怒涛のGenesis再現に凄まじい感動がありましたが、ソロ曲もいつかライヴで聴きたいと願っていたので、今回は今回で、また特別な思いがあります。

Camelも聴き込まねば!
Snow GooseとMirageくらいしか、まともに聴いていません(この2枚は愛聴盤ですが!)

2016年3月16日水曜日

訃報が続きますね

デイヴィッド・ボウイ、キース・エマーソンの訃報は非常に大きなショックで、このブログにもアップしなければと思っていました、がなかなか筆が進まず...

その他にも私の明るくないところでは、モーターヘッドのレミー・キルミスター、イーグルスのグレン・フライ、そして名プロデューサーのSir.ジョージ・マーティンと、年末から2016年初頭にかけて、多くの音楽界の重要人物が天国へ旅立ってしまいました。

デイヴィッド・ボウイとキース・エマーソンに関しては、後日改めてそれぞれについて想いを綴りたいと思います。

逝ってしまった皆さんが、天国で素晴らしい音楽活動を続けることを祈って...

2015年12月14日月曜日

201605 Steve Hackett 来日決定!

King Crimsonのライヴに行ったところ、手渡された広告の束の中に驚きの1枚が!

2013年のGenesis Revisited Tour以来熱望していた再来日、今回はGenesisナンバーに加えてソロ曲も含まれます!!
Spectral Mornings, Everyday, Jacuzzi, Blacklight etc...聴けるのでしょうか??
川崎・大阪 各1公演・・・大阪も行くべきか、悩ましいです。

20151210 King Crimson Live at Shibuya Bunkamura Orchard Hall

開演前のひととき
過去に複数回来日しているKing Crimsonですが、私は今回が初参戦です!
少し前にロバート・フリップの引退宣言がありましたが、その原因となったレコード会社との係争がクリアになったことで活動を再開したと聞き、今回こそは行かねば!と思い立ったのです。
Tシャツは迷いましたが...
個人的な最高作「太陽と戦慄」と、上の2枚に。(Redもカッコよかった!)
1stや今回の「ひとつ目」は、着て歩く勇気がありませんでした(笑)
しかし最近の新作といえば2014年のライヴを収録したミニ・アルバム(未聴)や、本体とはちょっと違うKing Crimson Projekct(未聴)、もう少し遡っても21st Century Schizoid Band(未聴)など、あまり興味をそそられる事がなかったので、今回の再結成がどんなものになるのか全く予想ができませんでした。
事前情報も敢えてシャットアウトしていました。

日中はなんとかもっていた天気が、ホールに到着する頃には雨となり、今住んでいる仙台とそれほど変わらない寒さに。
開場まで呑気に、吹き抜けから見える下のフロアのクリスマス・イルミネーションをボケーっと見ていました。

今回はトリプル・ドラムという編成。もはやこれすらも「変則」という範疇に入らないのでは?と思わせるのはクリムゾンならでは。

メンバーは以下のラインナップ。
ロバート・フリップ(G)
ジャッコ・ジャクスジク(G/Vo)
メル・コリンズ(Wind Instrument)
トニー・レビン(B/Chapman Stick)
パット・マステロット(Drums/Perc)
ギャビン・ハリソン(Drums)
ビル・リーフリン(Drums/Mellotron/key)

クリムゾンのライヴのイメージといえば「古い曲はやらない(やっても『太陽と戦慄pt.2』『Red』くらい)」「即興が多い(特に今回はスタジオ新作がないので、勝手に想像していました)」と思っていましたが...

延々と白玉和音の弦楽のような環境音楽が、癒し空間を演出する開演前のホール内。
時間を少し過ぎて暗転すると、フリップによるアナウンス(テープ?)が流れ、静かにメンバーが登場。
客席からの拍手も実に穏やかで、これまで観てきたどのライヴ(ミュージカルやダンス・パフォーマンスなども含め)とも比較しようのない独特の雰囲気でした。

いきなり!そしてしっとりと「ポセイドンを追って(×のめざめ)」のラスト曲「Peace / An End」でスタート。
デビュー作「クリムゾン・キングの宮殿」から70年代の最終作「Red」までの名曲がふんだんに盛り込まれ、新曲「Meltdown」やドラム・アンサンブル、「Vroom」「Level Five」などの"比較的"新しい曲も丁度良いくらいに挟まれた、正に最高のコンサートでした!

クリムゾンというと、常に真の意味でのProgressを自らに課し、そしてファンも求めてきた、非常に稀有な存在だと認識しています。
その分、1980年代からの後追い世代である私としては、リアルタイムの「ディシプリン」期や'90年代のメタル・クリムゾン期は「普通に好きだし進化を続ける姿も素晴らしい。でも'70年代の名作群ほどではない」と、なんとなくではありますが、思っていたのだと思います。

今回のライヴは例えるなら、ABWHや近年のスティーヴ・ハケットのように、(特に日本では同時代に聴けた人が少ない)往年の名曲を「懐メロ」としてではなく、ダイナミックに再生してくれた素晴らしい機会だったと思います。

ABWHでは、誰もライヴでは聴けなかったビル・ブルーフォードがいる「危機」の楽曲が、クリムゾン組の超タイトなリズム隊によって蘇りました。

スティーヴ・ハケットでは、彼以外は全て次世代のミュージシャンで構成されていながらも、忠実かつラウドに、若々しいサウンドで70'sジェネシスの名曲たちが再現されました。

2015のクリムゾンは、オリジナル・メンバーはフリップのみ(まぁごく初期からそうでしたが)ではありましたが、ブルーフォードより古いメル・コリンズの復帰もありましたし、安定のトニー・レヴィン、パット・マステロットも健在です。
21st Century Schizoid Bandでフロントマンを務めた、元Level 42のジャッコ・ジャクスジクは、グレッグ・レイクやボズ・バレル、ジョン・ウェットンらが唄った曲もしっかりと聴かせてくれる実力者でした。時にトリプルドラムの音量・音圧にヴォーカルが消されてしまう場面もあって、そこはちょっと可哀想でしたが...。
彼のギターはエイドリアン・ブリューほどの存在感はないものの、この選曲だからこそしっくりくるソツのないプレイで、フリップおじいちゃんもけっこう多くの場面で彼に任せてゆったりしているようでした。

メロトロンやシンセは、中央のドラムを陣取っていたビル・リーフリン。
70年代の映像ではフリップやデイヴィッド・クロスがメロトロンを弾いていましたが、今回のフリップは本当に監督というか、クリムゾンを名乗るための存在というか、要所要所では圧倒的な存在感を聴かせながらも、観ていてほのぼのさせる存在でした(笑)。

セットリストは日によって異なるようで、クラシックナンバーをやってもそこは流石クリムゾンと言えますね!
私個人としては「Starless」で本編が終演となり、アンコールで「Larks'~ pt.1」から始まった流れが最高に痺れました。「pt.2」「Red」が聴けなかったのはちょっと残念な気もしますが、「アイランズ」からの「The Letters」「Sailor's Tale」も聴けたのでプラマイ→大プラスです!
時間とお金があればもっと観たいと思わせる、本当に素晴らしいライヴでした。


Setlist(DGMオフィシャルサイトより)

Peace
Radical Action (To Unseat The Hold Of Monkey Mind) I
Meltdown
Radical Action (To Unseat The Hold Of Monkey Mind) II
Level Five
Epitaph
Banshee Legs Bell Hassle
One More Red Nightmare
Vrooom
Easy Money
Hell Hounds Of Krim
Suitable Grounds For The Blues
The Letters
Sailor’s Tale
In The Court of The Crimson King
Starless

- Encore -
Larks’ Tongues In Aspic Part 1
21st Century Schizoid Man
本編終演後。通して超シンプルなライティングでしたが、
この時だけステージは真っ赤っか(Starless)。
この辺りから、声を出さずにはいられなくなりました(曲間だけです 笑)
アンコールも終わって...
ロバート・フリップのとてもジェントルな振舞いに、新たな感動が!

2015年9月12日土曜日

ASIA・ALPHA



私が初めて買った音楽専門誌「ミュージック・ライフ」1983年7月号(だったかな?)。
PILが来日して、ジョン・ライドンが表紙の号に、エイジアのセカンド・アルバム「ALPHA」リリース直前、スティーヴ・ハウ インタビューが掲載されていました。

すでに手許にないので記憶でのお話になってしまいますが、このインタビューは興味深かったのでけっこう鮮明に覚えています。

インタビューアは、イエス時代にはメイン・コンポーザーのひとりとして活躍したスティーヴが、エイジアではあまり作曲していないことに触れました。
それに対して彼は、自身をデラニー&ボニー時代のクラプトンになぞらえ、エイジアではいちギタリストとして気楽に楽しんでいる、という趣旨の返答をしていました。

そこまでは良かったのですが、インタビューアは次に余計な一言を・・・。
「ジョン・ウェットンはあなたの曲を『エイジアには向いていない』と言っていましたが?」
これにはスティーヴもムッとした様子で反論。「自作曲の多くは自分の中で暖めているから、殆どオープンにしていない」という感じで返していました。

あの当時、直後に起きたお家騒動は、このインタビューが引き鉄になったんじゃないか??・・・と、中学生だった私は邪推したのでした。

今は、ALPHA製作時にウェットン/ダウンズの曲がゴリ推しされたのは、ファーストからカットしたヒット曲に倣ってゲフィン・レコードが指示したことや、リリース直後のゴタゴタの原因の一つとしてジョン・ウェットンが酷いアル中状態だったことなど、崩壊に向かういくつかの要因が明らかになっていますが、スティーヴとジョンの確執のきっかけは、あのインタビューにあり!と、私は今も密かに思っています。
確か英米の他誌記事転載ではなく、ミュージックライフ独自のインタビューだったと記憶しています。

ALPHAは私の洋学体験の初期、アルバムを買うのも大変な子供時代に手にした1枚なので思い入れはあります。当時はレコードプレイヤーを持っていなかったためカセットテープで購入、それが幸いして「Daylight」(カセットのみのボートラで、EP「Don't Cry」c/w 曲)も聴けました。

今となってはファーストよりも聴く機会はぐっと少ないですが、たまに通しで流すと懐かしい記憶が蘇ってきます。
極上のポップソング「Don't Cry」で幕を開けるこの作品、ファーストとの比較は今も当時も避けられず、その観点ではどうしても見劣りしてしまいますが、ただそれだけで切り捨てるのは勿体ない好盤です。
惜しむらくはプロダクション。キーボードの音に埋め尽くされたバッキングは当時「音の壁」などと評されましたが、全体にリバーブがかかっている印象で各楽器の分離が悪く、演奏の魅力が埋没してしまっているのが本当に勿体ない。
スティーヴ・ハウとカール・パーマーの、良い意味でハチャメチャなエゴイズムが抑えられてしまっているのも残念。
全ての楽曲はウェットン/ダウンズで、多少一本調子な印象も否めませんが、それでも多くの美メロを楽しめます。
個人的にはヒット・シングルを含むA面よりも、地味ながら憂いに満ちた名曲が並ぶB面に魅力を感じます(当時はA面がα、B面がβと名付けられていました)。

部活のない夏休みの午後、自室で仰向けになって窓から顔を出し、このアルバムを聴きながら遥か上空に光る旅客機に思いを馳せた思春期を思い出す、そんなクッサイ1枚です。